【2023年】BESTランニングシューズ10選!シューズアドバイザー・藤原岳久さん厳選のシューズとは
Dec 25, 2023 / SHOES
Jul 03, 2024 Updated
多くのランニングシューズが登場した2023年。今年もRuntrip Magazineではシューズアドバイザー 藤原岳久さんとともに多くのランニングシューズを紹介してきました。こちらの記事では2023年に発売されたシューズの中から藤原さんが選んだ『2023年ベストシューズ』を発表します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
テンポアップトレーニングにおすすめの5足
大森:今回は年末恒例、藤原さんが選ぶ2023年ランニングシューズ10選です。まずはじめに紹介するシューズはホカ『CIELO RD』、2足目はプーマ『ディヴィエイト ニトロ 2』、3足目はアディダスの『ADIZERO BOSTON 12』、4足目はアンダーアーマーの『UAベロシティ3』。そして5足目はブルックスの『ハイペリオン』です。
藤原:これらのシューズはテンポアップ(速めのペースで走るトレーニング)用として扱われることの多いシューズです。ただフルマラソンのレースでも十分に走れるスペックをもっています。
大森:ランナーによってはADIZERO BOSTON 12やディヴィエイト ニトロ 2がレースシューズになる方も多いと思いますね。
藤原:昨今はカーボン製をはじめとするプレートが内蔵されたシューズが多く登場しています。しかしCIELO RDにはプレートが入っていません。反発弾性の高い素材だけをミッドソールとして搭載したシンプルな構造となっており、素材本来の反発を味わうことができます。また本作はミッドソールがあまり厚くないため、接地感覚と反発感の両方を味えることも魅力ですね。400〜1000mのインターバル走など、短い距離を速く走るトレーニングでよく使っています。
大森:薄底のシューズが好きな方にもおすすめの1足ですね。
藤原:UAベロシティ3とハイペリオンもミッドソール内にプレートが搭載されていないシューズです。ただ、こちらの2足はデイリートレーナー(ジョギングのようなゆっくりとしたペースで走るためのシューズ)に近しいものとなっており、より軽量性やクッションに優れたテンポアップシューズとなっています。
藤原:UAベロシティ3は前作よりもミッドソールの厚みが増しており、よりテンポアップにふさわしい1足になりました。軽量性や接地感に優れつつ、前足部とかかと部分の傾斜が大きいシューズです。そのためデイリートレーナーしか持っていない人にはスピードトレーニング用やはじめてレースに出場するための1足として非常におすすめです。
藤原:ハイペリオンの前作はランナーからの評判が高いモデルでした。本作は前作の良さを残しつつ素材のアップデートが加えられており、前作を履いてから本作を履くと「ぜんぜん違うな」と直感するほどに進化を遂げています。これらのシューズは接地感に優れ、自分でスピードをコントロールしやすい2足といえるでしょう。
藤原:速く走るための機能がふんだんに搭載されているのがディヴィエイト ニトロ 2とADIZERO BOSTON 12です。ディヴィエイト ニトロ 2にはカーボンカーボンファイバー製のプレートが内蔵されており、ADIZERO BOSTON 12にはグラスファイバー製の骨状バーが組み込まれています。
藤原:そして速く走るためには反発弾性の高いミッドソールが必要不可欠です。これらの2足には各社のエリートランナー向けモデルに使われている反発性に優れた素材を贅沢に使用しています。ディヴィエイト ニトロ 2もトレーニングだけでなくレースでも十分に使えるほど反発性の高いシューズです。ただ前足部のプレートが全面的に使われているのではなく、一部がくりぬかれたフォーク状になっているため、エリートランナー向けモデルのシューズよりも扱いやすくなっていますね。
藤原:ADIZERO BOSTON 12はグラスファイバー製の5本指骨状バーが力を加えると適度にしなり、気持ちのいい反発を生み出してくれます。また反発弾性の高い素材『LIGHTSTRIKE PRO』とともに搭載された『LIGHTSTRIKE 2.0 EVA』が接地時に安定感をもたらしてくれる点も非常に優秀です。先日このシューズでフルマラソンに出場したのですが、3時間ほどで完走するペースでも走りやすく最後まで脚が筋肉痛になることはありませんでした。
クッション性に優れた5足のシューズ
大森:続いて6足目はアシックス『GEL-NIMBUS 25』、7足目はミズノ『ウエーブ リベリオン プロ』、8足目はサッカニー『トライアンフ21』、9足目はOn『Cloudswift 3』。そして10足目がニューバランス『Fresh Foam X 1080 v13』です。
藤原:GEL-NIMBUS 25は今作から大幅にアップデートされ、大きな注目を集めました。ニット製のシュータン(足の甲が当たる部分)となっているためフィット感が良く、クッションも適度にバウンドしてくれるので履いていて気持ちいいシューズです。長い距離を走るトレーニングにはぴったりの1足ですね。
藤原:ウエーブ リベリオン プロも2023年大きな注目を集めたシューズでした。中側部の厚みが約50mmもある特徴的な形状となっていますが、世界陸連の規定ではソールの厚さを計測する部位が前足部、かかと部分と決まっているため中足部は該当しないのです。そのため、厚さ40mm以内のシューズとして公認ロードレースでも使用できるレーシングシューズです。履き続けるなかで違和感はどんどん少なくなっていき、走行中のさまざまなデータで優位な結果を示すなど速く走れる1足だと感じています。
藤原:トライアンフ21は前作も大絶賛していましたが、今作も最高でした。このシューズの乗り心地を超えるものは少ないです。ミッドソールには柔らかい素材を使っていますが、接地面積が非常に広いので安定感は高くなっています。本作からアッパーもアップデートされ、足の幅が広いランナーから細い方まで、多くのランナーにフィットするアッパーになっている点も魅力です。
藤原:Cloudswift 3はしっかりとしたクッションが特徴であり、Onのシューズを履きたい方にはこのシューズから履いてほしいと思うほどのモデル。Onの代名詞とも言える『CloudTec®』によるロッカー構造(ゆりかごのようにシューズが揺れ動く構造)によって抜群の履きやすさを感じることができます。また今作のアッパーもフィット感が非常に良いです。アッパー全体がニット製になっているため足当たりがよく、かつ中側部は固めの素材となっているので足をしっかりと包み込んでくれます。
藤原:Fresh Foam X 1080 v13はCloudswift 3とは対照的にとても柔らかいクッションが特徴です。フカフカとしたクッションによって弾むように走ることができる1足です。前足部とかかと部分の傾斜も控えめに設計されているので、自分の感覚で走りやすいシューズとも言えるでしょう。デザインもおしゃれなので、走るときだけでなく普段履きと併用しながらも扱えるシューズですね。
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今回ご紹介した10足のランニングシューズはどれも数々のシューズを履き比べてきた藤原さんのお墨付き。2024年に向けて第1歩を踏み出したいランナーのみなさんの想いを、強く後押ししてくれるでしょう。
各シューズの詳細は下記の詳細情報に掲載していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
詳細情報
HOKA|CIELO RD
・価格:¥26,400(税込)
PUMA|ディヴィエイト ニトロ 2
・価格:¥19,800(税込)
商品ページはこちら
adidas|ADIZERO BOSTON 12
・価格:¥18,700(税込)
商品ページはこちら
アンダーアーマー|UAベロシティ3
・価格:¥15,400(税込)
BROOKS|ハイペリオン
・価格:¥20,900(税込)
Saucony|トライアンフ21
・価格:¥17,600(税込)
ASICS|GEL-NIMBUS 25
・価格:¥19,800(税込)
商品ページはこちら
New Balance|Fresh Foam X 1080 v13
・価格:¥18,700(税込)
商品ページはこちら
On|Cloudswift 3
・価格:¥18,480(税込)
MIZUNO|ウエーブ リベリオン プロ
・価格:¥25,300(税込)
商品ページはこちら
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)