初マラソンを完走したい方へ。シューズアドバイザー藤原さんが選ぶおすすめ5足
Oct 22, 2026 / SHOES
Oct 22, 2026 Updated

マラソン大会へのエントリーを済ませ、練習を始めた方も多いのではないでしょうか。フルマラソンに初めて挑戦する際、気になるのがシューズ選びです。
今回は、シューズアドバイザーの藤原岳久さんが、マラソン完走を目指す方におすすめの5足を紹介。安定感やクッション性に加え、それぞれの走り心地や履き分けのポイントを解説します。
マラソン完走には、デイリートレーナーがおすすめ
今回藤原さんが選んだのは、日々のランニングで使うことを想定した「デイリートレーナー」です。レース用と聞くと軽量なレーシングシューズを思い浮かべるかもしれませんが、完走が目標なら、最後まで快適に走り続けられることも大切になります。
「マラソンでは、比較的ゆっくりしたペースで長く走ることになります。デイリートレーナーは、そのペースを快適にする機能を備えているので、日常のランニングで履いているものをレースでも使うイメージです」と藤原さん。
練習から本番まで同じシューズを使えることも、走り始めたばかりの方には心強いポイント。まずは足に合う一足を見つけ、履き慣れていくことから始めましょう。
安定感を重視したい方の定番。アシックス『GT-2000 15』

1足目は、アシックス『GT-2000 15』です。今回の5足のなかで唯一のスタビリティモデル(安定性を重視したモデル)にあたります。
足が内側に倒れにくい作りで、かかとの安定感に優れていることが特徴です。
「ライトスタビリティで、長く続いてきたスタビリティの定番です。ビギナーにとって“ザ・定番”といえるシューズですね」と藤原さんは話します。
見た目は同じアシックスの『NOVABLAST』を思わせますが、履き心地はスタビリティの特徴を持った『GT-2000』らしさを保っています。前作から軽量化され、レースにも十分対応できる一足です。
「8mmドロップで接地感があり、かかと周りも安定しています。まさにマラソン完走のためのモデルだと思います」
・価格:¥16,500(税込)
・重量:253g(27.0cm・片足)
・ドロップ:8mm
かかとが安定し、クッション性も十分。アディダス『SUPERNOVA RISE 3』

2足目は、アディダス『SUPERNOVA RISE 3』です。
スタビリティモデルではありませんが、藤原さんは「内側のサポートがあるイメージ」と表現します。前作から中足部の接地面積が広がり、着地時の足のねじれを抑える設計になりました。
「かかと周りがとても安定していて、前方へのガイドが働いています。『GT-2000』に近い安定感がありますね」と藤原さん。
シリーズ3代目となる本作を、藤原さんは「傑作」と評価します。
「1作目、2作目は、『Dreamstrike+』で跳ねることを強調した特徴がありました。本作は誰もが走りやすいデイリートレーナーになっていて、それでもしっかりバウンドし、クッション性も十分です」
「接地が安定していて、走っていると黒田朝日選手になったような感覚になるほどです」と冗談まじりに語るように、接地感の良さが印象的な一足です。
・価格:¥17,600(税込)
・重量:272g(27.0cm・片足)
・スタックハイト:かかと部37mm/前足部29mm
・ドロップ:8mm
軽さと安定感を両立したロッカー構造。ホカ『CLIFTON 11』

3足目は、ホカ『CLIFTON 11』です。
「マラソン完走のモデルにこれを入れなかったら、世の中の人に怒られますよ」と藤原さんが話すほど、定番中の定番です。
特徴は、ミッドソールでかかとを包み込む『Active Foot Frame』。パーツを使うのではなく、ミッドソールそのものがかかとを守る構造で、履いたときにはその中に足が収まっているような感覚が得られます。
さらに、5足のなかで唯一ロッカー構造を採用しており、転がるように前へ進むガイドが働きます。
「軽いのに安定する、不思議なシューズです。それが定番として愛される理由ですね」と藤原さんは説明します。
シンプルな素材を使いながら、安定感と軽さ、クッション性を備えています。耐久性にはやや気になる部分もあるものの、長い距離を走るのに適した一足です。
・価格:¥19,800(税込)
・重量:約282g(28.0cm・片足)
・ドロップ:8mm
フルレングスプレートを初搭載。ミズノ『WAVE RIDER 30』

4足目は、ミズノ『WAVE RIDER 30』です。30代目となる本作は、定番でありながら大きく変わる道を選びました。
シリーズで初めて、フルレングスのプレート『MIZUNO WAVE』を搭載。ミッドソールは2層構造で、上層に超臨界発泡させた『MIZUNO ENERZY NXT』、下層に発泡方法の異なる同素材を採用しています。
「上層が柔らかく、下層が硬い。そしてフルレングスのプレートが入っている。構造だけを見ると、ほとんどレーシングシューズです」と藤原さん。
ただし、カーボンプレートではなく、レース向けに振り切ったわけでもありません。デイリートレーナーとして、より安定する方向へ進化しています。ドロップも10mmから8mmへと変更されました。
「大きく変わったので心配した方もいると思いますが、とても安定しています。ソフトになりましたが、ライダーはライダーです。履いた瞬間は変わったと感じても、10分ほど走るといつものライダーになってくるんです」
・価格:¥19,800(税込)
・重量:約265g(27.0cm・片足)
・ドロップ:8mm
40年以上続くシリーズにフルレングスのAir Zoomを搭載。ナイキ『Pegasus 42』

5足目は、ナイキ『Pegasus 42』です。40年以上の歴史を持つロングセラーシリーズです。
本作は、フルレングスの『Air Zoom』ユニットを搭載。反発性の高い『ReactX』フォームと組み合わせ、かかとから蹴り出しまでつながった走り心地を実現しています。
「履いた瞬間は変わったと感じると思いますが、こちらも10分ほど走るといつものペガサスになります。『WAVE RIDER 30』とともに、進化のアドバンテージを持ちながら定番であり続けている。テクノロジーが詰まった2足です」と藤原さんは話します。
以前『Pegasus』や『WAVE RIDER』を愛用していた方、部活動で履いていた方にとっても、なじみやすい選択肢です。
・価格:¥17,600(税込)
・ドロップ:10mm
履き慣れた一足で、自分に合う走り方を見つけよう

5足に共通するのは、日々の練習からマラソン本番まで使いやすいことです。ただし、足の形との相性や、走って心地よく感じるペースには個人差があります。
藤原さんは、シューズを選んだ後に「そのシューズでどう走ると気持ちよく距離を重ねられるか」を知ることも、練習の大切な要素だと話します。
余裕があれば、構造の異なる2足を履き分けるのも方法のひとつ。例えば、ロッカー構造が特徴の『CLIFTON』と、ほかのモデルを比べることで、足運びの違いを感じやすくなるといいます。
「いい、悪いではなく、比較することが大切です。こちらのほうが長く走りやすい、スピードに乗りやすい、といった違いを経験してほしいですね」
最初から2足を揃える必要はありません。まずは足に合う一足に慣れ、必要に応じて選択肢を広げていきましょう。練習を通じて走り心地を確かめながら、マラソン本番をともに走る一足を見つけてみてください。
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【プロフィール】
藤原岳久さん

FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長、販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993年)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)





