夏のランニングを快適に!暑さ対策と安全に走るポイント
Jun 12, 2026 / MOTIVATION
Jun 12, 2026 Updated

気候の変化とともに暑さが過酷になり、高温多湿となっている日本の夏。早朝や夜でも30℃を下回らない日もあり、屋外を走るランナーにとっては熱中症のリスクを伴う厳しい時期と言えるでしょう。
一方で、高温下の運動について注意すべきことを正しく理解すれば、安全にランニングを楽しめます。この記事では、夏のランニングが体に与える影響、快適にランニングをする方法や工夫について解説します。
目次
夏のランニングによる体への影響

高温下のランニングは苦しい、つらいと感じる瞬間が多いのではないでしょうか。暑い季節のトレーニングについてまとめられた書籍『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング』(扶桑社)によると、マラソンの記録と気温の関係として、気温が高くなるほどタイムが遅くなる傾向があると言います。
暑さの中での運動はなぜ苦しいと感じ、パフォーマンスの低下につながるのでしょうか。
体温が上がりやすくなる
ランニングは長時間にわたって筋肉を動かすことで、安静時の10〜15倍に及ぶ量の熱が産生されます。気温が高い環境では運動で発生した熱が体外に逃げにくく、湿度が高いと汗が蒸発しにくいため、体温が上がりやすい状態が続きます。
電解質が失われる
汗を大量にかくことで一緒にナトリウムなどのミネラルも流れ出し、脱水につながります。水だけを補給していると体内の電解質バランスが崩れ、パフォーマンス低下や足の攣りにつながります。
心拍数が上がる
汗をかいて体内の水分が減ると、心臓が1回で全身に送り出す血液量が低下します。運動を継続するために筋肉に必要な血液量を確保しなければいけないので、心拍数が増加します。そのため、同じペースで走っても涼しい時期より心拍数は明らかに高くなります。
酸素が筋肉に届きにくくなる
筋肉への血液量低下により、筋肉での酸素利用効率が落ちます。その結果、長時間の運動で疲れやすくなり、ペースやタイムが遅くなるというパフォーマンスへの影響が生じます。
また、体温が過度に上昇することによって、体内の水分や塩分バランスが崩れたり、体温調節機能が上手に働かなくなったりして熱中症につながるリスクを伴います。
夏のランニングを快適にするために

暑いシーズンのランニングはなるべく安全に走れるよう対策し、無理せず継続することを意識しましょう。また、日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」によれば、気温35℃、WBGT(暑さ指数)が31℃を超える環境下では原則運動を中止すべきとされています。
快適に走るための方法、ポイントをいくつか紹介します。
①早朝や夜の涼しい時間に走る
日差しが強くなる昼間は高温になり、熱中症のリスクが高くなります。また、湿度が高い環境では汗をかいても蒸発せず、熱が逃げにくくなり体温の調節機能が上手に働かなくなります。
これらのリスクを避けるためには、早朝や夜の涼しい時間帯に走ることが大切です。
②走るペースを落とす
先に述べた通り、夏はペースが遅いランニングでも体の負担は大きくなります。ペースを守ることではなく、心拍数や体感のつらさを目安にして走りましょう。また、速いペースで走るトレーニングでも1回あたりの走る時間や距離を短くして体への負担を軽くするようにするといいでしょう。
③積極的に水分補給する
汗をかくことで体内から水分や塩分が失われていくため、水分を積極的に摂りましょう。
また、高温下における長時間のランニングは、水だけの補給では電解質が薄まり、足の攣りやパフォーマンスの低下を招いてしまいます。スポーツドリンク、経口補水液、塩分タブレットを組み合わせて摂取しましょう。
給水ポイントのないコースでは、ソフトフラスク・ランニングバッグ・ランニングベストなどを使ってドリンクを持ち歩くことをおすすめします。
体への影響を考慮してトレーニングに取り組む

夏のランニングは、体への負担が大きくペースダウンは避けられないもの。しかし、マラソンシーズンに向けてトレーニングを重ねているランナーはなるべく鍛えたい時期でもあります。
高温下のトレーニング効果や目的について正しく理解して、夏のシーズンを過ごしていきましょう。
①有酸素能力を維持する
ペースが落ちても、適切な努力で走り続けることで心肺機能の維持・向上につながります。大切なのはペースではなく、体にかかっている「負荷の質」。心拍数や体感のつらさを目安に、無理せず走りましょう。
②暑熱順化を進める
暑い環境で継続的にトレーニングすることで、体は少しずつ暑さに適応していきます。暑さに体が慣れることで、同じ暑さでも体への負担が小さくなっていく。これを暑熱順化と呼びます。詳しいメカニズムと方法については後述します。
③継続性を意識する
夏に無理をしてけがや過度の疲労で走れなくなることは避けたいもの。秋の走りやすいシーズンに向けて、継続することを意識しましょう。
暑熱順化とは
「暑熱順化」は、暑い環境で繰り返しトレーニングすることで、体が暑さに順応していくことを指します。具体的には、汗をたくさんかくようになったり、血液の量が増加したりすることなどにより、体温が上昇しにくい状態に変化していきます。また、汗の中に含まれる塩分の量も減少するため、体内から失われる塩分量を抑えられます。
一般的に効果が現れ始めるのは約1〜2週間とされています。さらに、継続することで暑さに慣れるだけでなく、涼しいシーズンになってからパフォーマンスを発揮することにもつながるとされています。
夏でもできるトレーニングの工夫
夏のトレーニングにおける目的や暑熱順化について理解したところで、暑い時期に取り組んでほしいトレーニングの工夫についてご紹介します。
走る距離やペースを調整する
長時間暑さにさらされるリスクを下げるため、いつもよりも短い時間や距離のトレーニングを意識しましょう。
たとえば、400mを8〜10本といったショートインターバル、速いペースとゆっくりとしたペースを繰り返すファルトレクなどの短時間でも効果の得られるトレーニングがおすすめです。高温下は心拍数が上がりやすいため、いつものペースより落ちていても十分トレーニング効果を得られるでしょう。
ロング走は距離・ペースを落として慎重に
夏のロング走は疲労の蓄積が大きく、回復にも時間がかかります。ここまで解説してきたように、ペースを大幅に落とす、距離を短縮する、途中でしっかり給水・冷却休憩を挟む、といった対策が必須です。
ギア・アイテム選びで夏のランニングを快適にする
暑い時期のランニングは、体への負担が大きいからこそ身につけるランニングギアやアイテムを工夫することで少しでも快適にできます。
ランニングシューズ

夏は足がむくみやすく、汗をかくことによってシューズ内が蒸れてしまいます。そのため、通気性が高く適度な余裕のあるフィット感を備えたランニングシューズを選びましょう。
また、ショートインターバルやファルトレクなどの速いペースのトレーニングには、軽量でスピードを出しやすいランニングシューズを選ぶといいでしょう。
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ランニングウェア

ランニングの快適性に影響の大きいランニングウェア。トップス、ボトムスともに通気性や速乾性に優れ、汗をかいてもべたつかない素材を選びましょう。また、ランニングウェアのなかには、UVカット機能を備えたものも多く、疲労の原因になる紫外線を防ぐことができます。
帽子・サングラス

キャップは頭部への直射日光を遮り、体感温度を下げます。また、ツバが広いキャップは紫外線対策にもつながります。メッシュ素材で通気性のあるものをおすすめします。
サングラスも目の疲労・ストレス軽減と紫外線対策に有効なアクセサリーです。
クーリングアイテム

ネッククーラー・クーリングタオル・アームカバーなど、走りながら体を冷やすアイテムも積極的に活用しましょう。ランニング中に頭や首に水をかけるだけでも体温上昇を抑える効果があります。
暑さ対策で夏のランニングを快適に

夏のランニングは、熱中症のリスクもあるため無理をせず対策することが重要。暑熱順化が進めば、暑さに体が慣れて自然にパフォーマンスも変化していきます。無理せず、継続できるペースで走りましょう。
また、快適に走るためのアイテムを活用しながら、夏のランニングを楽しんでいきましょう。
【参考文献】
・日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック第6版』(2025年)
・中村大輔『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング』(扶桑社、2022年)
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