【2023年】ナイキランニングシューズおすすめの履き分け方は?注目厚底シューズから定番デイリートレーナーまで徹底解説
Jan 23, 2023 / SHOES
Jan 23, 2023 Updated
この冬も駅伝で多くのランナーが着用して話題を集めたナイキのランニングシューズ。市民ランナーの間でも絶大の支持を集め、「自分も履いてみたい」と思っているランナーも多いのではないでしょうか。
そこで、Runtrip Magazineお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんにナイキランニングシューズの特徴や、履き分け方について解説していただきました。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
ナイキのシューズを履いてみたいと思っているランナーはぜひ参考にしてみてください!
ナイキランニングシューズ4足を紹介
大森:今回は『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』、『エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2』、『ズーム フライ 5』、『エア ズーム ペガサス 39』の4足を紹介します。駅伝ではアルファフライとヴェイパーフライを着用している選手が多かったですが、この2足の選び方について悩んでいるランナーも多いと思います。藤原さん、よろしくお願いします。
藤原:よろしくお願いします!
大森:アルファフライとヴェイパーフライがレーシングシューズ、ズーム フライ 5がテンポアップシューズ、ペガサス 39がデイリートレーナーに分けられますね。それを踏まえて履き分けを紹介していきます。
藤原:やはり、駅伝直後のこの時期はナイキに注目が集まりますが、一言でいうとナイキは非常にシンプル。ラインナップがあまり多くありません。
大森:あまり細かくなくて、選びやすい印象ですよね。
1.レーシングシューズの定番|ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2
藤原:ヴェイパーフライは定番化したレーシングシューズですよね。駅伝を走るトップ選手も履いていて、サブ3ランナーにもスタンダード化したと思います。ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2はヴェイパーフライシリーズで4代目。完成された印象があり、スーパーシューズの定番です。
大森:多くのランナーに人気がありますね。
藤原:ヴェイパーフライは比較的、厚底レーシングシューズの中でバランスが良くクセがない。スプーン状のカーボンプレートが搭載されていて、跳ね返りがあります。使い方が難しいと物議を醸しだしたこともありましたが、うまくロイター板のように蹴り出していければ推進力を得られるスーパーシューズだと思います。
2. まるでスタブロ!?ミラクルな走り心地|エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2
大森:アルファフライはどんなフィーリングのシューズでしょうか。
藤原:アルファフライはもう『スタブロ』のようなシューズですね。
大森:スタブロというのは、陸上短距離選手が使う『スターティングブロック』のことですか?(笑)
藤原:そうです。あれを使った時のような走り方ができるシューズです。前足部には『ズーム エア ポッド』が搭載され、ペガサスシリーズをはじめデイリートレーナーにも利用されている素材です。それをレーシングシューズに入れてくるのですから、ナイキは面白いブランドだと感じます。
大森:ズーム エア ポッドを搭載することで、レーシングシューズなのに重くなってしまいますよね。
藤原:それが軽いんですよ。そして、この素材が推進力に影響するというミラクルなシューズです。テンポを上げた時には、より助力感を感じやすいです。
大森:それに脚が耐えられるかということも大事になりますよね。実際にこの2足の選び方は、どのように選びますか。
藤原:ヴェイパーフライとアルファフライは使う選手が分かれていますけど、それは良いのではないでしょうか。スタンダードはヴェイパーフライですが、アルファフライのプロトタイプはエリウド・キプチョゲ選手(マラソン世界記録保持者)のために作られたモデルでもあります。同じ履き心地を体験したいランナーは試していいと思います。バスケットボールシューズでいえば『エア ジョーダン』シリーズと同じような存在です。
大森:なるほど! それは分かりやすいですね。
藤原:ここはプラスアルファの選択肢があるという意味で、試してもらいたいシューズですね。
3. サブ4ランナーの定番シューズ|ズーム フライ 5
大森:ズーム フライ 5はサブ4を目指すランナーの定番。本当にすごいシューズですよね。かつてはヴェイパーフライの廉価版というイメージもありましたが……。
藤原:そうですね。現在はその立ち位置も変わってきています。ズームフライ 5は重くなっていますが、カーボンプレートによる蹴り出しが良くレースシューズの側面もあります。
大森:だから、サブ4〜3.5を目指したいランナーにはおすすめなんですね。
藤原:決して、脚の負担がないわけではありませんが、カーボンプレートによる助力を受けることも大切です。ちなみに、今作からリサイクル素材の『Pebax』がミッドソールに配され、反発性と耐久性を兼ね備えています。
4. デイリートレーナーからテンポアップまで|エア ズーム ペガサス 39
大森:ペガサス 39の使い方はどうでしょうか。
藤原:ペガサスもデイリートレーナーからテンポアップしたいシーンまで幅広く使えるシューズになっています。屈曲が制限されているペガサス 39はガイドが強く、ふくらはぎや足の裏にかかる負担は少なく、初心者におすすめです。
大森:初心者ランナーはペガサス 39、サブ4~3.5を目指すならズーム フライ 5という選び方で履き分けるといいですね。
4モデルをシーンに合わせて履き分ける
大森:履き分けるとしたら、ヴェイパーフライやアルファフライをレース用に使っているランナーがテンポアップでズーム フライ 5、デイリートレーナーとしてペガサス 39という使い方もありますよね。
藤原:まさにその通りです。あとは男性ランナーにありがちですが、厚底レーシングシューズは反発が強くて蹴る力に頼りがちになります。必要以上に大股で走ってしまうケースも見られるんですよね。
大森:跳ねすぎてオーバーストライドになってしまっているんですね。
藤原:跳ねるのは気持いいですが、その反面長続きしない動作になってしまいます。
大森:動きを制御しきれないんですね。
藤原:そのため、ペガサス 39やズーム フライ 5でしっかりと動作を作ってから、ヴェイパーフライやアルファフライを履く選択も必要です。疲労を考えても、カーボンプレートシューズだけに頼るのは危険です。脚の負担が増してくるので、クッション性が高く、ガイドしてくれるペガサス 39を使うことは大切です。
大森:駅伝を走る選手たちもシーンに合わせて履き分けていますよね。
藤原:その通りです。駅伝を見るとヴェイパーフライやアルファフライが欲しいと思うかもしれませんが、選手たちもトレーニングではペガサスも使っています。だから、しっかり自分に合ったシューズを選んでもらいたいですね。
シューズによって特徴はさまざまで、使うシーンによって適正は大きく変わります。ぜひ藤原さんのシューズ履き分けのアドバイスを参考に、ナイキランニングシューズから最適な1足を見つけてくださいね。
詳細情報
1.ナイキ|エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2
・価格:¥31,900(税込)
2.ナイキ|ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2
・価格:¥26,950(税込)
3.ナイキ|ズーム フライ 5
・価格:¥18,700(税込)
4.ナイキ|エア ズーム ペガサス 39
・価格:¥14,300(税込)
藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト