アディダス『ADIZERO EVO SL』シリーズの違いとは?フィット感と路面で選ぶ、4モデルの特徴
Oct 22, 2026 / SHOES
Oct 22, 2026 Updated

軽さと反発力にクッション性を備え、そのうえ手に取りやすい価格が人気を集めるアディダス『ADIZERO EVO SL(アディゼロ エヴォ エスエル)』。ただ、『WOVEN』や『EXO』などの派生モデルが増え、見た目も似ているためどれを選べばよいか迷うランナーもいるのではないでしょうか。
今回は、4モデルのスペックやアッパーの違い、目的に合わせた選び方を解説します。
目次
ソールは共通、違いはアッパー。スペックで4モデルを比較
まず押さえておきたいのは、シリーズの共通点です。
『EVO SL』シリーズは、アディダスのトップレーシングモデル『ADIZERO ADIOS PRO EVO 1』から着想を得て生まれたシューズです。
ミッドソールには、高反発とクッション性を備えた『LIGHTSTRIKE PRO』をフルレングスで搭載。カーボンプレートは入っておらず、アウトソールにはグリップ力に優れた『Continental』ラバーを採用しています。

ラインナップは、基本モデルの『ADIZERO EVO SL』に、『ADIZERO EVO SL WOVEN』『ADIZERO EVO SL EXO』『ADIZERO EVO SL ATR』を加えた4モデル。以下、派生モデルは『WOVEN』『EXO』『ATR』と表記します。

本シリーズの一番の強みは、1足で幅広いシーンに対応できる万能さです。
ジョグからポイント練習、レースまでこなせることに加え、普段履きにもなじむデザインと手頃な価格が人気の理由です。
基本モデルと『WOVEN』『EXO』の3モデルは、スタックハイトがかかと38.5mm、前足部32mmで、ドロップも6.5mm。走り心地を左右するソールは同じ設計で、違いはアッパーにあります。
一方、例外は『ATR』です。こちらは撥水性とグリップ力を高めたモデルで、ミッドソールは同じ『LIGHTSTRIKE PRO』ですが、ソールの厚さとアウトソールが異なります。
| EVO SL | WOVEN | EXO | ATR | |
|---|---|---|---|---|
| 価格(税込) | ¥19,800 | ¥19,800 | ¥19,800 | ¥20,900 |
| 重量(27.0cm・片足) | 224g | 224g | 230g | 266.5g |
| スタックハイト(かかと/前足部) | 38.5/32mm | 38.5/32mm | 38.5/32mm | 40/34mm |
| ドロップ | 6.5mm | 6.5mm | 6.5mm | 6mm |
| アッパー | 通気性に優れたメッシュ | ストレッチ性のあるウーブン | エクソスケルトンフィットシステム | 撥水リップストップ・ウーブンメッシュ |
| アウトソール | Continentalラバー | Continentalラバー | Continentalラバー | Continentalラバー+1.5mmラグ |
ジョグからロング走まで1足で。レースはサブ3.5〜サブ3が目安
ここからは、実際に履いた走り心地と使い方を紹介します。
実際に走ってみると、使い勝手がよく見た目もかっこいい反面、使い方に難しさを感じる場面もありました。
『EVO SL』シリーズは、ジョグからテンポ走に加え、スピード練習、レースでも1足でこなせる万能シューズです。
一方で、ぐらつきやすい弱点もあります。ゆっくりとしたジョグや、疲労でペースが落ちたときには安定させにくいと感じました。
また、反発力や推進力があるのでスピード練習にも使用できますが、ソールに厚みがあるぶん、接地感覚やレスポンスは『ADIZERO TAKUMI SEN 11(アディゼロ タクミ セン 11)』ほどではありません。
レースで使用する際は、フルマラソンでサブ3.5〜サブ3を目指すレベルが目安です。
サブ4を目指すランナーでも使えますが、先ほど触れた脚が疲れてきたときのぐらつきが懸念点。レース後半の失速が心配な方には、同じアディゼロシリーズの『ADIZERO BOSTON 13(アディゼロ ボストン 13)』がおすすめです。
アッパーの作りで変わる、4モデルそれぞれの特徴
『ADIZERO EVO SL』は通気性に優れたメッシュアッパー

シリーズの基本となるのが、『EVO SL』です。
アッパーには通気性に優れたメッシュを採用しています。重量は224gで、『WOVEN』と並んでシリーズでもっとも軽量モデルです。
選ぶ際は、サイズに注意してください。足長と横幅が大きめの作りとなっており、0.5cm下げることを推奨します。細身の足の方は次に紹介する『WOVEN』もしくは『EXO』を検討しましょう。
シリーズの基本性能をそのまま体感できる1足。足幅が広い方は、まずこのモデルから試すとよいでしょう。
『ADIZERO EVO SL WOVEN』は伸縮性のあるウーブンアッパー採用

『WOVEN』は、アッパーに新たに開発されたウーブン素材を採用したモデルです。
その特徴は「多方向にフィットするストレッチ性と、通気性に優れたアッパー」とされています。足の動きに合わせて伸縮しながらも、ブレを抑えるサポート性も備えています。
重量は基本モデルと同じ224g。軽さはそのままに、フィット感を高めたモデルです。一方で、サイズ感がやや異なり、細身で甲周りがキュッと締まる設計になります。
『ADIZERO EVO SL EXO』は外骨格構造でホールド感を強化

モデル名の「EXO」は、エクソスケルトン(外骨格)を意味します。
アッパーに『エクソスケルトンフィットシステム』を搭載し、中足部を外側から支える構造で足をしっかりと固定します。
「サポート性とホールド感に優れたモデル」という位置付けです。
重量は230gで、基本モデルとの差は6g。軽さをほとんど損なわずに、ホールド感を高めています。『WOVEN』に比べると、やや厚みと硬さのあるアッパーに包まれている感覚があると思います。足幅が細い方や、スピード練習・レースでシューズの中の足ブレが気になる方に向いています。
『ADIZERO EVO SL ATR』は撥水アッパーとラグで未舗装路にも対応

『ATR』は、シリーズで唯一、ソールまで専用設計としたモデルです。
アッパーには撥水性に優れたリップストップのウーブンメッシュを採用し、マッドガード(泥よけ)も備えています。アウトソールには『Continental』ラバーに加えて1.5mmのラグを配置し、未舗装路や濡れた路面でのグリップ力を高めています。
スタックハイトはかかと40mm、前足部34mmと、ほかのモデルより少し厚く、ドロップは6mm。重量は266.5gです。
オフロードにも対応する設計ですが、ラグは1.5mmと浅めです。本格的な山岳トレイルよりも、河川敷の未舗装路や雨の日のロードで力を発揮します。
走る路面と求めるフィット感で、4モデルを選び分ける
最後に、選び方をまとめます。
ソールが共通の3モデルは、走り心地の土台が同じです。そのため、選ぶポイントは「どんな路面を走るか」と「どんなフィット感を求めるか」の2つになります。
雨の日や不整地を走ることが多い方には『ATR』がおすすめ。ロードが中心であれば、アッパーの好みで選ぶとよいでしょう。
厚めのアッパーでホールド感を重視するなら『EXO』、薄いレーシング仕様のアッパーが好みでフィット感を求めるなら『WOVEN』。足幅が広い方は、基本モデルの『EVO SL』が候補になります。
どのモデルを選んでも、『LIGHTSTRIKE PRO』による反発力と軽快な走り心地は共通です。自分の足のタイプや走る環境に合わせて、ぜひ履き比べてみてください。
(文:大野颯)
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