スペインからレポート!バスク語を守るためのエキシビションレース

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こんにちは。ライターの廣瀬花です。
今回はスペインのバスク地方で行われた、エキシビションレースをレポートします。速さを競うレースとは違う、地元の人の思いを繋ぐレースです。

スペインのバスク地方ってどこ?

バスクと聞いてもあまり馴染みのない人が多いかも知れません。私も実際に住むまではバスクがどこの地方を指すのかなどまったく知りませんでした。スペインといえば知っていたのはバルセロナやマドリードくらい。

バスク地方とはスペインとフランスの北部にまたがる地方を指します。バスク地方には昔からバスク人が住んでいて、バスク語という独特の言葉が使用されていました。スペイン語とは全く異なる発音のため習得するのがかなり難しいと言われています。

文法は日本語と同じ語順だったりと似ているそうなのですが、未だに覚えたのは「カイショウ(こんにちは)」や「アグール!(さようなら)」のような挨拶くらいです。スペイン語を覚えたら、バスク語にもチャレンジしようかなと思います。

スペインのバスク地方はピレネー山脈などに囲まれた地形から、長年の間スペイン人から侵略を受けずにいました。そのため今でも独特の文化が残っているのです。

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食文化やスポーツがとても盛んなのもバスクの特徴です。美味しいピンチョスとワインは、バスクを訪れた際にはぜひ食べて頂きたいです。

バスク語を守りたい!バスク人たちの思いを繋ぐレース

スペインのバスク地方ではスペイン語の他に、今でもバスク語が使用されています。私が現在住んでいるビルバオでも街の標識にバスク語が使用されていたりと、スペインに居ながら他の国に旅行に来ているかの様です。

現在このバスク語は限られた地域でのみ使用されているのが現状で、将来使用されなくなってしまうのではないかと懸念されています。バスク地方ではバスク語も含め、昔からのバスクの伝統文化を守ろうという動きが近年、特に若い人たちを中心に高まりを見せています。

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その活動のひとつが、バスク語を守るための寄付金を募るために開催されるエキシビションレースです。バスク語の普及を目的に行われたレース「Korrika」は2,557kmもの距離を10日ほどかけて走ります。2年に1度、春に行われるこのレースは、今年で20回目を迎えました。

このレースを企画しているのはAEKというバスク語のランゲージスクールです。大人や子供にバスク語を教えることを中心に、バスク語の普及にも取り組んでいます。Korrikaはイベント的な要素が強いので、全行程を走るという人はいないと思いますが、各村や街で地元の人がレースに加わり一部の工程を一緒に走ります。

自分の住んでいる街にKorrikaが来たら一緒に走るという感じです。ランナーたちの先頭を走る人(通常はその街の著名人だそう)はバスクを象徴する花をかたどったバトンを持っていて、次の街へ来たら次のランナーへとそのバトンを受け渡します。オリンピックの聖火のようですね。

ビルバオで私もKorrikaに参加!

私もせっかくなので今回ビルバオにやって来たKorrikaにちょっとだけ参加してみました。ビルバオの市内にKorrikaが到着したのは午後5時頃。私はルートの一部である橋のそばでランナーたちが来るのを待っていました。

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予定では8時半頃に来るはずだったのですが、なかなかランナーたちは現れません。それでも橋の周りにはだんだんと人が増えて来て小さい子供たちもKorrikaのゼッケンを付けてランナーの到着を待っていました。

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ゼッケンは一着5ユーロ、日本円だと590円ほどと少し高めですがこれらの売り上げは寄付に繋がるのでたくさんの人が買っていました。9時を回った頃に警察の白バイが誘導しながらランナーたちが登場!

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ランというよりはパレードのような感じもしましたが、スピードは結構速かったです。

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プレートやバスク地方のシンボルである旗を手に持った人、子供から大人まで大勢の人が参加していました。バスク語の掛け声に合わせてさらに多くの人が歩道からもランに加わります。

ランで思いを伝える

私は今までランというとマラソンのような競技しかイメージがなかったのですが、今回Korrikaを実際に見てみて違うかたちのランもあるのだと新しい発見をすることが出来ました。

人と競ったり自己ベストを目指して走るのもとてもやりがいがあり楽しいですが、Korrikaのように思いを伝えるかたちのレースも面白いなと思いました。

また、ただのパレードではなくランニングレースにするというところがなんともスポーツ好きのバスク人らしい発想だなと思いました。

もちろん社会には色々な思いを持った人がいるのでこの活動をバスクの独立運動と捉えて見る人もいるかもしれません。でも、人はみんな思いを自由に伝えることが出来ます。そしてその方法は本当に様々です。

この記事を読んで、こんな思いの伝え方もあるのだなと思って頂けたら嬉しいです。

 


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