時間がないランナー必見、成果を最大限に上げる3通りの食事ポイント

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日頃、家事や仕事で忙しい中、走る時間を確保することはなかなか難しい。そのように時間に限られる方も、“最小限の努力で、その効果を最大限に引き上げる” ことができれば一番嬉しいですよね! そのためには、身体作りの材料となる食事・栄養素との相乗効果を活用することがカギとなります。

今回お伝えする食事ポイントと仕組みを押さえることで、時間が限られているランナーでもランニングの効果を最大限引き上げることができ、理想的なパフォーマンスへ近づけることができます。ランニングにおける3つのシーン別にご紹介していきますので、ぜひ明日からの生活の中で実践してみてください。

SCENE1 大会・トレーニング前日~直前

“質の良い走り” のためのエネルギーを摂りましょう!

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走っているとき、体内で使われるエネルギーとなる栄養素は主に炭水化物と脂質です。これらの栄養素はその時々で使われ方が異なり、トップスピードに近づくほど炭水化物を利用する割合が増えます*¹。リラックスしながら会話ができるスピードのジョギングであれば、炭水化物の割合は2割ほど。フルマラソンの自己ベストペースになるとその割合は5割強まで増加します。100m走などのスプリント走では、ほぼ100%が炭水化物から供給されるようになります。

その炭水化物は身体の中でグリコーゲンとして蓄えられていますが、その量は脂肪に比べて圧倒的に限られています。一晩寝るだけども、肝臓にあるグリコーゲンの貯蓄量は100%から60%まで低下します*²。そのため、大会の時だけでなくトレーニングとして走るときにも炭水化物をしっかりと摂ってトレーニングに励むことが大切。可能な限り100%の状態で走ることで、走りの “質” も良くなり、成長の “質” も良くなります!

SCENE2  大会・トレーニング直後~翌日

パフォーマンスアップ” のために、タンパク質・水分・野菜・果物

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ランニングの効果を引き上げるには、この段階が最も大事になってきます。その理由は、頑張って走って身体に運動刺激が入ると、身体の中で様々な変化が起きるためです。*³

<具体例>

  1. 運動中~後は、不足するエネルギーを作るための栄養素の分解
  2. 運動刺激により、身体をパワーアップさせるための合成
  3. 一時的な免疫力の低下

1 では体内に貯蔵されていた炭水化物や脂質、タンパク質といった栄養素が分解されます。特に気をつけたいことはタンパク質が分解されること。タンパク質は筋肉や内臓、赤血球などを作る材料になり、不足してしまうと走った後のリカバリー・成長が間に合わず、怪我や様々な症状を引き起こします。なるべく早くこの分解を抑えるために、走った後は、すぐに十分な量のタンパク質を摂ることが必要です。

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推奨されている運動後のタンパク質摂取量は、体重60㎏の男性の場合=1日100g強(1食当たり約35g)、体重50㎏の女性の場合=1日90g(1食当たり約30g)です*⁴。魚やお肉などの動物性食品であれば、100g当たり(上記の鮭1切れ分)で約20gが摂取できます。その他にご飯や卵、納豆などの食材をバランスよく摂ることで推奨量を確保することができます。また、午前中に走った場合は昼食+夕食+翌日の朝食(+補食)のトータルで推奨量を満たすように食事が取れるのが理想です。

2 では1 とは逆のベクトルになる筋肉などの合成が、1と並行しながら進みます。2 はプラス(成長)方向のベクトルになりますので、このプラスマイナスのバランスをいかにして『プラス』にできるかが、リカバリー・成長のカギになります。この合成促進は、運動後1~2日間は継続して続くため、良質な栄養素を直後だけでなく継続的に摂ることが大切です。

運動すると病気に強くなる! というイメージがあるかと思います。しかし、頑張って走ったことにより身体への負担が大きくなると、3 のように一時的に免疫力が低下してしまいます。事実、トップアスリートは風邪などの感染症にかかりやすい人が多くなります。アスリートでない市民ランナーでも、同じことが言えます。ランニング後は、免疫力のケアのために喉を潤す水分とビタミン補給のための野菜・果物を取るように心掛けましょう。リカバリーが順調に進めば潜在的な免疫力は高まるので、ゆくゆくは体調不良知らずの身体になれますよ。

SCENE3 上記以外の日

テーマは“メンテナンス”   ヘルシー健康食で心も身体も元気に!

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上記以外の日(具体的には大会・トレーニング日を挟んだ前後1日以外)は、その期間に不足していた栄養素とエネルギーバランスを整えることが大切です。

不足しがちな栄養素は、ビタミンやミネラル、特に食物繊維といった『身体の調子を整える』栄養素です。これらは主に、野菜・果物・きのこ類・豆類に含まれます。また、この期間に体内のエネルギーバランス(摂取と消費のバランス)をイーブン~ややマイナスにできると、健康的にストレスも少なく身体を絞っていくことができます。「走る日に消費を多くすればよいのでは? 」という考え方もありますが、その場合、怪我や体調不良を起こすリスクが高まってしまいます。

頑張る日・頑張った日は、やはり自分の“活力” “ご褒美” となる食事がしたいですよね。加齢によって身体の修復・防御力も低下していくので、頑張り過ぎず、安全第一で食事・健康管理をしていくこと、それが市民ランナーが長期的にランニングを楽しむ秘訣だと思います。


ランニングのシーンを意識して食事を取ることで、よりランニングの効果を引きあげることができます。これらを参考にして、自分なりのランニング・食事の型を作りあげていき、コツコツ、楽しくランニングを継続していきましょう!

■参考文献

*¹Newsholme, E. A., E. Blomstrand, and B. Ekblom. “Physical and mental fatigue: metabolic mechanisms and importance of plasma amino acids.” British medical bulletin 48.3 (1992): 477-495.

*²川中健太郎,(2019)『スポーツ選手のための糖質摂取の考え方』, 日本医歯薬出版

*³ウィリアム・マッカードルほか(2018)『スポーツ・運動 栄養学大辞典ー健康生活・医療に役だつ』(井川正治・中屋豊訳)西村書店

*⁴ International Olympic Committee. Nutrition for Athletes, 2012.

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