2017年5月22日

ランナーにとっての“当たり前”とは異なる「ウルトラライトハイキング」の世界

「ランナーにとっての“当たり前”とは異なる「ウルトラライトハイキング」の世界」の画像
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まるで、サーファーがいい波を求めて旅をするサーフトリップのように ランナーがいい道を求めて旅をするスタイル……これがラントリップの基本的なスタイル。

ランニング中は一生懸命走るも良し、自分のペースで走るのも良し。ラントリップでは、「途中で歩いてもいい。立ち止まってもいい。どんなルートを走るのかも、全てあなたの自由」と、そのスタイルを問いません。

このラフなスタイルを今時のランナーに提案しています。

思い返すと、私たち日本人は型にはまることに慣れていたのかもしれません。学校や会社での生活で、型にはまることが良しとされてきた歴史がありますし、それと引き換える形で、安定した未来を得ることができました(もちろん型にはまることが悪ではなく、日本特有のルールや規律を守る姿勢は海外から高評価を受けています)。

しかし、終身雇用はあてにならない状況となり、これまで通りの手法では、なかなか未来を切り開くことができなくなってきました。求められるのは、これまでの「“当たり前”から脱却する力」。

ランニング界でいうと、箱根駅伝で3連覇を達成した原晋監督は、これまでの詰め込み式の指導に疑問をもち、選手それぞれが自分で考えるようにチームを変えました。旧来の指導方法で、なかなか結果が出せなくなってしまっている強豪校。その一方で、多様性な時代にマッチした指導方法で結果をだす青学では、非常に対照的な構図となっています。

そんな時代に、登山でもトレランでもない、自由度の高いハイキングスタイルが注目されつつあります。

それが、「ウルトラライトハイキング」。

アドベンチャーレースでよく耳にする「ライト&ファスト」ですが、ウルトラライトハイキングもこれに通ずるものがあるのです。

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「ウルトラライトハイキング」の本質とは

「ウルトラライトハイキング」の本質は、「軽さこそ自由」。荷物を削って軽さを追求し、より自由にハイキングを堪能するのです。荷物を軽くすることのメリットは様々。そもそも疲労が軽減され怪我のリスクが下がります。また、荷物が軽いと気持ちにも余裕ができるので、ちょっと寄り道したり、休憩したりと何かと気分が良いのです。この感覚はラントリップの理念に近いものがあります。

書籍『ウルトラライトハイキング』では、1泊2日で必要な荷物は5kg以下と紹介されています。靴はローカットシューズでコッヘルは400ccのお湯を作れれるサイズのものを用意。スリーピングパッドを切って適当なサイズにすれば、余計な重量を削ることができます。こうやって手持ちの荷物を徹底的に削り、自由なハイキングを楽しむのです。

アメリカの「ロングトレイル」は、数百から数千もの距離を踏破するハイキングスタイル。ジョン・ミューア・トレイルやアパラチアン・トレイルというったコース名を聞いたことはありませんでしょうか。ロングハイクの入門編とも言われるジョン・ミューア・トレイルですが、こちらでも約340kmの距離となっています。この距離を1ヶ月弱の期間で歩き切るのです。

約340kmも約1ヶ月弱も、なかなか想像の難しい数字ではありますが、この条件でロングトレイルをこなすには、どんな状況でも対応できる力が必要となります。体力は削られますし、気候の変化もあるでしょう。「最後に頼りになるのは道具ではなく、あくまで自分自身。少しでも体力に余裕をもたせながら歩きたい。スルーハイカーたちは、彼らの目的であり喜びでもある『歩く』ということに、装備や方法をシンブルに絞り込みます。そのための最も効果的な手段が『装備の徹底的な軽量化』だったのです」(同書より)

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ランニングや登山でも装備の軽量化は求められます。しかし、やや目的が異なるのが、ウルトラライトハイキングなのです。

「ウルトラライトハイキングのベースにあるのは『少ない負担で』『長い距離と時間を』『歩き続ける』ことです。最初から『走るため』『急ぐため』を目的とした軽量化とは、やや趣を異にしています。スルーハイカーにとって『速さ』は目的ではなく、あくまで結果です」(同書より)

ハイキングの歴史は半世紀以上前からあるのですが、スピードを意識し、どう時間を削っていくことにこだわるランナーにとって、“急ぐことを目的にしない”というスポーツは新鮮な考え方。

ストイックなランナーほど、一度、ランニングにのめり込むとスピードを重視してしまいますよね。5月になり、今はマラソンのオフシーズン。そんな時こそ、シンプルな考え方が重要視されるウルトラライトハイキングに挑戦してみるのもいいのでは。

何が必要で何が不必要なのか、いちいち検証することがキーになるので、あなたのライフスタイルごと、見直すきっかけとなりそうです。もちろん、無茶な計画にならないよう、しっかりと準備に挑んでくださいね。

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ワニの左手が執筆した記事

Runtrip via Hakubavalley

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