【ランナー必見】マラソンの三大デメリットは“走ることで◯◯が低下”!?デメリットを解消する栄養素とは?

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(左から)長谷川朋加さん、桑原弘樹さん

4月13日(土)に東京都内で開催されたセミナー『マラソンランナー必見!エネルギーを生み出す裏技とは?「身体の仕組みを学ぼう!」』。本セミナーではプロ野球・阪神タイガースのコンディショニングアドバイザーを務め、ランニングメディアでの連載など多数の実績を持つ桑原弘樹さんが登壇。司会進行役は日本一走るアナウンサーとして知られる長谷川朋加さんが務めました。

セミナーの中でキーワードとして存在する栄養素『還元型コエンザイムQ10』。桑原さんはフルマラソンに挑戦するランナーのコンディショニングに必要な栄養素であると言います。

前回の記事では、パフォーマンスを高めるために競技特性の負の部分をカバーすることが必要という内容を桑原さんよりお話いただきました。その続きとなる本稿では、負の部分をカバーするための栄養素についてお届けします。

■前回の記事

パフォーマンスを下げてしまう3つの要素とは?

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桑原:どんなトップランナーも最初は素人です。素人のときは経験者から「たくさん走ろう」とか「たくさん練習しよう」、はたまた「体重が痩せたからタイムが伸びたね」と言われることが多いでしょう。

ただ競技を継続するなかでパフォーマンスや記録が伸びなくなってしまったら、競技に必要な特性を伸ばすだけでなく、競技特性が生み出す負の部分をカバーすることも大切だと思います。たくさん走って体重を減らすことは基本的にランナーには良いことです。しかし、あまりにも体重を減らし過ぎてしまうと競技に支障が出てしまいます。

ケニアやエチオピアの選手など、トップクラスの成績を収めているランナーは、日本人のトップランナーよりもBMI(身長と体重の割合を定量的に示した指標)が高い傾向にあります。つまり体重が軽ければいいというわけではなく、もしも今みなさんの体重が適正な範囲であるならば、そこから体重をさらに下げるとことはパフォーマンスを高める上でむしろマイナスとなってしまうのです。

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桑原:『過度なトレーニング』と『適正体重を下回る減量』の掛け算で生まれる負の部分。その1つ目はエネルギー不足です。これが不調に悩む多くのランナーが陥る課題だと思います。

2つ目は活性酸素の蓄積です。活性酸素とは運動の過程などで発生してしまう物質であり、過剰な活性酸素は細胞傷害を引き起こしてしまいます。長時間のランニングは他の競技と比べ運動中に発生する活性酸素の量が圧倒的に多いです。活性酸素をケアするための手段としてサプリメントなどで栄養を摂取する方法があります。ただ活性酸素が発生しても身体は痛くもかゆくもないので、多くのランナーは活性酸素に関するケアを後回しにしてしまうのです。

3つ目は免疫機能の低下です。長時間のランニングは免疫機能の低下を引き起こしやすく、風邪などの体調不良にもなりやすくなってしまいます。

そんななか『グルタミン』というアミノ酸は免疫機能を高める効果が期待されています。面白い実験として、マラソンランナーを150人ほど集め、半分の集団にグルタミンを摂取させ、もう半分の集団には摂取させず、一定期間2つの集団を観察した実験がありました。

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桑原:その実験は冬に行ったこともあり、実験開始から2週間が経つとどちらの集団でも風邪を引くランナーが表れました。ただグルタミンを摂取していた集団の方が、摂取していなかった集団よりも風邪を引いたランナーが少ないという結果が出たのです。ランナーは風邪を引きやすい境遇にありますが、免疫機能へのケアを行わないとせっかく積み上げてきたトレーニング成果を無駄にしてしまいやすいのです。

いかにエネルギー不足を補うか、いかに活性酸素のケアをするか、いかに免疫機能を回復させるかーー。この3つの負の部分に適切なアプローチをすることで、今までと同じトレーニングをしていてもパフォーマンスは向上すると思います。フルマラソンであれば、およそ1分は変わってくるかもしれません。

20歳から「老化」は始まっている

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桑原:具体的に3つの負の部分をどうやってアプローチするか。とくに重要となってくるエネルギー不足についてですが、そもそも人間は活動しているときだけでなく、寝ていてもエネルギーをどんどん使います。そのためエネルギーを生み出すために1日で非常に多くのATPを使ってしまうのです。それに加えて走るという行為をすれば、普段の生活で消費するよりもATPを大量に使用します。

そのため走った分だけエネルギーをつくる能力を高める必要があります。これはランナーだけじゃなくトライアスロンやロードバイクのアスリートにも言えることです。

食事を整える、糖質をしっかりと摂る、グリコーゲンのリカバリーをする、ビタミン・ミネラルをしっかり摂るーー。エネルギーをつくる能力を高めるためには、何1つ欠けることなく、すべてが大切です。

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桑原:さらに大切なのは水の摂取です。私たちの身体は60%が水でできており、筋肉は80%が水分でできています。そのため水が足りなかったら栄養がどんなに整っていても、化学反応はピタッと止まってしまいます。

そんななか栄養や水を全てそろえても身体の化学反応でなかなか手に入らないものこそ『還元型コエンザイムQ10』です。コエンザイムQ10は電子伝達系においてエネルギーを作るための大事な役割を担っています。

もちろんコエンザイムQ10だけでエネルギー、ATPを作るわけではなく、他の栄養素も必要です。ただコエンザイムQ10が足りないと、ATPをつくる効率が落ちてしまいます。

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桑原:私たちの身体には『SOD』という活性酸素を取り除く酵素があります。そのため活性酸素が出ても私たちは元気なまま過ごすことができます。ただSODは20歳くらいから減少してしまうため、SODを切り口とするならば、20歳から老化は始まっているとも言えるのです。

縄文・弥生時代では平均寿命は40歳ほどでした。数百年前でさえ平均寿命は50歳ぐらいです。そんななか、さまざまな技術の進歩によって多くの人は80歳以上生きられるようになりましたよね。

つまり元気に過ごすためには、人間本来の寿命からどうやって抗うかという視点が必要です。前述したようにコエンザイムQ10は20歳くらいから身体での生産量が減少しはじめてしまいます。

1日分の「還元型コエンザイムQ10」はイワシ20匹分!?

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桑原:コエンザイムQ10がないと生きるために必要なATPが作られません。ちなみにコエンザイムQ10には還元型と酸化型の2種類がありますが、身体の中では還元型に変えられて存在しています。

身体の中には酵素やホルモンなど多くの物質がありますが、これらの多くは30歳代半ばから減少し始めます。20歳くらいから減少をはじめるのは還元型コエンザイムQ10とSODくらいです。

私たちが「疲れた」と口にするようになるのは、40歳代や50歳代の人よりも30歳代からの人が多いそうです。30歳代というのは年齢としては働き盛りなときですが、実は体の中では様々なものが急激に激減し始めています。そのため体力も急激に落ちてしまい頭でイメージしている状態とのギャップもあって「疲れた」と口にしてしまうのでしょう。

ただ例外としてSODと還元型コエンザイムQ10は20歳くらいから減少し始めてしまいます。子どもの頃はシミなんてなかったのに、20歳を過ぎてから急にシミができてしまうこともSODが減ってしまうためです。

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桑原:還元型コエンザイムQ10にはもう1つの特徴があります。それは食事から摂取しにくいという点です。食材にあまり含まれていないため、普段の食事から摂取することがむずかしいのです。そのなかで還元型コエンザイムQ10が多く含まれている食材がイワシです。

ただ還元型コエンザイムQ10は1日に100mg摂ることが推奨されているのですが、これは豊富に含まれているイワシで換算しても20匹ほどとなってしまいます。毎日イワシを20匹食べることは非常に困難なことでしょう。そんななかサプリメントを用いれば1粒で推奨量である100mgを摂取できます。もちろんサプリメントだけに頼ってしまうことは良くありませんが、効率よく摂取することができるのはサプリメントの利点です。

ちなみに2001年までコエンザイムQ10のサプリメントは心臓病の薬として用いられていました。そのため健康な人はコエンザイムQ10に手を出せなかったのです。しかし今では薬ではなくサプリメントとしてコエンザイムQ10を摂取することができるので、私たちはラッキーな時代に生きているとも言えるでしょう。

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桑原さんの解説により、エネルギー不足を解消するための方法や還元型コエンザイムQ10の詳細について学んだ今回。次回は還元型コエンザイムQ10の活用方法について、桑原さんの解説をお届けします。

還元型コエンザイムQ10について

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ランナーに必要なのはエネルギー産生力。エネルギー産生に不可欠な『還元型コエンザイムQ10』についてはカネカ健康カガク・ラボで学ぶことができます。

カネカ健康カガク・ラボ

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