ニューバランス『Fresh Foam X 1080v14』を履いたシューズアドバイザーの見立ては? 「前に吸い込まれていく」不思議な接地感
Oct 29, 2024 / SHOES
Oct 29, 2024 Updated
ニューバランスが展開するランニングシューズの定番モデル『Fresh Foam X 1080』シリーズ。その高いクッション性から多くのランナーに支持されているデイリートレーナーの14代目モデルが登場しました。
今秋の注目モデルとなりそうな一足を、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
汎用性が上がったブランドを代表するデイリートレーナー
大森:今回紹介するシューズは、ニューバランスの『Fresh Foam X 1080v14』です。ランナーには「1080(テンエイティー)」として親しみがあるシューズだと思いますが、いよいよ14代目の登場です。
藤原:多くのランナーに支持されているモデルですね。
大森:このシューズは悪いところを見つけることが難しいシューズですよね。
藤原:そうですね。さらに今回はずばり汎用性が高まったと思います。
前作もジョギングやLSD(ゆっくりと長時間のランニングを行うトレーニング)で気持ち良く走れたシューズでしたが、ウォーミングアップや流しなどでは少しどうかなと感じていた部分もありました。今作では全体的に安定感・接地感が高まり、アウトソールのパターンを変えたことでシューズが走りをガイドしてくれる感覚もあります。流しなどでも使いやすくなりました。
大森:安定感がさらに増したんですね。
藤原:アッパーがソールに包まれているような構造になっていて、ミッドソールの横幅も広くなったため安定性が増しています。
大森:かかとの周りにミッドソールがあるということですよね。
藤原:そうですね。非常に守られている感じがあります。前作は前足部でポンポン跳ねる感じでしたけれど、重心移動が中心に寄るように設計されたアウトソールパターンのおかげか、今作は前に吸い込まれていくような感覚があります。
大森:その辺りが接地感を感じる理由でしょうか。
藤原:まるで薄く感じるくらいです。ただクッションがないのではなく、同じシリーズで弟分にあたる『Fresh Foam X 880 v14』と履き比べたら、やっぱりクッションあるなと感じました。
大森:厚いけど、薄さも感じるというのは不思議な感覚ですね。フィット感はどうですか。
藤原:前回はそこまでキツさはなく、全体的に優しく包んで守っている感がありました。今作はまさにフィットしていると感じます。全体的に強弱が効いていて、レーシングシューズに近しい雰囲気がありますね。
幅がすごく広いというわけではありません。ただニューバランスが誇るウィズサイジング(同じサイズ間で異なる幅のシューズを展開する方式)がありますから、フィッティングして自分に合ったものを選べますよね。
藤原:かかと周りや甲のフィット感が本当に良くて、やはりウォーキングやジョグだけじゃなく、アスリートたちのウォーミングアップ用としても使いやすくなっているんじゃないでしょうか。
大森:他の『Fresh Foam X』シリーズとの履き分け方はいかがですか。
藤原:同じニュートラルモデルであるFresh Foam X 880はニューバランスのベースシューズ、そしてFresh Foam X 1080はプレミアムクッションモデルだと思います。その上には、『Fresh Foam X More v5』というマックスクッションモデルもあります。
以前はFresh Foam X MoreとFresh Foam X 1080のフワッとしたクッション感が近くて、どっちが良いかなと悩む部分でしたが、今回のアップデートでプレミアムクッションモデルとしてのFresh Foam X 1080の立ち位置が明確になったと思います。
大森:Fresh Foam Xシリーズの真ん中としての地位がより確立された感じですか。
藤原:そうですね。ゆっくり走ることもできて、流しのようなこともやりやすい。汎用性が高く、非常にバランスが取れたシューズになったと思います。
大森:どの層がターゲットというよりは、本当に誰にでもおすすめできるモデルということですね。
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多くのランニングユーザーからの支持がある1080のさらなる進化は今シーズンの注目を集めそうです。藤原さんのレビューを見て、気になった方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
詳細情報
ニューバランス|Fresh Foam X 1080v14
・価格:¥19,800(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)