皇居ランブームの“きっかけ”にもなった「ホステス」マラソン。優勝タイムに驚き!!
Oct 11, 2016 / COLUMN
May 26, 2017 Updated
ランナーの聖地・皇居ランのはじまり
初めてランニングをする人や、もう何度もフルマラソンを走ってきている人まで、色んなタイプのランナーが集結するのが、東京・皇居をまわるコースです。
皇居までの交通のアクセスが良く、近くにランステや銭湯などがあり、また、ランニング後の食事が楽しめるスポットが多いのも魅力。今では、手ぶらで訪れてもレンタル用品で走れたりするので、本当に気軽に寄れるランニングスポットなのです。
言わずもがなですが、皇居は一周約5kmで信号無しで走れるため、ストレス無く走れることがメリット。大きな大会前や夕方~夜にかけてはややランナーが増えますが、そこは譲り合いの精神で気持ちよく走りましょう。
先日、改めて皇居のコースを走ってみたのですが、丸の内のビル群が見えたり、皇居の建築美が楽しめたり、飽きることなく走ることができました。また、男女問わず多様な年代の方が走っており、レベルも様々。皆、走ることに充実感を得ているように感じました。やっぱり良いコースですね。
では、日本のランニングのメッカとも言える、この「皇居」。一体、いつから、ランナーが多く集まったのでしょうか。今回は、そもそも皇居周辺を走ることになった“きっかけ”について触れてみたいと思います。
書籍『なぜ皇居ランナーの大半が年収700万以上なのか』では、皇居ランの始まりについて紹介されているのですが、これがまた意外な人たちが「ブームの火付け役」となっていることがわかりました。
結論から言いますと、皇居ランが始まったのは、「ホステス」たちが走り出したからです。
……むむっ。想像の斜め上をいく答えです。
よく考えてみると、皇居の近くには銀座がありますし、そこには多くのホステスの方々が働いていますよね。そして、そんなホステスたちが、1964年(昭和39)11月1日未明に開催された、皇居の外周を一周まわるというレース「皇居一周マラソン」に参加することに。
同レースの主催は銀座のクラブ・バーの経営者で、スタート時刻は未明となんとも業界的な発想。参加者は40名ほど。昨今のレースを考えるとやや小ぶりのものになりますが、今から約50年前に、そして、約40人ものホステスが集まったレースともなると、なかなかインパクトがありますね。
もっとインパクトがあったのが、その優勝タイム。皇居は一周約5kmですから、1kmを6分のペースで走っても30分となります。しかし、同レースでの優勝タイムは、なんと23分台……。
そんな時間帯に23分台で皇居を走りきる人はなかなかいないでしょう。ツッコミどころ満載のレースとなったのです。
そもそもホステスのマラソン以前にも、既に学生らが走る大会は存在したようですが、同レースに触発された国立国会図書館の男性職員が「女性にできて僕たちにできないはずはない」と、マラソンクラブを設立したと同書で明かされています。この男性職員たちの行動がきっかけとなり、皇居に多くのランナーが集まるようになったのです。
なんとも驚きの歴史がある皇居ラン。皆さんも一度、23分台で一周を走ってみてはいかがでしょう。これがなかなかのスピードであることがわかるかと思います。