ランナーってどんな人? 取材依頼で断られた理由から思うこと

『ランナー』という言葉を聞いて、あなたはどのような人を思い浮かべるだろうか。毎朝早起きしてランニングを継続している人。厳しいトレーニングをしている人。腹筋が割れている細身の人。フルマラソンに何度も挑戦し続けている人。スポーツウォッチでパフォーマンスを細かく記録する人。そのようなイメージがあるかもしれない。そんな中、あなたは胸を張って『ランナー』として自己紹介できるだろうか。

現在、『海外のランニング文化に触れる』という企画で、各国のランナーにインタビューをしている。新記録を狙ったり金メダルを獲得したプロランナーではなく、朝夕近所を走っているような一般的な市民ランナーにスポットライトを当てて、人生のストーリーをご紹介しているのだ。

 

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『ランナー』と呼べるほどの者ではない?

これまで、様々な国の方に取材協力をお願いする上で、断られることがあった。興味深いのは、その理由。アメリカやヨーロッパを含め、様々な国で毎回のように同じような理由を聞く……。

「私は『ランナー』と呼べるほどの者ではありません」

「走るのは好きですが、毎日走っているわけではないので、私は『ランナー』ではありません」

「年配で体力のない私が『ランナー』として紹介されたら家族に笑われてしまいます」

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もちろん、事前に普段から走っている人だということを認識してからインタビューをお願いしている。自分でランナーであると認識しているかどうかという問題のようだ。

実は私も、初対面の人とランニングについて話すとき「一応、ランナーです。走るのは遅いんですけどね……」などと、誰に頼まれたわけでもないのに、無意識に言い訳してしまっている。

ランナーの条件とは

では、ランナーと呼ぶには条件をクリアしなければならないのか。格好いいシューズを3足以上持っていること? フルマラソンの完走歴があること? 5年以上ランニングを継続していること? 速いペースで走れること? いや、もちろんそのような決まりはないし、走っていれば、誰でもランナーだ。多くのランナーが怖じ気づいてしまう理由は、冒頭でご紹介したような、映画や雑誌、テレビなどで描かれているストイックなランナーのイメージの影響かもしれない。

 色々なランナーがいていい

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 今はダイバーシティ(多様性)の時代。ランナーも1つの型にとらわれる必要はない。世界中で愛されているランニングは、速くても、遅くても、太っていても、痩せていても、老若男女が楽しめるスポーツだ。

今はSNSなどで一般の人が情報を発信することで、これまで多くの人がとらわれていたランナー像が進化しようとしている。例えば、#IHaveARunnersBody(私はランナー体型)というハッシュタグを通して、様々な体型やレベルのランナーが、自分の走っている姿を投稿し、ランナーのダイバーシティを世界に発信している。一様の体型にとらわれることなく、堂々と『ランナー』として走る姿には勇気づけられる。

どんな人でも走っていれば、その人はランナーだ。誰かが作ったランナー像に自分を当てはめることなく自由にランニングを楽しんでいきたい。

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