神野大地監督が率いる『MABP マーヴェリック』創部1年目で快挙！ 東日本実業団駅伝6位でニューイヤー駅伝出場を果たす

「創部2年で駅伝の全国大会に出場する」

まるで漫画のような目標を達成した……それも2年目を待たず、わずか創部1年で成し遂げたチームがあります。”山の神”こと神野大地氏が監督を務める新鋭チーム『MABP マーヴェリック』です。

本稿では快挙を成し遂げた『MABP マーヴェリック』の報告会の模様をお届けします。

「1年目から本気で目指さないといけない」

毎年1月1日に開催され、お正月名物としても名高い『全日本実業団対抗駅伝競走大会（以下、ニューイヤー駅伝）』。とくに東日本地区の予選である『東日本実業団対抗駅伝競走大会（以下、東日本実業団駅伝）』は激戦区として知られています。

2025年11月3日（月・祝）に神野氏が監督を務める『MABP マーヴェリック』が『東日本実業団駅伝』へ初出場。チーム始動からわずか1年での挑戦となりました。

実は第1回大会を除き、発足1年目から『ニューイヤー駅伝』に出場したチームはありません。前人未到の挑戦に対し、神野監督は「目標はチーム発足2年目で『ニューイヤー駅伝』に出場すること。ただ、この目標を達成するためには1年目から本気で『ニューイヤー駅伝』出場を目指さないといけない」という覚悟のもと、全選手9名という陣容で臨みました。

『東日本実業団駅伝』に出走する選手は7名。20人近い部員数で挑むチームが多いなか、ギリギリの人数で戦うこととなった『MABP マーヴェリック』。そんな状況で見事6位入賞を果たし『ニューイヤー駅伝』の出場権を獲得したのです。

「選手たちが証明してくれた」

レース後に実施された報告会。まず神野監督は「6位入賞は正直、想像以上の結果」と率直な感想を語りました。

ただ今日に至るまで、決して順風満帆な道のりではなかったと神野監督。「春のトラックレースでは悔しい思いをする選手の方が多かった」と振り返ります。しかし夏合宿を境にチームは一変。「選手たちも意識を変えてくれて、絶対に『ニューイヤー駅伝』へ行くんだという強い気持ちを持って取り組んでくれた」（神野監督）。夏合宿の成果が直前の記録会、そして東日本実業団駅伝当日に結実したのです。

「上にはまだまだ強いチームをたくさんいる、今回勝ったチームにも強い選手が控えている」と話しつつ、神野監督は「東日本実業団駅伝に向けて、最も熱意を持って取り組んできたチームは『MABP マーヴェリック』だ」と選手たちの姿勢を評価しました。

「実力以上の成果は気持ちによって生まれる。選手たちが証明してくれた」（神野監督）

「今日が『MABP マーヴェリック』の歴史1ページ目」

神野監督の後には各区間を走った選手たちがコメント。第1区を走った山平怜生選手は中央大学卒業後、新卒で『MABP マーヴェリック』に加入したランナー。各チームの実力者が揃う1区で区間4位の走りを披露し、チームに勢いを与えました。

「先頭が見える位置でタスキを渡すことができてよかった。ここ（東日本実業団駅伝）で満足しないで、ニューイヤー駅伝で少しでも上の順位を目指したい」（山平選手）

第2区を走ったチェルイヨット・フェスタス・キプロノ選手は、今年の春にケニアから来日したばかりのランナー。世界クラスのトップアスリートが集った高速区間の2区で力走し、山平選手のつくった勢いをさらに加速させます。

報告会にてフェスタス選手は次の目標である『ニューイヤー駅伝』を見据えつつ、多くの声援に対する感謝を口にしました。

第3区を担当した堀尾謙介選手は『MABP マーヴェリック』の選手第1号として加入したランナーであり、中央大学時代には『東京マラソン（2019年大会）』で初マラソンながら日本人1位となったマラソン選手です。

チーム始動時にはコンディション不良が続いていた堀尾選手。本大会のエース区間として位置づけられる3区に選ばれ、区間4位という好記録でタスキをつなぎました。快走した堀尾選手は「エース区間を走る上で、自分で（勝利を）決め切るつもりで走った。調子も良く、皆さんの声援のおかげで最後まで粘り切ることができた。声援が力になった」と振り返ります。

第4区を出走した木付琳選手は國學院大學の在学時に主将を務めたランナーであり、現チームのキャプテンを務める人物です。報告会では感極まる姿も見受けられた木付選手。これまでの苦労が伺えるなか、大勢の方への感謝を言葉にしました。

「先月（10,000mの）自己ベストが5年ぶりに更新でき、駅伝を走れる状態まで戻ってこれた。皆さんと目標を共有できたからこそ、ここまで戻ってこれたのだと思う」（木付選手）

第5区を務めたのは神野監督がチームで最も熱い男と評する栗原直央選手。トラック競技を主戦場とするなか『MABP マーヴェリック』ではロードレースとなる駅伝でも実力を発揮。

持ち前のスピードを披露した栗原選手は「駅伝の経験があまりないなか、そこそこ走ることができた。『ニューイヤー駅伝』では最も注目される1区を走りたい。練習、頑張ります」と振り返ります。

第6区の鬼塚翔太選手は東海大学在籍時に『箱根駅伝』で総合優勝を果たしたランナー。10月に体調を崩したりなど、調子の優れないなかでの出走となりました。

「緊張もあったが、皆さんに成長した姿を見せるために走った。結果としてはまだまだ。この結果に満足せず『MABP マーヴェリック』らしい走りをして、結果として返せるように頑張りたい」（鬼塚選手）

第7区のアンカーを務めたのは、2025年の箱根駅伝に國學院大学のメンバーとしてエントリーされていた中川雄太選手。箱根駅伝後の1月6日に『MABP マーヴェリック』への内定が決まった異例のランナーです。

「自分は今年『箱根駅伝』の10区（アンカー）を走る予定だったが、12月31日に出走できない（当日の区間変更でメンバーから外される）ことを知り絶望した」と当時を振り返る中川選手。「そんな自分に成長・挑戦の場を与えてくれた神野さん・髙木さんに恩返しをする気持ちで走った」と感謝を口にしました。

中川選手の話にも挙げられた『MABP マーヴェリック』ゼネラルマネージャー・髙木聖也氏は「ファンの皆さんからの支えを実感できる日（報告会）を迎えられたこと、ファンの皆さんと一緒にニューイヤー駅伝初出場の喜びを共有できたことをうれしく思う」と報告会に集まったファンへの感謝を述べつつ「今日が『MABP マーヴェリック』の歴史1ページ目」と未来を見据えます。

「これからもチーム・選手個人として、世界陸上やオリンピックなど、大きな目標を目指していく。ぜひこれからも『MABP マーヴェリック』が歩んでいく過程を一緒に見守ってくれたらとても嬉しい」（髙木氏）

創部1年目でニューイヤー駅伝出場という快挙を成し遂げた『MABP マーヴェリック』。競技成績はもちろんのこと、チームに対する注目度の高さも発足から1年ほどのチームとは思えないものでしょう。現に報告会には多くのファンが足を運び、まさしく群衆と形容できるほどの大勢の人々が監督・選手・コーチ陣の話に耳を傾けました。

高い競技力とファンから愛されるコミュニティづくりを両立する『MABP マーヴェリック』。神野監督率いる新鋭チームが、実業団駅伝の歴史にどんな新たな1ページを刻んでいくのかーー。『MABP マーヴェリック』の挑戦は始まったばかりです。

『MABP マーヴェリック』公式サイトはこちら

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