【プーマ】厚底シューズ「FAST-R NITRO ELITE」を徹底解説！奇抜なレーシングシューズの履き心地は？

プーマの厚底レーシングシューズ『FAST-R NITRO ELITE』。第99回箱根駅伝で着用した選手がいたことでも注目を集めました。

本記事では、FAST-R NITRO ELITEの魅力をシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説。藤原さんはブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わって20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出した、走るシューズアドバイザーです。

FAST-R NITRO ELITEの履き心地

大森：今回は『FAST-R NITRO ELITE』の魅力を紹介していきます。

藤原：一言で表現すると、オーソドックスなタイプのレーシングシューズです。とても奇抜なデザインですが、極限まで軽量化され走りやすい一足です。

大森：カーボンプレートも外に剥き出しになっていて奇抜ですよね。

藤原：パワープレートという『ディヴィエイト ニトロ 2』にも採用されているカーボンプレートです。『ディヴィエイト ニトロ エリート2』に搭載されているイノープレートの方がソフトで軽量な作りになっています。パワープレートは大きな推進力を生み出すために作られたカーボンプレートです。

大森：一方、ミッドソールの感触は柔らかいですね。

藤原：NITRO ELITE FOAMを採用し、アルケマ社のPebax素材を使用しています。かかと部分に配されている素材はNITRO FOAM。TPUやTPEなどの素材が使用されていますが、基本的にはEVAを使用して作られています。2つのフォームをグラデーションで配するのではなくて、前足部とかかと部分に分けているのが特徴になります。

大森：面白い作りですよね!

「ディヴィエイト ニトロ」シリーズとの比較

藤原：履いてみると、見た目ほど突飛なシューズではなく非常に推進力を感じます。『ディヴィエイト ニトロ エリート』を履いているエリート選手もいますが、厚底シューズとしての特徴は『FAST-R NITRO ELITE』の方が持ち合わせています。前足部での着地を使いこなせれば、非常に推進力を感じます。

大森：ポジションとしては『ディヴィエイト ニトロ エリート』よりも上位モデルになりますか。

藤原：『ディヴィエイト ニトロ エリート』は日本のランナーも好む、接地感の高いシューズ。軽量性を重視しています。『FAST-R NITRO ELITE』は比較的、クッション性によるバウンドを起こして推進力を生み出すシューズです。

『ディヴィエイト ニトロ エリート』は短い距離向け、『FAST-R』は長い距離向けのレーシングシューズというポジションです。

大森：グリップもしっかりしていますね。

藤原：プーマグリップは非常にウェットな路面でもグリップ力を発揮するので、レーシングシューズを選ぶ際の大切な指標になると感じます。

大森：長い距離を走っても耐久性が高そうですよね。

長い距離のレースへおすすめの一足

大森：おすすめのシーンとして、藤原さんはレースで使用したいですか。

藤原：はい、レースデイで使いたいです。トレーニングの場合は『ディヴィエイト ニトロ エリート』をインターバル、『FAST-R ニトロ エリート』はロング走で使おうと思っています。

大森：シューズ選びの目安として、安定感が必要なランナーは『ディヴィエイト ニトロ エリート』、ある程度脚力の高いランナーは『FAST-R NITRO ELITE』という選択肢が合っていますか。

藤原：そうですね。一方で、脚力に自信のないランナーでも短い距離であれば使いこなせるはずです。そのため5kmや10kmのロードレースで『FAST-R NITRO ELITE』を着用する選択もおすすめです。

大森：価格は税込27,500円となります。他ブランドのレーシングシューズと同価格帯ですね。

藤原：魅力的なレーシングシューズですので、ぜひ手に取っていただきたいです。

シューズアドバイザー・藤原岳久さんによる、プーマ『FAST-R NITRO ELITE』のレビューをお届けしました。フルマラソンをはじめ、レースに向けて勝負シューズを探している方はぜひ足を通してみてくださいね!

詳細情報

プーマ｜FAST-R ニトロ エリート

・価格：￥27,500（税込）

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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING（旧藤原商会）代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長，販売歴20年以上
ハーフマラソン：1時間9分52秒（1993）
フルマラソン：2時間34分28秒（2018年別府大分毎日マラソン）
藤原商会オフィシャルサイト