【プーマ】ランニングシューズ4モデルの履き分け方を徹底解説!
Mar 23, 2022 / SHOES
Mar 25, 2022 Updated
世界的に有名なスポーツブランド『プーマ』。長距離の設楽悠太選手や村山謙太選手をはじめ、多くのトップアスリートがプーマのシューズを使用しています。
2021年の東京オリンピックでは、女子マラソン3位のモリー・セイデル選手が『ディヴィエイト ニトロ エリート』を着用して臨んだことでも注目を集めました。本記事では、Runtripお馴染みのシューズアドバイザー 藤原岳久さんとプーマのランニングシューズの履き分け方について解説。購入を検討している方、興味のある方はぜひシューズ選びの参考にしてみてください。
「NITRO FOAM」の特徴と各シューズの違い
大森:プーマのランニングシューズの履き分けについて藤原さんと解説していきます。まず、今回用意した4足はレーシング向けの『ディヴィエイト ニトロ エリート』、テンポアップシューズ『ディヴィエイト ニトロ』と『リベレイト ニトロ』、デイリートレーナー『マグニファイ ニトロ』。
ちなみにカラーは『スペクトラパック』と呼ばれる、虹のような色の帯と光(=スペクトラ)の速さをイメージしたカラーリングです。
藤原:公式サイトを見ると同じようなデザインなので見た目が似ていて、違いが分からない方も多いと思います。
大森:また、全てのシューズに『ニトロ』がついていて、似ていますよね。
藤原:そうですね。名前に『ニトロ』がついているのはミッドソール素材に『NITRO FOAM』が使用されていることを指します。
大森:フォームの名前なんですね!
藤原:NITRO FOAMの特徴は、窒素ガスを封入する技術によって素材にクッション性を持たせている点。各シューズ、その封入度合いは変わり、クッション性や弾性が変わります。
大森:窒素ガスの封入具合を変えるんですね。
藤原:フォームの踵部分にあるロゴをよく見ると『ディヴィエイト ニトロ エリート』だけ、『NITRO ELITE』とプリントされています。これは高反発特殊素材『PEBAX®︎(ぺバックス)』が配合された『ニトロ エリート フォーム』。どのシューズにも同じ『ニトロ』が付きますが、使う目的や特性に違いがあります。
藤原:『マグニファイ ニトロ』のミッドソールはニトロ フォームとEVA素材の組み合わせで、下層のEVA素材がしっかりとした安定感を保ち、上層が足当たりの良い柔らかいフォームになっています。一方、『リベレイト ニトロ』は屈曲性があり、かかとを覆うヒールカップの柔らかさが特徴です。
大森:なるほど。『マグニファイ ニトロ』はしっかりとした作りですね。
「NITRO FOAM」各シューズの履き分け方とは?
藤原:『マグニファイ ニトロ』のソールはガイドが強く、ヒールカップもしっかりしています。アッパーとヒールの剛性が非常に高く、ランナーの走りをサポートしてくれるデイリートレーナー。見た目は他のシューズと同じに見えても、剛性は全く違います。
大森:なるほど。全然違いますね。
藤原:そして『ディヴィエイト ニトロ エリート』、『ディヴィエイト ニトロ』、『リベレイト ニトロ』の履き分け方について話していきますね。『ディヴィエイト ニトロ エリート』は反発性が高く、どのシューズよりも軽量。マラソンサブ3(3時間切り)など記録を目指す上級者に適したレーシングシューズです。『ディヴィエイト ニトロ エリート』と『ディヴィエイト ニトロ』は『INNO PLATE(イノープレート)』と呼ばれるカーボンプレートが搭載され、推進力をもたらします。
大森:『ディヴィエイト ニトロ エリート』は、より速いランナー向けのシューズというイメージですね!
藤原:『ディヴィエイト ニトロ』でトレーニングをして、『ディヴィエイト ニトロ エリート』をレースで使う。『マグニファイ ニトロ』をトレーニングやウォーミングアップに使って、『ディヴィエイト ニトロ』をレースで履く。そういった履きわけ方が良いでしょう。
大森:一方、『ディヴィエイト ニトロ』は『ディヴィエイト ニトロ エリート』よりも、アッパーのサポート力が感じられますね。
藤原:インターバルの時に『ディヴィエイト ニトロ』で何本か走った後、『ディヴィエイト ニトロ エリート』を使っています。そうすると、お互いの良さを感じられます。
大森:なるほど。
藤原:ダイレクトな接地感を感じたい時には、レーシングフラットと呼ばれる『リベレイト ニトロ』がいいですね。
大森:なるほど!
藤原:『ディヴィエイト ニトロ』はあくまでガイドを感じる『マグニファイ ニトロ』寄りのシューズ。一方、『リベレイト ニトロ』はアッパーがミニマルでソールの屈曲性も高いシューズ。自分の身体を使って、動きたいように動かせます。安定感は自分で保ち、地面との接地感を感じたり、身体が本来持っている機能を高める目的でショートインターバルなどに使うシューズですね。
大森:『リベレイト ニトロ』はインターバル用、『ディヴィエイト ニトロ』は強度が高くスピードのある距離走、『ディヴィエイト ニトロ エリート』はレース用という履きわけができますね。
藤原:『リベレイト ニトロ』のニトロ フォームは、プレートが搭載されていない分、柔らかさや接地感があって個人的に好きです。ただ、速く走れる助力があるわけではないので脚力次第ですね。
大森:自分の脚力で攻めていくシューズなんですね。
藤原:4足、全て持つというのは限界があると思うので、この中から2種類選ぶことをおすすめします。たとえば『ディヴィエイト ニトロ』と『リベレイト ニトロ』のセット、『ディヴィエイト ニトロ エリート』と『リベレイト ニトロ』のセット。『ディヴィエイト ニトロ』『マグニファイ ニトロ』のセットもありです!
大森:そうですね! このパターンを知っていると、特性に応じた履き分けができますね。
藤原:そうなんですよ! プーマのシューズを履いている方はなかなかいないので、興味のある方はぜひ履いてほしいですね。
大森:プーマに興味がある方も検討している方も、ぜひ参考にしてみてください!
機能性の高いランニングシューズが続々と登場するプーマ。この春、新たなランニングシューズの1つにプーマのシューズを選んでみてはいかがでしょうか。
シューズ詳細情報
ディヴィエイト ニトロ エリート
・価格:¥26,400(税込)
ディヴィエイト ニトロ
・価格:¥19,800(税込)
リベレイト ニトロ
・価格:¥13,200(税込)
マグニファイ ニトロ
・価格:¥17,600(税込)
藤原 岳久さん
F・Shokai 【藤原商会】代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト