「今日のトレーニングはキャンセル!!」、わがままな人ほど結果を残せる理由とは
Aug 06, 2016 / COLUMN
May 26, 2019 Updated
ランニングは継続が大切がモノを言うスポーツ。
掲げた目標に向かって計画的にトレーニングをしよう、とモチベーションを高めるものの、暑い・寒い・雨が降ってるなどといった天候や気温の影響、また、つい飲み過ぎて内蔵や胃腸に負担がかかりシンドイ・・・。といった理由で、なかなかトレーニングに身が入らず、途中で終わってしまったり、翌日に走ったりと、“予定の変更”を繰り返してしまった経験がみなさんもありませんか?。
「一度、目標を立てたのに、その通りに行動できずに情けない……」
そう自分を責めてしまう気持ちはわからなくもありませんが、ちょっと待ってください。
シドニー、アテネ、北京のそれぞれのオリンピックに出場した為末大さんが、何人かのオリンピック出場選手に話を聞いたところ、「スケジュールの変更」の多い選手は、選手生命が長いと感じたと、自著『限界の正体』で明かしています。
例えば、「練習をしようと思ってグラウンドに出たけど、調子が出ないので途中でやめる」「試合に出るために会場に来たけれど、ケガが怖いから直前でキャンセルする」、世界のトップ選手でも、このようにスケジュールの変更を行っているのです。
北京オリンピックで銅メダルを獲得した男子4×100mリレーチームの朝原宣治さんは、スケジュール変更をすることで有名だったそう。上記のように体に異変を感じるとすぐに練習を切り上げるのです。朝原さんの周囲にはトレーナーらがいるので、一見、「わがまま」のように見えたりもします。
しかし、朝原さんにはしっかりとした考えがあって、「体の違和感や感覚に、率直に従っている」だけなのです。そういった微調整を繰り返すことで、トレーニングや小さな試合はキャンセルすることはあっても、目標としていた大きな大会を外すことはありませんでした。
「僕は大きな大会で結果を残すことを考えていたので、ひとつひとつのレースにはそんなにこだわらず、途中でやめるという決断ができた。ゆらり、ゆらりと、ぬらりひょんみたいにやってきたからこそ、36歳まで現役を続けられたのです」
こちらは同書で紹介された朝原さんの言葉。
このように潔く目の前の目標を完結させることができるから、大きな大会で結果を残し、さらに長く現役選手として活動することができたのです。
真面目なランナーの中には、「その日の目標を達成しないと気が済まない」という方もいるでしょう。しかし、それでは体を壊してしまうこともありますし、それこそスケジュールの変更ばかりを続けてしまうと、モチベーションが継続しません。
ここは為末さんや朝原さんの言葉に習ってみてはどうでしょう。
スケジュールの変更を肯定し、自身のフィジカル・メンタルに向かいながらフレキシブルに対応していく。そのような判断力も、レースで良い結果を出すための必要なポイントかもしれませんね。真面目なランナーの皆さん、スケジュールを変更しても凹まないでくださいね!!