渋谷区・恵比寿は課題多き街!? ランニングしてわかった街の課題と期待
Nov 19, 2017 / EVENT
May 03, 2019 Updated
10月24日に東京都渋谷区の恵比寿で“EBISU Study Run”が開催された。これは、恵比寿のあらゆる地域情報をWebで発信している恵比寿新聞が主催し、町の人たちの健康を促進し、笑顔を生み出すプロジェクトである“Health For Smile”の特別企画として開催された。恵比寿には元々いくつかのランニングサークルが存在しているが、このイベントは、より地域に密着した、恵比寿の人たちのためのイベントとして様々なランナー(普段走らない人もチラホラ)たちが集まった。
街のあれこれを再発見する新しいランのかたち
そもそもこの“EBISU Study Run”とは一体何のイベントなのか。
夜の街を走りながら街の良さや課題を探す「study(学び)」と「run(走る)」が融合した実験的ランイベント。第0回目の会場は恵比寿。東京で住みたい街ナンバーワンにも輝いた街。実際に走ってみたら「本当の」恵比寿が見えてくるかも?(※EBISU Study Runページより引用)
「実験的ランイベント」というのがいかにも味を出していて、楽しそうなイベントであることは間違いなさそうである。この日はあらかじめ主催者が3つのコースを設定していた。
①初心者 恵比寿西・代官山シャレオツコース
②中級者 広尾・恵比寿三丁目下町コース
③上級者 恵比寿南・目黒Athleteコース
恵比寿・代官山・広尾・目黒といったいかにも都会のシャレオツな響きがたまらない。これは走ったことがなくても少しばかり走ることに興味があれば、誰もが参加したくなるわけだ。10月の中旬より、恵比寿新聞がこのイベントを告知し、参加者を募集した。ちなみに参加費は無料。
【ゲスト】
“まちのイベント”として渋谷区長の長谷部健さんが参加
最近はテレビでもおなじみのジャーナリストの堀潤さん
渋谷区の企業“Runtrip”の大森英一郎代表も参加
【ルール】
(※EBISU Study Runページより引用)
「ここいいなぁ~(期待)」や「この場所はもっとこういうほうが良い(課題)」などの「気になる場所」を携帯のカメラで撮影。期待や課題は様々!例えば・・・
・視覚障がい者用の点字ブロックが壊れてたよ!(課題)
・このお店のこの雰囲気が大好き!(期待)
・ここから東京タワーが見えるナイススポット!(期待)
・結構この場所はごみが散乱していた(課題)
ランで帰還した際に写真をEbisu Study Run特設SNSグループに写真をアップ。みんなで写真を見ながら良さや課題を共有。
ラン後戻った時に「投稿タイム」を10分設け、投稿の際には写真とコメントを。
このように、シンプルで面白そうなテーマがあり、各々の好奇心を駆り立てる“システム”となっている。平日の夜とはいえ、集合場所の恵比寿ビジネスタワーには40数名の参加者が集まった。ランニングの習熟度別にあらかじめわけられたメンバー同士がグループとなって、グループランをしながら恵比寿の「課題」と「期待」発見していき、それを写真に収める。
実際に走って街の「課題」と「期待」を発見
各グループで準備運動をした後に各グループ一斉にスタート!イベントに参加した私も実際に「恵比寿南目黒Athleteコース」の約4.0mのコースを走ってみた。そして、恵比寿の街の「課題」と「期待」をそれぞれに発見することができた。
例えばこのような「デコボコ」は危ないので「課題」といえる。きらびやかなイメージの恵比寿の街にもこのような課題は山積みだ。
恵比寿から代官山や中目黒に向かうと定番のランニングコースがこの目黒川沿いのコース。実は夜はかなり暗いので「課題」である。
恵比寿にこんな坂があるとは!「期待」に胸躍らせてみんなで坂ダッシュ!
終始、和気あいあいな雰囲気で進んだEbisu Study Runの参加者は楽しい時間を過ごしていた。
モダンフレンチの名店といえば…恵比寿ガーデンプレイスのジョエル・ロブション。ディナーは予約も多いが、実はランチがオススメという「期待」の情報をゲット!
“絵になる場所”があるのが恵比寿の良いところ。みんなの「期待」はこれからのクリスマスシーズンへ…
4kmという長さは普通のランニングであればすぐ終わってしまいそうな距離であるが、このように途中で止まりながら、写真をとったり、グループの人たちと話をしたりと、すぐに時間は過ぎでいった。4kmとはいえ、約60分の持ち時間に対してちょうど良いぐらいの時間配分であった。
帰ってきたら投稿&みんなでシェア
各チームがそれぞれのコースを走り終え、そこからはEBISU Study RunのFacebookページへの投稿タイムが始まった。スマホの操作に夢中になる参加者たち…いかにも現代らしい光景だ。その後、モニター前でそれぞれが投稿した恵比寿の「課題」と「期待」などをシェアしていく。
司会進行は恵比寿新聞の高橋賢次編集長とジャーナリストの堀潤さんで、投稿をモニターで振り返りながら、それぞれ投稿した参加者たちにコメントをしてもらう。そこで思ったことを更に掘り下げて、他の参加者にシェアして、時にはその話題が広まったりすることもあった。
中央が渋谷区長の長谷部健さん、左奥は渋谷区議会議員の伊藤たけしさん
例えば、「レストランにあったFree Wi-Fiの看板や表示がSNSの投稿を促してそのお店にとってもプラスになる」という「期待」を述べた参加者に対して、渋谷区長の長谷部健さんは「今のWi-Fiよりもグレードアップさせた5GのWi-Fiを渋谷区に整備させることを今後の目標にしています!」と「期待」を込めて話した。
イベント当日に話題に挙がった「課題」と「期待」
イベント開催中にEBISU Study RunのFacebookページに投稿されたおもな内容(投稿自体は約66つ)を8つほど以下で紹介する。
【課題】
恵比寿新聞の高橋編集長の掲げる課題。どこからどこがアートと落書きの境界線??
恵比寿といえども、暗いところは往々にしてある。
恵比寿には素敵な飲食店がたくさんあるが、渋谷や浅草に比べれば観光客は少ない…!
【期待】
CO2削減のために緑化が進む街の姿を紹介。イイですねー!
【発見】
トリビアがあっていいですね…!愛と平和!
ランニングだからこそ、普段見えない恵比寿の素顔がそこに!
この古民家が代官山に…!マニアックです…!
このように、それぞれの見え方や視点が違うので、それをシェアすることによって新たな気付き、勉強をすることができる。また、ランニングに取組み始めばかりのビギナーや、全く走ったことのない人にまで参加しやすいファンランとしての楽しみ方がある。主催者である恵比寿新聞の、恵比寿を知り尽くす高橋賢次編集長は「私は普段全く走らないのですが、このイベントのように何か“テーマ”があって、それに向かっていくだけで意外とあっさり走れてしまうんですねぇ… 自分でもビックリです」と、その驚きと喜びを話した。
今回のEBISU Study Runは各方面より好評であったため、次回はぜひ恵比寿以外で開催して欲しい!という声があったそうだ。街の課題と期待をランニングによって再発見できる新しい取組みは今後広まっていくかもしれない。次回はもしかしたらあなたの街で◯◯ Study Runがあるかも?こうご期待!