トレーニングからレースまでカバーする“スタメンシューズ”。『ADIZERO BOSTON 13』の魅力をくれいじーかろとスポーツデポ ランニングスペシャリストが語る
Jun 04, 2025 / SHOES
Jun 04, 2025 Updated
多くのランナーのトレーニングシューズとして支持されてきた、アディダスの『ADIZERO BOSTON(アディゼロ ボストン)』シリーズ。最新作の『ADIZERO BOSTON 13』が、6月4日(水)に発売された。

今回は、マラソンで2時間15分17秒のPBを持つプロランナー・YouTuberのくれいじーかろさんが、ADIZERO BOSTON 13をレビュー。さらに、スポーツデポ沼津店のランニングスペシャリストであり、2023年に日本選手権100mへ出場し、「日本一速いシューズフィッター」の異名を持つ児島大樹さんにも本シューズの魅力をうかがった。
多くのランナーから選ばれる“ADIZERO BOSTON”シリーズ

世界最古のマラソンであるボストンマラソンの優勝者からインスパイアされた『ADIZERO BOSTON』シリーズ。もともとBOSTONと銘打たれたシューズは1982年に発表。その後2010年にパフォーマンスシューズとしてADIZEROのラインナップに組み込まれ、今作で13代目となる。
近年ではENERGYRODS(エナジーロッド)が採用された10代目から厚底化が顕著に。ADIZEROのラインナップの中でも「トレーニングからレースまで対応する汎用性の高い万能シューズ」という位置付けだ。
ADIZERO BOSTON 13は、ENERGYRODS 2.0やLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライク プロ)といった「ADIOS PRO」シリーズのテクノロジーを一部搭載。サブ4レベルならトレーニングからレースまで、サブ3なら脚作りとして普段から頻度の多いジョグや、走り込みのためのロングランに重宝できる。

実際に、くれいじーかろさんは「脚作りの時期はキロ3分30〜40秒ペースの30km走や、キロ4分のジョグに適している」と具体的な使用例を挙げ、“スタメンシューズ”として愛用したいと語った。
前作からさらに進化したADIZERO BOSTON 13の機能性
ADIZERO BOSTON 13のミッドソールは、グラスファイバー製のENERGYRODS 2.0を二層構造のミッドソールがサンドイッチする構造。

下層のLIGHTSTRIKEは、安定性を担いつつより軽量化、クッション性が向上した。また、上層のLIGHTSTRIKE PROは反発弾性に優れ、前作よりも13.8%増量して搭載。全体的な柔らかさをもたらし、クッション性と反発性が前作よりも向上している。
アウトソールはADIOS PRO 4と同じくCONTINETAL™︎(コンチネンタル)とLIGHTTRAXION(ライトトラクション)との組み合わせで、マラソンランナーからスプリンターまでカバーするグリップ性能。サイズ感は前作の「やや大きめの作り」からジャストサイズへ。ヒールクッションの厚みが増し、かつシュータンも柔らかい素材にアップデートされたことで足当たりの良いシューズになっている。

くれいじーかろさんも児島さんも、ADIZERO BOSTON 13のフィット感の良さを特徴の1つとして挙げ、児島さんは「履き口周りが全然違います。前作はかかとが抜けたり、甲のズレが気になりましたが、ADIZERO BOSTON 13では解消されています」と、フィット感・ホールド感のアップデート、走行時の安定性向上に太鼓判を押した。
気になる万能シューズの走行感
クッション性や反発性が向上しつつも軽量化、そしてフィット感・ホールド感の向上。新しく生まれ変わったADIZERO BOSTON 13の走行感について、2人はどのように感じているのか。
くれいじーかろさんは「走っていて気持ち良い」と、ADIZERO BOSTON 13の走行感や安定性がお気に入りの様子。
「フィット感だけでなく、前作より屈曲性が良くなって蹴り出しの位置をコントロールしやすいです。走らされている感じがあまりなくて、扱いやすいシューズになったという印象。ジョグでもガンガン使えるのでどのレベルのランナーにもおすすめです」

ロングやウルトラレースで活躍するくれいじーかろさんに対して、スポーツデポ沼津店に勤務する児島さんは100mPBが10秒34という好記録を持つシューズフィッター。現役のスプリンターとして、ADIZERO BOSTON 13の使用例についてこう述べる。
「このシューズは前作より柔らかく屈曲性が良くなっています。短距離スパイクが厚底化し、LIGHTSTRIKE PROはスパイクにも搭載され、その感覚にマッチさせた使い方としてペース走で使っています。スプリンターでも、ペースを落として距離を踏むときがあります。柔らかいのに反発の返りが早いので、スピードにも乗りやすいです」

前作で8.5mm(ヒール厚39.5mm)だったドロップだが、ADIZERO BOSTON 13は6.0mm(ヒール厚36.0mm)と、しっかりと地面を捉えられるようなフラット寄りのモデルへ。シューズの重量は27.0cmで255gと、前作の270gより軽量化を遂げた。もちろん、ヒール部の厚さが39.5mmから36.0mmに減ったことも考慮すると、LIGHTSTRIKE PRO増量のインパクトがより大きくなる。
より速さを求めるランナーは、『ADIZERO ADIOS PRO 4』といったより軽量なレーシングモデルを選ぶ場合もある。しかし、ADIZERO BOSTON 13はLIGHTSTRIKEとLIGHTSTRIKE PROの二層構造のため、程良い安定性や反発性、推進力を兼ね備えている万能型シューズだといえる。
幅広いランナーが「スタメンシューズ」となり得る1足
万能型シューズとしての位置付けであるADIZERO BOSTON 13は、ランナーのレベルによってどのような使い方が推奨されるのか。
エリートランナーのくれいじーかろさんは、テンポが速いジョグの日や、ペース走、ロング走で実際に使用している。
「ペースでいえば、キロ3分30秒から4分30秒まで。ゆっくり走る分には問題ないかと思いますが、スピードをガンガン出すインターバルをこのシューズで、というのは用途としては違うのかなとは思います」
では、サブ4レベルのランナーにとってはどのような使い方がおすすめなのか。

普段から市民ランナーへの指導経験が豊富なくれいじーかろさんは、「サブ4レベルであれば、そもそもインターバル走をガンガンやるような、すごく頑張る必要がそこまでないかもしれない」と説き、「ジョグからレースまで履ける1足」と話します。
次いで、児島さんも頷きつつ、「(エリートランナーでない人が)もし1足だけで選ぶなら、レースからトレーニングまで全て完結できるのがこの1足。競技志向じゃない方、健康のためやファンランで走っている人で、箱根駅伝とか実業団の選手に憧れて気分良く走ってみたいとか、そういう感じでも良いと思います」と、販売員の視点でコメント。
シリアスからエントリー層まで履ける守備範囲の広い万能型シューズのADIZERO BOSTON 13だが、加えて児島さんはこう話す。
「レースからトレーニングまで使える、スピードとしての縦軸もですが、シリアスからエントリー層まで、レベルとしての横軸に対しても幅広く提案できます。ロッドが入っているから、といって自分にはまだ敷居が高いという風には思ってほしくなくて、どのランナーでもスタメンに入りそうなシューズですね」

そのスペックや走行感がガラリと生まれ変わった新しいADIZERO BOSTON 13。今秋のマラソンに向けての脚作りや、初めてのロッド搭載シューズを検討している人。
あるいは、初めて大会に挑戦する人、普段よりも少し背伸びをして気分良く走りたい、などというランナーはぜひ手にとってみてはいかがだろうか。
商品詳細
アディダス|ADIZERO BOSTON 13
・価格:¥18,700(税込)
(文:河原井司/写真:高野隼弥)
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