【箱根駅伝特集②】往路3位以下から総合Vは難しい!? 留学生起用もシード権獲得は難しい!?
Dec 28, 2017 / COLUMN
Dec 28, 2017 Updated
2017年も残りわずか。年が明けると、2日には箱根駅伝が始まります。今月10日に選手エントリーが発表され、ラントリップマガジンでも【箱根駅伝特集①】として記事を公開しました。
今回はその第2弾として、箱根駅伝にまつわるトリビアや小ネタを紹介していきます。知らなくてもいいけど、知っておくとテレビ中継が一層面白くなるネタが盛りだくさんです。
今大会は区間新記録達成の可能性が高い?
箱根駅伝では数年に一度、区間距離の再計測やコース変更が行われます。3年前は箱根山中にある函嶺洞門が封鎖された影響で、5区と6区の距離が20m延長。前回大会では4区の距離延長と5区の短縮が行われた影響で、それぞれ従来の区間記録がリセットされました。
つまり、前回大会で4区、5区の区間賞を獲得した選手の記録が区間記録となるため、今大会は記録更新の期待が高まっています。
平成以降、往路3位以下から総合優勝したのは〇〇大学だけ
30年前の1988年(昭和63年)以降に優勝したチームのうち、実に29校が往路2位以内につけているという事実が発覚。ちなみに2012年から17年までは、6大会連続で往路優勝を果たした大学が総合優勝に手をかけています。これはいかに往路でリードを奪うことが重要かを表すデータと言えるのではないでしょうか。
なお、唯一の例外となるのが、2006年の亜細亜大。この時は往路6位からの大逆転で、1986年の順大(往路5位)を上回る、史上最高の“下剋上”でした。
過去7年間、留学生を起用してシードを取ったのは5回だけ
毎年、そのずば抜けた走力で箱根路を震撼させるアフリカ出身留学生の存在。10000m27分台という圧倒的な走力を持つ彼らが、大学の順位を大きく押し上げているのは言うまでもありません。
ところが、過去7年間の成績をみると、留学生が走った19チーム中、シード権を取ったのは5チームだけ。2011年の拓大(7位)、12年の山梨学大(9位)、14年の日大(7位)、拓大(9位)、16年の山梨学大(8位)のみで、最高順位も7位が最高です。今大会は出場3チームで留学生がエントリーしていますが、果たしてどんな結果になるか。
史上初の3年連続8区区間賞なるか!
大会4連覇がかかる青学大には、前回まで2年連続で8区区間賞の下田裕太選手(4年)が最後の箱根路に臨みます。もし3年連続で8区に出走した場合、過去の実績からおそらく区間賞は濃厚。もし達成されると、8区では史上初の快挙となります。
なお、8区の区間記録は97年の古田哲弘さん(山梨学大)が保持する1時間04分05秒。下田選手はあと16秒と迫っており、現存する最古の区間記録更新にも期待がかかります。
エントリー選手336名の出身高校ランキング、第1位は…?
オープン参加の関東学生連合チームも含めた336名がエントリーされました。各選手の出身高校を見ると、もっとも多かったのは市船橋高(千葉)と西脇工高(兵庫)。それぞれ7人ずつがエントリーされました。
市船橋高は早大の駅伝主将・安井雄一選手(4年)を筆頭に、帝京大から2名が選出。西脇工高からは藤原滋記選手(早大4年)、山本翔馬選手(大東大4年)をはじめ、中大から2名、中央学大から2名が選ばれています。いずれも、陸上競技の名門校から多数の選手がエントリーに食い込みました。
平成以降では史上初となる、10年連続3位以内がかかる東洋大
前回大会で2位に入り、9年連続3位以内を死守した東洋大。これは1998~2005年の駒大を抜き、平成以降では単独最長記録となりました。
では昭和まで遡るとどうなるか。10年以上3位以内を継続した大学は、1975~85年の日体大(11年連続)と、1963~74年の日大(12年連続)、1950~65年の中大(16年連続)の3校のみ。いずれも10回以上の総合優勝を経験しているレジェンドチームだけに、今大会の東洋大には夢の“大台超え”に期待がかかります。
選抜チームの最高順位は08年の4位、当時の監督はあの人
かつて2013年まで関東学連選抜として正式参加しており(順位もついていた)、現在は関東学生連合へと名前を変えた選抜チーム。予選会で落選したチームから選手を結集させますが、過去には強豪校を押しのけて総合4位に食い込んだ年がありました。
それが2008年大会。区間2位が3つ、区間3位が1つと圧倒的な走りを披露し、1度もシード圏内から外れないすばらしい粘りを見せました。そしてこの時の関東学連選抜を率いていたのが、青学大の原晋監督。この翌年に33年ぶりとなる箱根路復帰を果たすと、その翌年にはシード権を獲得、そして着々と黄金時代を築いていきました。
現在はオープン参加扱いですが、このように数年で強豪校へと成長する可能性を秘めているのが、学生スポーツの醍醐味といえるでしょう。