ナイキ・アシックス・アディダス……東京2020オリンピックで選手が履いた厚底カーボンシューズは?
Aug 31, 2021 / SHOES
Sep 03, 2021 Updated
熱い戦いに幕を閉じた東京2020オリンピック。今回はオリンピックのロードレースでメダリストたちが履いていたレースシューズについて、ラントリップ お馴染みのシューズフィッティングアドバイザーの藤原岳久さんと解説します。藤原さんはブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わって20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出した、走るシューズアドバイザーです。
マラソン・トライアスロンで使用された厚底シューズ
今回紹介するシューズはいわゆる『厚底シューズ(25mm以上)』で陸上トラック種目では使用できないため、マラソン・競歩・トライアスロンの競技を中心に使用されました。競歩はシューズの種類が多いため、今回はトライアスロン・マラソンで選手たちが使用した厚底シューズを紹介します。
トライアスロン
東京2020オリンピックで陸上競技が始まる前に開催されたのが『トライアスロン』。スイム・バイクを終え、最終種目『ラン』で10kmを走る際に多くの選手が着用していたのがアシックスの『METASPEED Sky』でした。藤原さんも真っ赤なカラーが印象に残ったとのこと。
上位入賞選手のシューズを見てみると、優勝した選手は男女ともアシックス『METASPEED Sky』、2位の選手は男女ともニューバランス『FuelCell RC Elite v2』、男子3位はナイキ『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%2』、女子3位は361°『FLAME』を使用していました。
この結果に藤原さんは「なんでも試す選手が多いトライアスロン選手の特色が出た」と振り返ります。ブランドに拘らず、選手自身にフィットするシューズを選んでレースに臨んだ選手が多かったようです。
マラソン
マラソン上位入賞者の使用シューズは男子1〜3位がナイキ『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』、女子優勝選手がアディダス『ADIZERO ADIOS PRO 2』、2位が『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』、3位がプーマ『ディヴィエイト ニトロ エリート』という結果になりました。
藤原さんは「ヴェイパーフライが多い」という印象を受けたそうですが、男子の上位入賞者をはじめ引退レースだった大迫選手も『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2』を使用していて、『アルファフライ』を履いている選手があまりいませんでした。
さらに「厚底カーボンシューズでの“ブランドごとに大きな性能差がなくなってきている」と藤原さん。他にはホカ オネオネ『ROCKET X』やオン『Cloudboom Echo』などを履いていた選手もいたため、各ブランドから自分に合ったシューズを選べる環境に変化しつつあると言えそうです。
これからのマラソンシーズンに向けてシューズを新調される方は、今回の東京2020オリンピックのトップランナーの足元を支えたシューズを参考に広い視野を持ってシューズ選びをしてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したランニングシューズ
ナイキ|ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2
・価格:¥26,950(税込)
アシックス|METASPEED Sky
・価格:¥27,500(税込)
アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 2
・価格:¥26,000(税込)
ニューバランス|FuelCell RC Elite v2
・価格:¥28,600(税込)
プーマ|ディヴィエイト ニトロ エリート
・価格:¥26,400(税込)
・公式サイト
※今後販売予定
361°|FLAME
・価格:¥17,600(税込)
ホカ オネオネ|ROCKET X
・価格:¥24,200(税込)
オン|Cloudboom Echo
・価格:¥29,480(税込)
合わせて読みたい
藤原 岳久さん
F・Shokai 【藤原商会】代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト