【アディダス】ドイツ本社で開催!U20世界記録も誕生した「ADIZERO: ROAD TO RECORDS 2023」潜入レポート
May 16, 2023 / EVENT
May 16, 2023 Updated
4月29日(土)(現地時間)、ドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハになるアディダス本社の特設コースにて、アディダス主催の公認ロードレース『ADIZERO:ROAD TO RECORDS 2023』が開催されました。
今回は同イベントにラントリップ代表・大森が潜入。前日のメディアセッション、そしてレース当日の模様と参加した日本人選手のインタビューをお届けします。
大森:アディダスの『ADIZERO:ROAD TO RECORDS 2023』が開催されるということで、今回はドイツのアディダス本社に来ました! 日本人選手の走る姿やインタビューなどをお届けしたいと思います。
レース前日はメディアセッションに参加
レース前日はメディアセッションが行なわれ、5000m、10000m、ハーフマラソン、マラソン元世界記録保持者のハイレ・ゲブラセラシエさん(エチオピア)らレジェンドアスリートによるトークセッションとランニングセッションが実施されました。
大森も参加し、300mインターバル5本など、本格的なトレーニングも盛り込んだ内容で汗を流しました。
日本人選手が各種目で奮闘!大森も一般レースで力走!
翌日の『ADIZERO: ROAD TO RECORDS 2023』には5km、10km、ハーフマラソンにアディダスのアスリートが多数出場。
日本からも5kmに旭化成・中西大翔選手、青山学院大学・太田蒼生選手、黒田朝日選手などが出場。10kmにはただ1人、旭化成の葛西潤選手がエントリーしました。
5kmの優勝タイムは13分06秒。10kmでは優勝タイムが26分49秒と共に高速レースとなる中、5kmは黒田選手が14分13秒で日本人トップの15位。10kmの葛西選手は28分55秒で22位の結果でした。
その後行われた一般ランナーによる5㎞レース(ファンラン)には大森も参加。序盤先頭集団に加わる力走を見せました。一緒に日本から参加していた『HAGIRUNチャンネル』のHAGIさんとレースを振り返ってもらいました。
大森:各国の有力選手も登場して、非常に緊張感のある大会でした。コースはアディダス本社の敷地内を走る規格外のレースですけど、応援の雰囲気がすごかったです。本当に気持ちよすぎて、先頭集団に並んでしまいました。
HAGI:コースの作りというか雰囲気も良いし、応援する方もスタートの所に集まってきてくれた感じですごかったですね。すごく楽しかったです。
大森:こういうレースが日本でも増えて欲しいですね。
HAGI:それはすごく良いと思います!
日本人選手たちが振り返るレースの感想
大森:まずは5kmで日本人トップだった青山学院大学の黒田朝日選手にインタビューしていきたいと思います。黒田選手、お疲れ様でした。
黒田:ありがとうございます。
大森:今回は日本人トップの14分13秒という結果でしたが、レースを走ってみて感想はいかがですか。
黒田:このレース前まで体調が良くなかったので、調子を戻していくためのレースという位置づけでした。
大森:レース展開としてはどういった戦略を考えていたんですか。
黒田:すごくスピードが速くなることは分かっていたので、できる限りついていこうとしました。しかし、最初から思っていたよりもペースが速くて、序盤から離されてしまいました。それでも前を少しずつ拾っていく感じで上がっていけたと思います。
大森:ラストのスパートもしっかりと動いていましたよね。
黒田:ゴール前までが追い風だったのもあってしっかり走れたと思います。
大森:続いては同じく青山学院大学の太田蒼生選手にお話をお伺いしたいと思います。太田選手はしっかり突っ込んでいくと事前に伺っていましたが、まさにその通りの走りをしていたと思うんですけど、ご自身としてはいかがでしたか。
太田:そうですね。考えていた通りのレース展開はできたと思います。
大森:レース全体を振り返っての評価はいかがですか。
太田:3kmまでついていければ100点かなと思っていたんですけど、実際には1kmしかついていけなかった。非常に良い経験はできたと思うんですけど実力不足も痛感しました。
大森:悔しい想いもありますか。
太田:やっぱり悔しさはありますね。ただ、それ以上に楽しかったことが一番大きかったです。
大森:それはどのあたりに感じましたか。
太田:自分が最初の1kmを2分34秒で入っているのに、周りに他の選手がたくさんいて、こんなレースは日本ではなかなか体験できないと思いました。そういうレアな経験ができたことですね。さらにトップレベルの選手はそのペースでずっと行くので、後ろから見ていて差を感じましたけど、楽しかったですね。
大森:「いつか見てろよ! 」という感じでしょうか。
太田:そうですね。この差をいつか逆転するんだと思いながら走ってはいました。
大森:日本人選手で唯一10kmにエントリーしました旭化成の葛西潤選手にお越しいただきました。今回10kmにエントリーした意図はなにかあったんでしょうか。
葛西:もともと3月末に東京で行われた『ADIDAS TOKYO CITY RUN 2023』の5kmを走ってから今回の10kmで記録を狙う予定でした。しかし、3月のレースははコンディションが合わなくて欠場しました。不安もある中でしたが、今回はそのまま予定通り10kmでいこうと決めて走りました。
大森:このレースは狙いとしてどんなイメージを持っていましたか。
葛西:10㎞の日本記録が28分06秒で、練習もできていたので記録を狙ってはいました。
大森:周りがハイペースで突っ込んでいくというレース展開だったと思うんですけど、レース前はそれについていくイメージでしたか。
葛西:絶対速いのは分かっていたんで、完全にそこを無視してレースを作っても良かったと思うんですけど、それだとせっかくここまで来た意味がないと思い、ある程度気持ちに余裕を残しながらも勝負したいと思っていました。
「ROAD TO RECORDS 2023」から感じたこと
大森:『ROAD TO RECORDS 2023』のすべての行程が終えて様々な体験がありましたが、個人的には3つ感じたことがありましたのでそれをお伝えできればと思います。
1つ目はアディダスのレジェンドによるトークセッションの中でハイレ・ゲブレセラシエさんが「良いランナーとは? 」という質問に対して、「規律があるランナーが良いランナーだと思う」と答えていたこと。
速く走る必要も長く走る必要もなくて、自分が決めたことをきちんと行なえるランナーが一番良いランナーであると話していました。それはすべてのランナーに当てはまること。
簡単なようで難しいことですが、良いランナーになるために誰でもできることだなと思います。
大森:2つ目は日本人選手の果敢な姿勢にすごく刺激を感じました。
若いランナーの皆さんですけど、世界レベルの選手と戦う場に来たからには、守りに入って自己ベストを出すのではなく突っ込んでいくという意思ですね。そして、それが楽しかったという言葉を聞いて、目的を持ってチャレンジする姿が印象的でした。
大森:3つ目はアディダスの施設やコミュニケーションの取り方を体験して、スポーツを楽しいものにしようとしていることが印象的でした。これらを糧にランニングをもっと楽しいものにできる発信をしていきたいと思います。
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世界中のトップアスリートが集結した『ADIZERO: ROAD TO RECORDS 2023』。結果は女子5km・10kmのU20世界記録を含め、合計9個の新記録が誕生した高速レースとなりました。
大森のリポートにもあったように果敢に挑戦していった日本人選手たちの活躍から目が離せません。
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