出歩くものかと思っていた夜の道【ノロミホの旅】
Mar 23, 2018 / COLUMN
Apr 26, 2018 Updated
走ることに慣れてくると、「ここは好きな道」「ここはあまり好きじゃない道」と、勝手に決めつけてしまう。なんだか、ちょっとわがまま。
道は、旅人にとってどれも同じ道。
「今日も世界の道は平和だった」と、フォトグラファー・ノロミホさんが教えてくれる。
【vol.2: 南インドの夜の顔】
インドという国は思ってる以上に広い。
せっかくならいろんな道を歩いて、いろんな景色が見たい。
日本での南インド情報は少なく、交通手段も移動時間もよめなかった。
そんな理由で事前にルートを決めず、ホテルも現地で探そうということになった。
泊まったホテルは全部で7つ。
その中で“レジデンシー”と名乗っているホテルは綺麗で安いという、法則のようなものを見つけた。
レジデンシーが何を意味するのかは分からないけど、共通点はビジネスホテルっぽいということ。
可愛げも、アットホーム感も、もちろん高級感もない。
だけど必要なものは揃っていて割と綺麗。
日本のビジネスホテル同様、立地もいい。
近くにはお店が多く、遅い時間でも人通りがあるので安心して町に出れた。
インドの人たちは夕食の時間が遅い。
外食文化も広がっているようで、人気のお店だと夜の9時頃でも満席だったりする。
レストランはもちろんのこと、チャルメラ風の屋台に立ち飲み居酒屋のようなチャイ屋、ケーキ屋までもが夜遅くまで営業している。
道のいたるところから美味しい匂いがして、ついつい足を止めてしまう。
お腹が空いていなくても、ちょっと何か食べたいなという気持ちにさせられる。
お祭りの日のような出店がずらっと並んでいる通りもあった。
洋服、アクセサリー、フルーツなどが電球に照らされ綺麗に並んでいる。
家族連れも多く、小さい子供もまだまだ元気いっぱいという様子。
夜の広い道は活気が溢れ、昼間とは違う高揚感があった。
インドの夜道なんて絶対に危険だと思っていた(もちろん危険なところもあると思うけど)。
出歩くものかと思っていた。
だけどホテルの近くならと一歩踏み出すと、また違ったインドが見えた気がした。
夜の道を歩くのは結構楽しい。
思わぬ発見に、また少し旅が好きになった。