【2024年2月】注目トレランシューズ4選!トレラン専門店Trippers・朝長拓也さん一押しのシューズとは
Feb 29, 2024 / SHOES
Feb 29, 2024 Updated
多くのトレイルランニング(以下、トレラン)の大会が開催されるであろう2024年。今年はどのシューズで山道を駆け抜けようかと悩んでいる人も多いはず。
こちらの記事では、トレイルランニング専門店『Trippers(トリッパーズ)』店長で、ご自身もトレイルランレースを走る朝長拓也さんが2024年2月の今注目しているシューズをお届けします。
2024年大注目のブランド・NNORMAL(ノーマル)
岡田:今回は2024年冬、朝長さんが注目しているトレランシューズを4足ご紹介します。1足目、2足目としてご紹介するのはラントリップではじめて紹介するブランド・NNORMAL(ノーマル)の『Kjerag』と『Tomir』です。
朝長:ノーマルは世界的なトレイルランナーであるキリアン・ジョルネ選手が立ち上げたブランドです。どんなランナーでも履けるシューズから、レベルの高いアスリート向けのモデルまで、幅広い商品が展開されていますね。
2足に共通した魅力として軽量性、そしてミッドソールの耐久性が挙げられます。なんとアウトソールが消耗したら新品のものに張り替えることができるのです。
岡田:一部の登山靴や革靴のように消耗したアウトソールを張り替えて使用できる点は、今までのトレランシューズにはなかった特徴ですね。
朝長:消耗したシューズを買い換えるのではなく、気に入った1足をメンテナンスしながら長く履き続けるという考え方は非常に新しいと思います。また継続して使用できるようミッドソールやアッパーの耐久性は非常に高くなっていますね。
岡田:そんなノーマルのシューズとして、まず『Kjerag』の特徴は?
朝長:アウトソールにVIBRAM®『Litebase』を使用しており、片足の重量が200gほどしかありません。軽量でありつつ、ミッドソールはある程度の厚さがあるためクッション性も高いといった点が魅力の1足です。
とくに面白い点がかかと部分のアウトソールですね。前足部、中側部と比べ非常に厚みがあります。アウトソールを張り替えながら継続して使用できるよう、とくに消耗しやすいかかと部分のミッドソールを保護するために厚くなっています。
岡田:クッション性や耐久性を保つためにソールが厚くなっていますが、それでも200gほどしか重量がないことは驚きですね。
朝長:軽量性に優れているためこのシューズで100マイルのレースを走るトップアスリートもいます。もちろんビギナーの方のショートレース、ミドルレース用としてもぴったりのシューズだと思いますね。
またインソールがない点も特徴的です。ランニング時の接地感を高めるために、大胆にもインソールを搭載しないというつくりになっています。価格は税込35,200円です。
岡田:まさにトップアスリートとして走り続けるキリアン・ジョルネの想いが詰まった1足ですね。もう1足のシューズ『Tomir』はどうでしょう?
朝長:クッションのボリュームがある厚底のシューズです。ラグ(アウトソールの突起)の深さが5mmとなっておりグリップ性が非常に高くなっています。
岡田:分厚いシューズですが、意外にも持ってみると軽いですね。
朝長:ゴツゴツとした見た目をしていますが片足240gほどとなっています。こちらも非常に軽量な1足ですね。
またミッドソールとアッパーがシューズを取り囲むように1周ぐるっと縫われており、革靴のような丈夫なつくりとなっています。トレランではいたるところからシューズの“剥がれ”が起き易いですが、このシューズはとくに耐久性の高い1足だと言えるでしょう。
岡田:耐久性、クッション性も高いのに、軽量でもある……非常に優秀なシューズですね。
朝長:Kjeragよりもグリップ性やクッション性の高いTomirの方が、長い距離のレースでは履きやすいと思います。価格は税込27,500円です。
LA SPORTIVAやALTRAにも注目
岡田:3足目としてご紹介するのはLA SPORTIVA(スポルティバ)『Prodigio』です。スポルティバはトレランシューズ界の中でも昔から支持されてきたブランドですね。
朝長:登山靴も手がけているブランドなので、これまで頑丈なトレランシューズを多く発売してきました。ただProdigioは非常に軽量であり、ミッドソールも柔らかいものをつかっています。いい意味でこれまでのスポルティバらしくないシューズと言えるでしょう。
ただ、これまで通りグリップ性は高く、とくにつま先部分のアッパーが硬くなっているので耐久性も非常に良いです。スポルティバらしさを残しつつ、よりスポーティーに生まれ変わったシューズですね。長距離レース用のシューズを探している人は、ぜひ候補に入れていただきたい1足です。
岡田:履き口を触ってみると、かかと周りのクッションがすごく厚いですね。これだけ履き口のクッションがしっかりしているとフィット感も非常に良さそうです。
朝長:実際に履いてみましたが走った際のフィーリングは非常に良かったですね。クッション性やスピードの出しやすさなど、バランスの取れた1足だと思います。価格は税込25,300円です。
岡田:最後にご紹介するのはALTRA(アルトラ)『Timp 5』です。
朝長:ついにシリーズ5代目に突入しました。初代から人気のあったモデルですが、こちらも非常に軽量な1足になっています。アルトラといえばグリップ性に優れた『OLYMPUS』や『LONE PEAK』が有名ですが、Timpは軽量で気持ちよく走れるシリーズです。
ただ今作からアウトソールにVibram®️『Megagrip™️』が搭載され、グリップ性も向上しました。クッション性は厚みのあるOLYMPUSと軽量なLONE PEAKの中間に位置しています。
朝長:これまでOLYMPUSやLONE PEAKの中間に位置するシューズとして『MONT BLANC』があったかと思います。しかし、このシューズはトップアスリート向けのモデルであり、市民ランナーの好みが分かれるシューズでもありました。その点Timp 5はバランスに優れており、多くのランナーにとって履きやすいシューズだと思いますね。
またTimp 5はアルトラのシューズの中でもアッパーの形状が小さめになっています。程よくフィット感があるアルトラのシューズを履きたい、といった方にはおすすめの1足ですね。価格は税込22,000円となっており、今回ご紹介したトレランシューズの中では安価な点も魅力的です。
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朝長さんが注目する4足のトレランシューズ。これまでトレランを親しんできたランナーも、これからトレランを始めたいランナーも、今回ご紹介したシューズが春のトレランシーズンをより楽しむための一足となるでしょう。
詳細情報
NNORMAL|Kjerag
・価格:¥35,200(税込)
NNORMAL|Tomir
・価格:¥27,500(税込)
LA SPORTIVA|Prodigio
・価格:¥25,300(税込)
ALTRA|Timp 5
・価格:¥22,000(税込)
・発売日:3月2日(土)
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朝長 拓也さん
トレイルランニング専門店 Trippers 代表/ JAFTスポーツシューフィッター
2012年にトレイルランニングに目覚め、2017年にTrippersを立ち上げる。
※前職はアパレル企業で服の型紙を作るパタンナー
2018年トレニックワールド彩の国100mile 完走
2020年 KOUMI100 完走