【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

秋になり、過ごしやすい気候が続く今日この頃。身体を動かしやすい気温になり、これまでより長い距離を走るようになったというランナーも多いのではないでしょうか。

そんな日々走り続けるランナーの皆さんのなかには、新しいランニングシューズを探している方もいるはず。定番ブランドのシューズだけでなく、新たなラインナップをこの機会に取り入れてみませんか?

こちらの記事では、トレイルランナーからも支持されるALTRA(アルトラ)の入門シューズとしておすすめな『TORIN 7』(トーリン 7)をご紹介します。今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。

藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

0mmドロップの珍しいデイリートレーナー

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像
(左から)ラントリップ・大森、シューズアドバイザー・藤原さん

大森:今回はALTRA『TORIN 7』をレビューします。あまり馴染みがない方も多いと思いますが、藤原さんがぜひ紹介したいと語る一足。藤原さん、解説をお願いします!

藤原:ALTRAは2000年代から始まったブランドです。TORINシリーズのアップデートは非常にユニークで、1代ごとに0.5刻みで品番が積み重ねられてきました。そんなこともありTORIN 7は1桁のナンバリングながら、10代以上続いてきたALTRAの中心となるシリーズの最新作です。

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

大森:ALTRAの中心となるシリーズということで、他ブランドのシューズだとどのようなモデルが当てはまりますか。

藤原:たとえば、ASICSならGT-2000シリーズ、NIKEでいうとペガサスシリーズのような定番モデルですね。一方で、ALTRAはベアフットランニングのカルチャーから生まれたブランドなので独自の特徴があるんですよ。その代名詞ともいえるのが、ドロップ(シューズ前後の高低差)が0mmとなっている『ゼロドロップ』です。そのためトレイルランナーや通好みな方が選ぶシューズという印象でした。

大森:たしかにALTRAを履いているランナーは“通”だなという感じがありました。

藤原:そうですよね。機能性だけではなくデザインも特徴的で、公式サイトを見ていただくとシューズのカラーリングも彩り豊かで非常におしゃれなんです。これまでは通好みのブランドという印象でしたが、アップデートを重ねて多くのランナーにフィットするシューズへと変わってきた印象を受けます。そして、今回レビューしていく『TORIN』シリーズの特徴に入っていきますが、このシリーズはまさにデイリートレーナーとして多くのランナーにフィットする一足。かかともしっかりとつくられています。

大森:シューズの形状を見ると、低ドロップで船底状ではないデイリートレーナーは珍しいですね。

藤原:アメリカの公式サイトでは、この新作がALTRAファンから酷評のコメントが多く入ったそうです。先ほど言ったように、ALTRAのシューズは通好みなブランドとしてシューズを作ってきたので、TORIN 7が多くのランナーに受け入れられるオーソドックスなシューズへ生まれ変わったことでそのような声があがっているのだそうです。

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

大森:そんな声があがるほど大幅にモデルチェンジしたんですね。

藤原:従来のTORINシリーズは、アッパーやヒールカップが柔らかい仕様のニュートラルトレーナーで足の動きを制限しない作りでした。

大森:あえて足をサポートしない作りがファンからの支持を集める特徴でもあったんですね。

藤原:そうなんです。一方で、これまでALTRAのランニングシューズを試したことがないランナーにとっては、1足目としてお試しいただける一足だと思います。興味のある方は、ぜひ『TORIN 7』から履いてみてください。

ALTRA独自の足形・フットシェイプデザイン

ランナーの自然な走り方を追求し、ユニークなコンセプトでランニングシューズ開発を重ねるALTRA。藤原さんは、ここまでご紹介したゼロドロップ以外にもTORIN 7にはALTRA独自の特徴が詰め込まれているといいます。

藤原:ALTRAは、様々な足にフィットする独自の構造『FootShape™(フットシェイプ)』も特徴です。TORIN 7はアッパーのかかと部が細く、前足部が広く作られていますよね。シューズに合わせて形が変わりオリジナル・スタンダード・スリムの3パターンが用意されています。

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

大森:TORIN 7は逆“ハ”の字のような形状ですよね。

藤原:そうですよね。以前のモデルは、ALTRAオリジナルの足形で前後ともに幅の広い形状でした。

大森:今作は足型も変化しているんですね。

藤原:そうなんですよ。TORIN 7は3パターンのうち、スタンダードを採用していて前足部のみが広く作られています。ちなみに、シューズのサイズ感については縦方向が長めに作られているため、私は足入れしたときに少し大きく感じました。

正しい着地の練習をするのにもおすすめの1足

大森:履き心地はどうですか?

藤原:ミッドソールはゼロドロップなので前足部・後足部ともに30mmの厚さがあります。たとえば、前足部が30mmでドロップが10mmあったら後足部は40mmの厚底ということになりますよね。そう考えると、初めて履く方にとって前足部は非常に厚さを感じるはずです。

前足部に軽量で高級感のあるアルトラEGO™ (イゴー)MAXミッドソールをつかっているため、前に意識を向けて接地するとクッションを感じます。そのため、かかと接地の方や初心者ランナーにとっては、着地を意識した練習をするのにもおすすめのシューズです。

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

大森:前~中側部での着地を練習したい方にはぴったりですね。

藤原:アウトソールの溝は5本指の骨の形状に伸びているのが面白いですよね。

大森:ソールの溝の配置によって、接地ポイントが明示されていますね!

藤原:ALTRA独自のデザインや特徴は引き継ぎながらも多くのランナーが履きこなせるデイリートレーナーに仕上げられていると思います。ぜひ、ALTRAの入門シューズとして皆さんも履いてみてください。

また、ゼロドロップシューズなので、ドロップが10mm程度あるランニングシューズと履き分けると違いを実感できますよ。ご自身のランニングフォームも違うシューズを履き分けることで、気づくことがあると思います。

大森:確かにそうですね!

藤原:タイプの異なるシューズを履き分けることで筋肉の使うポイントが変わり、より効率的な走り方を身につけられるんですよね。シューズをローテーションすることで耐久性の向上にもつながります。ぜひ、ご自身の走り方をリセットして新たな視点を取り入れたい方はTORIN 7を選んでみてくださいね。

***

ALTRAの入門ランニングシューズとしておすすめのTORIN 7。藤原さんのレビューを参考に、新しいデイリートレーナー候補として検討してみてはいかがでしょうか。

詳細情報

ALTRA|TORIN 7

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像

価格|¥22,000(税込)

「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像
ゼロドロップが特徴のALTRA定番デイリートレーナー最新作
「【ALTRA】「TORIN 7」の履き心地は?ゼロドロップが特徴の新作ランニングシューズをレビュー」の画像
ゼロドロップが特徴のALTRA定番デイリートレーナー最新作


あわせて読みたい


藤原 岳久さん

FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

FS☆RUNNINGオフィシャルサイト

Runtrip編集部が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「ITEM」の新着記事

CATEGORY