【月間300km走っても速くならない?】フルマラソンのPB更新に必要な練習を横田真人さんが解説

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(左から)横田真人さん、長谷川朋加さん

フルマラソンでPBを更新したいランナーに向けた対談シリーズ「PB更新相談室」がスタート。日本一走るアナウンサー・長谷川朋加さんとともに、 TWOLAPS代表・横田真人さんにフルマラソンでのパーソナルベスト(PB)更新のためのトレーニング方法について聞きます。

横田さんは800mの元五輪選手であり、現在はトップアスリートを指導しているコーチ。専門は中距離ながら、マラソンとの親和性を熟知したその視点から、市民ランナーの「あるある」な悩みに切り込みます。

月間300〜400kmを走っても、PBが更新できない理由とは

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長谷川さんの日課は、ほぼ毎日6分30秒〜7分/kmのジョギングを10〜15kmほど行うこと。月間走行距離は300〜400kmに達します。一見すると十分すぎる練習量に見えますが、ここ最近はPBを更新できていませんでした。

長谷川さんの現在のPBは3時間13分33秒。これは山の多い地方に住んでいた頃、週5日のヒルトレーニングを重ねた結果として出したタイムです。その後、東京に転居してからは平坦なコースでのジョギングのみが日課となり、それ以来PBの更新はありません。

そんな長谷川さんに横田さんは「ジョギングばかりすることは、土台づくりという意味では理にかなっている。じゃあ、その次はどうするか」と言葉を贈ります。

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フルマラソンで3時間10分切りを目指す場合、1kmあたりのペースはおよそ4分26秒。横田さんは、このリアリティを丁寧に伝えます。

「中高生のとき、体育の授業で1000mを走りませんでしたか?女子で4分を切ると学校のスターです。しかしレースでは学生時代に走った1000mに近しいペース、もしくはそれより速いペースで、1000mを42回走り続けなければならない」(横田さん)

長谷川さんが普段走るペースである7分/kmと目標のペースの差は約2分半であり「雲の上の目標みたいに感じます」という長谷川さん。果たして横田さんはどのようなトレーニングをおすすめするのでしょうか。

スピード練習の第一歩は「坂道」から!

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ジョギングで培ったベースとともに、目標のレースペースで走るために必要なスピードの要素を加える。そのために「まずトラック(競技場)に行って、アスリートたちに追い抜かれながらトレーニングを行う……というのは多くの市民ランナーにとってハードルが高い」と横田さん。そこで提案するのが、坂道でのトレーニングです。普段のジョギングのコースにある起伏を使うだけでも十分だと話します。

「必ずしもダッシュをしなくてもいいです。坂道を走るだけでも、頑張って腕を振ったり、自然と身体が前傾したり、地面を押す力がついたりなど、出力を高められるフォームが身につきます。また、いきなりインターバルトレーニングなどのスピードの速い練習をするとケガのリスクも高まります。まずは週に1~2回、起伏のあるところを走ったり、スピードに変化をつけたジョギングを行うことから始めるのがおすすめです」(横田さん)

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また市民ランナーにとってなじみの深い、強度の高いトレーニング「ポイント練習」についても聞きたいと長谷川さん。横田さんはその頻度と強度について「週に1回はポイント練習、加えて1回は20~25km程を無理ないペースで走るロング走を実施。それだけでシンプルに始めるのが理想」と話します。

とくに夏場のロング走は無理して走り続ける必要はなく、5km走っては給水し、少し休んでからまた走るという形でも十分にトレーニング効果が得られると横田さん。大切なのは熱がこもりすぎず、回復が追いつく範囲でトレーニングを継続することであると言います。

「これはトップアスリートも市民ランナーも同じです」

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ポイント練習は週に1回でいいーー。では、ポイント練習のメニューはどのように組むのか。まず必要なのが「今の自分がどれくらいのペースで走れるか」を把握することであると横田さん。闇雲に強度の高いトレーニングをこなすより、現状を正しく評価し、自分に合った負荷から始めることが近道であるとコメント。

1000mのインターバルトレーニングをポイント練習として行うならば、最終的にはレースペースよりも速く行えるようになる必要がある。けれど最初はレースペースよりも遅い設定から始め、「余力があるから、もう少し速くできそう」と感じたなら少しずつ速めていく……。自分の状態を評価しながら設定タイムを高めたり、インターバルトレーニングの本数を増やしていくことを横田さんは推奨します。

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またポイント練習を行った翌日のトレーニングについても注意が必要であると横田さん。

「ポイント練習を行った翌日に、90分もジョギングをするといったことは避けた方がいいかもしれません。マラソン含め走る競技は自分と対話をするスポーツ。とくにケガは走るモチベーションが下がる要因です。これはトップアスリートも市民ランナーも同じです。どんなトレーニングでもやりすぎは禁物。だからこそ、まずは坂での無理のないトレーニングがおすすめです」(横田さん)

横田さんの言葉に、PB更新への手応えを感じた長谷川さん。本シリーズの次回以降では、「走るだけでは速くなれない?」といった切り口でPB更新への方法を掘り下げていく予定です。

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