Onのランニングシューズの履き分け方は?シューズアドバイザー厳選の5足を解説
Jan 13, 2024 / SHOES
Aug 26, 2024 Updated
スイスのパフォーマンスランニングブランド『On(オン)』。年々ラインナップも増えるにつれ、使用するランナーも多くなり、年始の駅伝ではトップランナーの着用もあり注目を集めています。そのオンから今回はRuntirpお馴染みのシューズアドバイザーが厳選5足をピックアップ。多くのランナーが気になっている各モデルの特徴や履き分けを紹介します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
人気沸騰!Onのランニングシューズの特徴とは
大森:今回はオンのランニングシューズ履き分けを紹介していきたいと思います。
藤原:今や知らないランナーはいないブランドへと成長しましたね。
大森:履いてる人を見ない日はないくらいですが、なんといっても特徴はソールに空洞を利用した『CloudTec®』ですよね。
藤原:そうですね。創業者の1人であるオリヴィエ・ベルンハルト氏がトライアスロンの元スイスチャンピオンなんですが、彼が庭のゴムホースを切って、シューズにつけてみたところから始まったんですよね。
ランニング動作の垂直方向のバウンドと、推進力の水平方向のバウンドを同時に作るということで、ゴムホースから着想された穴が空いている形をしています。
大森:普段履きとしても履いている方が多いので、おしゃれなシューズという認識もされていると思いますが、機能面でも注目されていますよね。
藤原:最近は、実業団や大学など、トップ選手でも着用する選手が増えていますよね。
定番のデイリートレーナー
大森:今回は、数あるモデルから5足紹介したいと思います。まずは『Cloudswift 3』です。
藤原:こちらはデイリートレーナーですが、今回紹介する5足で一番お気に入りのモデルです。
大森:そうなんですね。
藤原:オンの屋台骨を支える定番シューズだと思います。5mmドロップのロッカースタイルで、「Onを履いてみたい」と思っている方は、ここから入ってほしいです。柔らかくもなく硬くもなくて、まさにオンのシューズを体感できるバウンド感だと思います。
また、ニットアッパーで足入れが良く、前足部がゆったりしているんですが、甲周りをしっかり締めてくれる構造になっています。
大森:CloudTec®に、もう1つのオン特有である『Speedboard®』がミッドソール中層に入っていて、まさに定番のシューズという感じですね。
一世を風靡したゲームチェンジャー
大森:続いて、『Cloudmonster』です。いきなり登場して、大ヒットしたモデルと言っていいんじゃないでしょうか。
藤原:まさに“ゲームチェンジャー”でしたね。こちらはオンらしい楽しいランニングを体感できるシューズだと思います。屈曲剛性もしっかりしているし、このモデルからHelion™というフォーム材の素材が変わりました。ハニカム状の二層構造も取り入れて、厚みも出せるようになっています。
大森:デイリートレーナーかと思いますが、レースでもしっかり使えるモデルですよね。
藤原:そうですね。非常に軽量で十分使えると思いますが、初心者というよりは走り慣れて2足目とかにより向いているのかなと思います。
Onの技術進化を象徴するスーパートレーナー
大森:『Cloudeclipse』、こちらはいかがでしょうか。
藤原:また、新たなゲームチェンジャーが出ましたね。ポイントは2つあって、1つは40mmを超えるスタックハイト(ソールの厚さ)になっています。
大森:かなり厚いですよね。
藤原:ただ、ドロップは低めで前に傾斜するロッカータイプになっています。
大森:この厚みですが軽いですよね。
藤原:アッパーも軽量ですね。ただ、クッション性がありつつ、Speedboard®もついて安定感が高いです。デイリーでも使えつつ、テンポアップにも良いと思います。
大森:まさにスーパートレーナーですね。
藤原:CloudTec Phase®は、穴の形状が変わっていて、ドミノ倒しのような原理で潰れていくという、新しい概念の構造です。
大森:見るからに、前に進んでいきそうな感じになっていますよね。
藤原:オンが技術的に進化している象徴だと思います。
接地感抜群でクセのないテンポアップシューズ
大森:続いては『Cloudflow 4』です。
藤原:こちらは接地感のあるテンポアップシューズです。
大森:前作までと結構変わりましたよね。
藤原:Speedboard®は入っていますが、しっかり屈曲もしてくれます。プラットフォームが広がっていて接地感も良く、まったくクセがありません。履いていて気持ち良いシューズだと思います。
大森:位置づけとしてはテンポアップシューズですか。
藤原:そうですね。トップ選手も結構こちらを使用しているようです。
カーボン搭載のトップレーシングモデル
大森:最後は、レーシングシューズの『Cloudboom Echo 3』です。
藤原:当然、速く走れるシューズです。カーボン製のSpeedboard®が搭載されていて、屈曲も硬いのでプレートも感じられます。まさにレース用ですね。Cloudflow 4を練習で履いて、レースでこちらを履くといった使い方が良いと思いますね。
おすすめの履き分けパターン
大森:この中で何足か持つとしたら、どんな組み合わせが良さそうですか。
藤原:バランスが良いのはCloudswift 3、Cloudflow 4、Cloudboom Echo 3の組み合わせはオーソドックスですね。
大森:確かにバランスが良さそうです。Cloud swift 3をCloudmonsterに変えても良さそうですね。
藤原:良いと思います。2足ならレース用にCloudboom Echo 3、トレーニングでCloudeclipseという組み合わせもありですね。初心者の方なら、Cloudswift 3に加えて、テンポアップにCloudflow 4で十分かもしれませんね。
大森:なるほど。いろいろ組み合わせられそうですね。
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多種多様なオンのランニングシューズ。特徴が分かれば、自身に合った組み合わせも見つけられそうですね。オンで履き分けをしてみたいという方は、ぜひ藤原さんの解説を参考に、いろいろと試してみてはいかがでしょうか。
■Onのランニングシューズおすすめ15選はこちら
詳細情報
1. Cloudswift 3
・価格:¥18,480(税込)
2. Cloudmonster 2
・価格:¥19,580(税込)
3. Cloudeclipse
・価格:¥20,680(税込)
4. Cloudflow 4
・価格:¥18,480(税込)
5. Cloudboom Echo 3
・価格:¥32,780(税込)
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)