覆面姿で世界3大砂漠&世界7大陸のマラソン完走‼︎ 「三州ツバ吉さん」の本業は!?
Oct 26, 2017 / MOTIVATION
Apr 26, 2019 Updated
マラソンは職業や年齢、性別など関係なく、誰もが楽しむことのできるスポーツ。しかし、筋骨隆々のプロレスラーが毎週のようにマラソン大会に出場していると聞いたら、皆さんはどんな感想を抱くでしょうか?
今回インタビューに応じてもらったのは、三州ツバ吉さん。藤波辰爾さんが主催する団体『DRADITION(ドラディション)』や、『地下プロレスEXIT』などのリングに上がるプロレスラーでありながら、覆面姿で世界3大砂漠&世界7大陸のマラソンを完走した〝銀座の鉄人〟です。10月上旬にはブラジルで行われた『アマゾンジャングルマラソン260㎞』に出場し、史上初となる同レース3年連続完走の偉業を達成しました。
なぜ彼はプロレスラーでありながら、真逆ともいえるマラソンに取り組み続けるのか――。そのルーツや、走り続ける秘訣を伺いました。
史上初の快挙! 『アマゾンジャングル260㎞』を3年連続完走!
「アマゾン」にちなみ、仮面ライダーアマゾンの仮装をしてレースに挑む三州ツバ吉さん
10月9日、世界でも類を見ないほどの過酷レース『アマゾンジャングルマラソン260㎞』がスタートしました。このレースは7日間のステージ制(260㎞)となっており、文字通りアマゾンのジャングルの中を駆け抜けていくウルトラマラソンです。
日本人は3名が出場し、その中には現役プロレスラーとして活躍する三州ツバ吉さんの名前も(本名のOkada Takashiでエントリー)。三州さんはプロレスラーとして戦いながら、2011年から14年にかけて『世界3大砂漠&世界7大陸のマラソン』を覆面姿で走破。このアマゾンのレースも15年から出場を続けており、大会史上初となる3年連続完走を目指して今回の出場を決めたそうです。
「元々13年前にジムで働いていた時のお客さんに教えてもらって、ずっと出たかった大会なんです。その間に砂漠レースなどにも出ましたが、ようやく2015年に出場が叶いました。走り終わった後はキツ過ぎて『2度とこんなレース出るか!』と思ったものですが、過去このレースに3回連続で完走した人はいないと聞いて、また次も出ようと思いましたね」
しかし、アマゾンのジャングルは危険がたくさん。コース上には毒を持つ虫や凶暴な野生動物も多く見られ、命の危険も隣りあわせだったようです。
「ジャングルの中を走るので、道に迷うことはしょっちゅうありました。目印を参考に進むのですが、たまに見失うことがあるんです。しかも道中はタランチュラやジャガー、川にはピラニアやワニなど、怖い生物がたくさん。自分はハチに2回刺されました。コースはアップダウンがかなりあって、トレイル的な要素にジャングル特有の暑さと湿気、沼地で常に足元が濡れているという条件の中で走り切らなければいけません」
三州さん(左)を含む日本人3名は無事に全員完走。「Never give up賞」を受賞した
出場34人中8人が途中リタイヤする中、三州さんは合計99時間以上をかけて見事フィニッシュ!(26位)。「仮面ライダー アマゾン」の仮装で走り切り、大会史に残る〝偉業〟を達成しました。
「今までいろんなレースに出場しましたが、ジャングルマラソンが1番キツくて、激しいレースだと思います。やはりゴールした後の達成感は格別ですね!」
アマチュア格闘家からプロレスラー、世界3大砂漠&7大陸制覇までの道のり
高校で柔道を始めたのを皮切りに、大学では空手、総合格闘技、キックボクシングなど、さまざまな格闘技経験を持つ三州さん。26歳の時に、現在も続けるスポーツインストラクターの仕事を始めましたが、その後もアマチュア格闘技の試合に出場し続けてきました。
そして2007年。36歳にして「三州ツバ吉」のリングネームで念願のプロレスデビューを果たします。
(※リングネームの由来は、三州さんの実家である『三州屋 銀座店』と、自身がファンを公言する『ヤクルトスワローズ』(スワロー → ツバメ)から)
今年でプロレスラー生活10周年を迎える三州さんですが、その一方で世界中のマラソン大会に出場する〝ランナー〟としての顔も持ち併せています。きっかけは学生時代に出た『青梅マラソン』。当時から年に1回はレースに出場しているようで、格闘技と平行して走り続けていたそうです。
そして2011年には、知り合いのランナーによるFacebookの投稿に刺激され、エジプトで行われる砂漠レース『サハラレース2011』に出場。以降、『ゴビ砂漠マラソン2012』『アタカマ砂漠レース2013』『メルボルンマラソン2014』……と、毎年のように世界各地のレースを転戦していきました。
2012年には2度目の『サハラレース』にスパイダーマンの仮装をして挑む。左から2人目は同じレースに出場していた芸人のワッキーさん(ペナルティ)
「サハラレースに出たメンバーが、毎月いろんなレースに出ているとFacebookで投稿していたので、『俺も出なくちゃいけないのかな』と、刺激されました。それをきっかけに毎月、毎週レースに出るようになって、その過程で砂漠レースに興味を持つようになったんです。
その時点では世界中を回ろうとは考えていなかったのですが、サハラに出たら次はゴビ砂漠に出てみようと考え、いざ2つ完走すると今度は『南極マラソン(2014年)』の出場資格が得られるんです。でも2013年のアタカマ砂漠にも出てみたかったので、『じゃあ、南極に出る前に七大陸のマラソン全部走ってみよう!』と決心したわけです」
そして、ついには2014年『南極マラソン』を見事完走。これで世界3大砂漠&7大陸のマラソンを完全制覇したわけですが、その翌年からアマゾンジャングルマラソンに出場するなど、彼の飽くなき探究心はまだ満たされていないようです。
プロレスラーとマラソンを両立する理由とは
サハラ砂漠、ゴビ砂漠、南極、そしてアマゾンジャングル。数々の過酷レースを走破してきた三州さんですが、一体なぜプロレスラーでありながら、ここまでランニングを追求するのでしょうか。その理由を伺いました。
「第2回東京マラソン(2008年)に当選したんですけど、ちょうどその日にプロレスの試合が入ってしまったんです。しかも結構有名な方とシングルマッチをすることになって、『走りたいけど試合も出たい……!』という葛藤がありました。どっちもキャンセルしたくなかったので、結局2つとも出たんですよ。午前中に走って、夜に試合。試合はコテンパンに負けたのですが(笑)、周りが『走ってプロレスやるなんて変態だ!』ってすごく喜んでくれて。だったらもっといろんな大会に出ながらプロレスをやってみようかな、と思ったんです!」
2012年には『ゴビ砂漠マラソン(250㎞)』に挑み、60時間26分15秒で完走。
ちなみに三州さんは「走る練習が嫌い」という理由で、普段はランニングをまったく行わない変わった一面を持っています(※インストラクターとして働いているジムでたまに走ることはあるそう)。フルマラソン以上の距離を走るとなると20㎞、30㎞とトレーニングを積んでいくのが一般的ですが、なぜ普段走らないのに何回もウルトラマラソンを完走できるのか。ここにもプロレスラーならではの乗り越え方があるようです。
「もちろん走り続けると脚が痛くなることがありますが、痛みでいったらプロレスの方がよっぽど痛いですよ(笑)。マラソンを完走するには精神力が必要ですが、そこはプロレスを通じて養っています。あと僕は普段筋トレをしているので、そのおかげで乗り越えられるという要素は少なからずあると思います。特に長時間ゆっくり走るマラソンには、スクワット系の運動と体幹を鍛えるトレーニングが効果的です。逆に、これを怠るとケガにつながってしまいます。今までの経験上、僕はこのスタイルで何度も過酷なマラソンを乗り越えてきました」
プロレスで培った肉体をマラソンに生かしている三州さん(右)。双方を両立するため、体重は80㎏をキープしているとか
さらに「走る練習は嫌いだけど、大会に出ることは好き」ということで、三州さんは年に何十本もレースに出場。〝マラソン出場〟と、レスラーとしての〝筋力トレーニング〟で、普段のラントレーニングを補っているそうです。
今後の目標は「北極マラソン」
現役プロレスラーでありながら、過酷なレースに出場を続ける三州さん。最後に、今後の目標を伺いました。
「やはり7大陸制覇の次の目標としては、『北極マラソン』に挑戦したい気持ちがあります。あとジャングルマラソンは今後も出続けたいと思っているのですが、今回の大会は今年で終了するみたいなので、別のペルーの大会(6月開催)など、毎年1回は出続けていきたいですね」
なお、今後は10月末から来年2月の東京マラソンまでの短期間で、9レース(ハーフ、フル、24時間)もの出場を予定。
「アマゾンで通算190レース目だったんです。来年の東京マラソンを200レース目にしたいので、そこまで走り続けていきますよ!」
三州ツバ吉の〝鉄人ぶり〟は、46歳になっても衰えを知らないようです。
プロフィール
三州ツバ吉
1971年1月26日生まれ、東京都中央区銀座出身。177㎝、80㎏。
プロレスラーとして活動しながら、国内外の過酷なウルトラマラソン大会に多数出場している〝銀座の鉄人〟。そのほか、フィットネスジムでボクササイズ、ピラティス、パワーヨガなどのインストラクターも務める。2011年から2014年にかけて『世界3大砂漠&世界7大陸のマラソン』を覆面姿で走破した実績を持つ。
【公式ブログ】http://ameblo.jp/tsubakichisanshu