東京五輪マラソン代表選考レース『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』って何?

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1月28日(日)の大阪国際マラソン、2月4日(日)の別府大分毎日マラソン、2月25日(日)の東京マラソン、3月4日(日)のびわ湖毎日マラソンと、1月下旬から約2ヶ月間、国内主要マラソンレースが続きます。

上記のレースは、かつてオリンピックや世界選手権(世界陸上)のマラソン代表選考レースとして人気を博してきましたが、今回からは2019年秋に開催される『マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)』のための選考レースとして注目を集めています。東京五輪に向けた代表選考方法として2017年8月に発表されたこのシステムですが、イマイチ把握できていないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、改めてルールや仕組みを整理し、どんな手順を経て東京五輪へ向かっていくのかをおさらいしていきます。これが判れば、月末からのマラソンレースが一層楽しみになるかも?

東京五輪のマラソン代表は男女3名ずつ

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2020年の東京五輪マラソン代表になるには、2通りの方法があります。1つは、2019年秋に開催予定の『マラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)』に出場して一定以上の成績を挙げること。もう1つは、2019年冬から2020年春にかけて行われる主要国内マラソンレース『マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ(以下、MGCファイナルチャレンジ)』にて派遣設定記録を突破した最も速い選手になることです。

“一発選考”に限りなく近いMGCで優勝すれば、文句なしの即時内定となります。2位の選手でも、他に『MGC派遣設定記録(※1)』を突破した選手がいない限り、その場で内定です。また、3位の選手にもまだチャンスは残されています(※2)。
※1 男子:2時間05分30秒、女子:2時間21分00秒
※2 2位と3位の選手がともに派遣設定記録を突破した場合、資格記録の上位者が内定

MGCが終了した時点で男女2名ずつが内定を決め、残りはMGCファイナルチャレンジ(2018年冬~2019年春)の結果次第となります。ここで『MGCファイナルチャレンジ派遣設定記録』(2019年5月発表)を突破した1番速い選手が代表権を勝ち取り、誰も設定記録を破れなければ、MGCで内定を得られなかった2位か3位の選手が内定です。

代表選考においての優先順位は、以下の通り。

① MGC優勝者
② MGC2位又は3位の競技者の内「MGC派遣設定記録(※)」を突破したMGC最上位の競技者
③ 選考基準②を充たす競技者がいない場合、MGC2位の競技者
④ MGCファイナルチャレンジにおいて、「MGCファイナルチャレンジ派遣設定記録」を突破した記録最上位の競技者。ただし、MGCシリーズに出場(完走)、又はMGCの出場資格を有することを条件とする。
⑤ 選考基準④を充たす競技者がいない場合、選考基準②を充たしていないMGC2位または3位の競技者

MGCへの出場資格とは?

ここまで、代表権獲得までの流れについて説明してきました。では、一体どうやってMGCに出場する資格を得るのでしょうか。MGCに出場するためには、2つの方法があります。1つは、『MGCシリーズ』と呼ばれる国内主要大会に出場し、一定の成績とタイムを残すこと。もう1つは『ワイルドカード』で出場権を獲得することです。この2つについては選考基準がややこしくなっているので、日本陸連の公式発表から情報を抜粋して説明します。

(1)MGCシリーズ

●男子
大 会 日本人順位+記録 日本人順位+記録
福岡国際マラソン 1-3 位 2:11.00 以内 4-6 位 2:10.00 以内
東京マラソン 1-3 位 2:11.00 以内 4-6 位 2:10.00 以内
びわ湖毎日マラソン 1-3 位 2:11.00 以内 4-6 位 2:10.00 以内
別府大分毎日マラソン 1 位 2:11.00 以内 2-6 位 2:10.00 以内
北海道マラソン 1 位 2:15.00 以内 2-6 位 2:13.00 以内
●女子
大 会 日本人順位+記録 日本人順位+記録
さいたま国際マラソン 1-3 位 2:29.00 以内 4-6 位 2:28.00 以内
大阪国際女子マラソン 1-3 位 2:28.00 以内 4-6 位 2:27.00 以内
名古屋ウィメンズマラソン 1-3 位 2:28.00 以内 4-6 位 2:27.00 以内
北海道マラソン 1 位 2:32.00 以内 2-6 位 2:30.00 以内

※ただし、既にMGCファイナリストの資格を有している競技者は、日本人順位に含まない。

(2)ワイルドカード
1)2017年8月1日~2019年4月30日までの「国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会」で、①、②のいずれかを満たした競技者
①男子2時間08分30秒以内、女子2時間24分00秒以内
②期間内の上位2つの記録の平均が、男子2時間11分00秒以内、女子2時間28分00秒以内
2)第16回世界陸上競技選手権大会(2017/ロンドン)8位入賞者 ※該当者なし
3)第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ)3位入賞者
4)MGCシリーズ各大会において、気象条件等によりMGCファイナリストの資格を1名も満たさなかった場合、強化委員会が出場資格相当と判断した競技者

これら2つの選考を経て、2018年1月20日時点で男子5名、女子1名がMGC出場権を獲得。男子の大迫傑選手(Nike ORPJT)、上門大祐選手(大塚製薬)、竹ノ内佳樹選手(NTT西日本)、村澤明伸選手(日清食品グループ)の4名と、女子の前田穂南選手(天満屋)はMGCシリーズで、川内優輝選手(埼玉県庁)はワイルドカードの条件を突破して出場を決めています。

現時点での人数は寂しい限りですが、まだ選考レースは始まったばかり。今月末から続く主要マラソン大会で、“東京五輪候補選手”が続出することを期待しましょう!

<MGCファイナリスト>

●男子
名前 所属 自己ベスト 出場権を獲得した大会と記録
大迫 傑 Nike ORPJT 2:07:19 第71回福岡国際マラソン 日本人1位(2:07:19)
上門大祐 大塚製薬 2:09:27 第71回福岡国際マラソン 日本人2位(2:09:27)
竹ノ内佳樹 NTT西日本 2:10:01 第71回福岡国際マラソン 日本人3位(2:10:01)
村澤明伸 日清食品グループ 2:14:48 北海道マラソン2017 1位(2:14:48)
川内優輝 埼玉県庁 2:08:14 第48回防府読売マラソン 1位(2:10:03)
第71回福岡国際マラソン 日本人4位(2:10:53)
※ワイルドカード(1.ii.)
●女子
名前 所属 自己ベスト 出場権を獲得した大会と記録
前田穂南 天満屋 2:28:48 北海道マラソン2017 1位(2:28:48)

マラソングランドチャンピオンシップ Official Site

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松永貴允が執筆した記事

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