【箱根駅伝特集①】ハーモニー大作戦の青学、箱根優勝0回の東海、サプライズ有りの東洋……見どころ多い今回の箱根
Dec 13, 2017 / COLUMN
Dec 26, 2017 Updated
12月10日(日)、正月を彩る『箱根駅伝』の参加21チーム(オープン参加の関東学生連合を含む)のエントリー選手16人が発表されました。
箱根駅伝といえば、世間でもっとも有名な学生駅伝として知られ、10区間217.1㎞を2日間(1月2日、3日)によって争われます。前回は青学大が大会3連覇と学生駅伝3冠(出雲、全日本、箱根)を同時に達成するという快挙を成し遂げ、話題となりました。果たして今回はどんな大会になるのか、見どころを挙げていきます。
優勝候補はどこも話題尽くし
今回の箱根駅伝は「3強」による争いと見られています。3連覇中の青学大、出雲駅伝に勝った東海大、全日本優勝の神奈川大。どこが勝っても話題尽くしとなりそうです。
●青学大
・史上6校目の4連覇がかかる
・恒例の作戦名は「ハーモニー大作戦」(原晋監督命名)
・過去、3連覇した大学は必ず4連覇に到達しているというジンクスがあるため、今回も優勝?
●東海大
・前回は1年生を5人も起用して10位
・今季は5000m13分台、10000m28分台の選手を多数そろえ、そのスピードを生かして出雲駅伝では圧勝している
・過去44回の出場を誇るも、いまだ優勝はゼロ。今回は初優勝の大チャンス
・3位以内は2007年が最後で、11年ぶりの3強入りもかかる
●神奈川大
・前回は5位で12年ぶりシード権獲得
・全日本では20年ぶりの優勝
・前回2区区間賞の鈴木健吾選手(4年)が健在で、他の選手も続々とパワーアップを遂げている印象
・優勝すれば20年ぶりの快挙。連続シードも05年以来13年ぶりとなる
エントリー選手発表では、各校主力選手の名前が連なる中、もっともサプライズを起こしたのは前回2位の東洋大。これまでチームの柱として活躍してきた野村峻哉選手、堀龍彦選手、竹下和輝選手(以上4年生)がエントリーから外れ、4年生1人、3年生3人、2年生6人、1年生6人という下級生中心のチーム構成になりました。特に山本選手は前回9区で区間賞を獲得しており、今季はチームの主将を任されていた選手。復路の要は不在ですが、3年生以下だけで臨んだ出雲・全日本の両駅伝では前半区間で先頭争いを繰り広げており、途中までは優位にレースを進めそう。来季以降も多くのメンバーが残り、今回上位につければ次回以降は優勝候補の筆頭になりそうです。
このほか優勝候補では、現在3連覇中の青学大から前回山上りの5区を走った貞永隆佑選手、前々回のVメンバー・中村祐紀選手(ともに4年)らが外れ、東海大からは10000m28分30秒台のスピードを誇る小松陽平選手(2年)、塩澤稀夕選手(1年)の名前がありませんでした。これがチームの層の厚さを証明するものだとしたら、本番ではおもしろい戦いになりそう。なお、神奈川大は順当に主力選手が全員エントリーされた印象です。
シード権争いは今回も熾烈!
予選会を勝ち抜いた10校もシード権獲得を狙っている
毎年熾烈を極めているシード権(10位以内)は、今回も激戦必至。前回は優勝した青学大から順番に東洋大、早大、順大、神奈川大、中央学大、日体大、法大、駒大、東海大までがシード権を手にしましたが、前回11位の帝京大や同13位の大東大など、予選会を勝ち上がってきたチームが虎視眈々と“下剋上”を狙っています。
前回15位の上武大と、2年ぶりの出場となった東京国際大は大学過去最高順位が14位と17位。今回はチーム最高順位を狙いつつ、悲願のシード権獲得を狙います。シード校の中では、前回6位の中央学大は今回も10位以内なら大学史上初の4年連続シード権獲得。同8位の法大は12年ぶりの連続シードに照準を定めています。
毎年シード校が2~3校は入れ替わっているため、今回はどこの大学が上位に食い込めるのか。最後の10区まで目が離せません。
他にも見どころはたくさん!
その他には、山梨学大、拓大、東京国際大から出走が濃厚なアフリカ出身留学生の走りにも注目。毎年“ゴボウ抜き”で箱根路を沸かせている彼らと、各校の日本人エースとのバチバチな争いに期待がかかります。
そして、今回もっとも注目なのが、東京国際大の30歳ルーキー、渡邉和也選手。かつては2011年の世界選手権5000mに出場したほどの実業団ランナーで、5000m、10000mの自己ベストは留学生を含めても出場選手中ナンバーワン! 全盛期は過ぎたとはいえ、老獪な走りでチームのシード権獲得に貢献してくれるでしょう。
このように、見どころたくさんの第94回大会。【箱根駅伝特集①】としてお送りしてきましたが、第2弾は、箱根駅伝にまつわるトリビア&ジンクスをご紹介する予定です。