「陸上競技の選手というのは会社で出世しない傾向があるよう」、青学・原監督の指摘

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体育会系の部活動経験者は、コミュニケーション能力や目標を達成する能力が長けている傾向にあるのは、皆さんの想像するところかと思います。ただ、全ての部活動経験者がこれに当てはまるかといえば……、実際にはそうでもなさそうです。

個人が中心の競技だと、コミュニケーションを必要とするシーンは少ないでしょうし、レギュラー争いから脱落したことで腐ってしまう選手もいます。

それでも、学生時代の部活動経験を社会人になってから生かせている人には、ある共通点があるように思えます。それは、自身の経験や考え方を言葉に置き換え、周囲に伝えながら、仲間を巻き込んで目標達成を目指す人材です。このようなスキルがある人材は、どこにいっても重宝されることでしょう。

最近、プレジデントオンラインが実施したアンケートが話題となっています。「体育会系は就職に強い」という説は本当かどうかを調べるために、企業の採用責任者と経営者のそれぞれを対象に調査を実施。

対象となった企業は、あいおいニッセイ同和損害保険、伊藤忠商事、オリックス、鹿島建設、キッコーマン、キリン、サッポロビール、サントリーHD、 JFE HD、損害保険ジャパン日本興亜、竹中工務店、帝人、日本板硝子、日本航空、三菱電機(50音順)。

企業の採用責任者に好印象の競技・部活を聞いたところ、1位はラグビー部、2位は野球部、3位はアメフト部、4位はサッカー部、5位はバスケットボール部と続きました。陸上部は11位。

これらの結果をみていると団体競技である方が、好印象を与えやすいとも言えるのかもしれません。

これを知ってか、「大学での陸上競技を終えたあと、社会人になっても立派に活躍してほしい」と願い、それを指導方法に導入しているのが、青山学院大学の監督・原晋さんです。

これまでの陸上部の監督は、トップダウンの指導方法で、学生の能力を引き出すスタイルが主となっていました。箱根駅伝常連校は、監督をはじめ周辺スタッフも充実。選手は走ることに集中すればよい環境になっていました。それこそ、自分で考え行動するよりは、監督やコーチのアドバイスに忠実に従うことが求められます。これで結果を出してきた大学はいくつもありますが、選手は監督に信頼しきる分、自分で考えて行動する機会が限られていました。

そんな中、これでは社会人になっても活躍できる人材が育たないと、原監督は、監督と選手、選手と選手のコミュニケーションを重視し、言葉を大切にするように。

選手たちは、目標管理ミーティング(毎月のチームのテーマや、個人のテーマをシートに書き、それを元に学生らが行うミーティングのこと)を行い、そこで、自分の考えを言葉にして発信します。そもそも原監督が可能性を感じる選手とは、“感性や表情豊かな選手”。青学の選手が優勝インタビューの際に、自由に発言しているシーンを見たこともあるでしょう。これは、日々のトレーニングの成果ともいえます。

「陸上競技の選手というのは会社で出世しない傾向があるようなんです」

これは、書籍『力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方』での原監督の言葉。「陸上部引退後に会社に入って、コミュニケーション能力のない奴は、出世できません」とも語ります。

変わり始めた陸上競技。このような指導方法が一般的になれば、前出の印象のアンケートでも、陸上部が上位に進出してくるのではないでしょうか。

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陸上競技はどうしても自身と向き合う時間が長く、黙々とトレーニングに励んでしまいがち。ですが、自分の考えを言語化し、仲間と共に成長することができれば、陸上競技後も活躍の機会が増えてきそうですね。

皆さんは、陸上競技とコミュニケーションについて、どのように考えますか?

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