【UTMF2022】ロングレース完走に必要なアイテムは?ウェアの組み合わせも解説

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3年ぶりの開催が迫った『UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)』。100マイルという過酷な距離、出場条件の難しさから多くのトレイルランナーから注目を集めるこちらの大会。

本記事では、UTMF2022へ出場するランナーやトレイルランのロングレースを走りたいランナーへ向け、レース攻略アイテムや必要な備えについて解説します。今回も東京都立川市のトレイルランニング専門店『Trippers(トリッパーズ)』店長で、様々なレースで完走経験を持つ朝長拓也さんに解説していただきました。

国内最大級のトレランレース「UTMF」とは?

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岡田:『UTMF2022』の開催が4月22日(金)〜24日(日)に迫りましたが、Trippersに来るお客さんのなかにも出場するランナーがいるのではないでしょうか。

朝長:そうですね。3年ぶりの開催ですから、心待ちにしていた方も多いです。

岡田:UTMFは、富士山の周辺を舞台に開催されるトレイルランのロングレース。総距離165.6kmを走り、累積標高は7,535mで、3日間にわたって開催される大会です。

朝長:2022年はウェーブスタートが取り入れられ、第1ウェーブから第5ウェーブまで500人ずつスタートしていきます。

岡田:2,400人が参加するので、トレランの大会としては国内最大級の参加規模ですね。多くのトレイルランナーから注目を集めるだけに、この大会を目指しているランナーも多いですよね。

朝長:テレビで放送されることもあり、この大会を目標にトレランを始めたという方もいます。また、最近の2年間は大会が中止になっていたので「今年こそは! 」と意気込む方もいます。

天候別レース当日のウェアは?

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岡田:私が参加した2019年の大会では途中で雪が降り、大会が短縮されました。トレイルでは、急に天候が荒れることもあるので事前の備えが大事になりますよね。

朝長:そうですね。私も「防寒装備をどうするのか」とよく質問されます。UTMFは防寒の基準が他の大会よりも厳しく『レインウェア上下』、フリースなどの『防寒具』、『タイツ』もしくは『ロングパンツ』。そのほかにも、『手袋』や『帽子』も指定されています。しかし、フリースを何枚持つべきか、タイツにするかロングパンツにするか、何を買ったらいいのか分からない方もいると思います。

岡田:そうですよね。そこで今回は、朝長さんのおすすめを『UTMF2022攻略アイテム』として紹介していきたいと思います!

朝長:まず、大会が行われる日の天候を想定するのが大事です。『スタート前から天候が荒れる場合』と『天候が荒れない場合』、『レース中に天候が荒れそうな場合』の3種類をイメージしておくと良いでしょう。事前にシミュレーションをして複数の選択肢を持っておく必要があります。

岡田:まず、天候が荒れそうな場合はどのようなアイテムが必要ですか?

1.スタート前から天候が荒れる場合

朝長:フリースはパタゴニア『キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック』が、軽量で薄いのに暖かくておすすめです。どのタイム層のランナーでも1着持っておくと便利です。私も雪が降った2019年大会を走りましたが、そのときに着用したジャケットはOMM『Rotor Smock』。中綿が入ったコンパクトなモデルです。最悪の天候では、このジャケットを持つ必要があります。さらに、濡れてしまうと厚着にしても寒いため、服がバッグのなかで濡れないことが大事です。

岡田:濡れていない服に着替えるだけでとても暖かいですよね。

朝長:スタッフサックに入れるなど、予備のウェアが濡れないようにするといいでしょう。

岡田:天候が荒れる場合には、こうした厚手のウェアで身を守れるようにする必要がありますね。

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ロングパンツ(左がファイントラック スカイトレイルパンツ)

朝長:そうですね。さらに、ボトムスの準備も必要です。タイツかロングパンツが必携品ですから、天候が荒れそうな場合にはロングパンツをおすすめします。ファイントラック『スカイトレイルパンツ』が厚手ではないので、かさばりません。

2.天候が荒れない場合

朝長:暖かくて晴れが予想される場合は、厚着をしなくても走れると思います。そのため、薄手のフリースとタイツを組み合わせるといいでしょう。

岡田:なるほど。

朝長:ロングパンツを履く場合もあるでしょうから、タイツはできるだけコンパクトなものがおすすめです。

3.レース中に天候が荒れそうな場合

岡田:天候が急変しそうな場合は、どのような準備をした方がいいでしょうか。

朝長:その場合は、晴れのセットに着替えのTシャツ、中綿が入ったジャケットが良いと思います。現在足りないものがあれば、買い足すようにしましょう。

岡田:こうした解説をもとに、レインウェアの下に何を着るかのパターンを決めておくのが大事ですね。

仮眠のために必要な備え

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朝長:2022年大会は「仮眠所で毛布が使えない」というルールがポイントになります。30時間以上走ると眠くなる方が多いので、毛布がないというのは難しいポイントです。

岡田:例年、仮眠所に毛布がたくさん置いてありますが、2022年はそれがないですね。

朝長:仮眠所は屋外のテントになり、寒くなることが予想されます。

岡田:大会公式サイトに掲載されている過去の平均気温を見ると7℃ほど。0℃まで下がることもあります。

朝長:気温が下がるので、サバイバルブランケットよりは厚手で筒形の『ヴィヴィ』がおすすめです

岡田:サバイバルブランケットは1枚のシートなのであまり暖かくないですよね。

朝長:ある程度はブランケットでも保温はできますが、筒型の方が保温できるのでSOLエスケープヴィヴィ』、『エマージェンシーヴィヴィ』がおすすめです。

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(左上)エスケープヴィヴィ 、(右上)エマージェンシーヴィヴィ、(下)サバイバルブランケット

岡田:この2つは寝袋型のものですが、どう違うのでしょうか。

朝長:『エスケープヴィヴィ』はサバイバルブランケットが筒状になったもの。『エマージェンシーヴィヴィ』は透湿性がある素材で作られています。『エスケープヴィヴィ』は蒸れますが、暖かくなります。『エマージェンシーヴィヴィ』は暖かさは逃げますが、蒸れないので快適です。どちらが良いかは状況によって変わりますが、極限の状態では『エスケープヴィヴィ』の方がおすすめです。

ライトの選び方は?

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岡田:ほかにアイテムで選び方を聞かれるものはありますか?

朝長:ライトですね。ライトが2個必要なのでヘッドライトハンドライトウエストライトの組み合わせについて質問されることが多いです。

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朝長:個人的に、1個はヘッドライト。もう1個は予備のヘッドライトではなく、ハンドライトやウエストライトを持つのがいいとおもいます。下から照らせるハンドライトやウエストライトを持つことで路面の凹凸を見極められるため、より安全に走りやすくなります。手に持ちたくない方はウエストライトがいいですし、ハンドライトは自由な角度で照らせるので好みに合わせて選んでみてください。

岡田:なるほど。単純に予備のライトをもっているよりも、用途に応じて選ぶ方がいいですね。

朝長さんおすすめ!あると便利なアイテム

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朝長:また、『ゼッケンベルト』と『トラッシュバッグ』の2つはあると便利ですね。ロングレースでは、途中で着替えたり、上から着たりするのでゼッケンを張り替えるのがめんどくさいですよね。そのため、ゼッケンベルトがあると楽になります。また、補給食のごみも出ますから、トラッシュバッグがあるとバックや服が汚れずに済みます。ゼッケンベルトに付けることもできるので、とても便利です。

岡田:長丁場のレースですから、こうして細かいストレスを軽減するのが大事ですね。特に初めての方にとっては不慣れなことが多いですからね。UTMF2022に向けて、アイテム以外にも大切なポイントがあれば教えてください。

朝長:ウェアの組み合わせでも話しましたが、事前のシミュレーションと準備が大切です。160km以上走るのは過酷な状況ですから、直前に走り込みすぎないことや完走するという強い気持ちも大切です!

岡田:たしかに、どんな状況でも楽しむ、目標を達成するというメンタルは大事だと思います。ぜひ、出場される方は頑張ってほしいですね! 朝長さん、今回も解説していただきありがとうございました!

朝長:ありがとうございました!

『UTMF2022』を完走するために必要なアイテムや備えについてお届けしました。ぜひ、朝長さんの解説を参考にアイテムを揃えて、レースへ臨みましょう。

商品詳細

1.パタゴニア|キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック

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出典: patagonia.jp

価格:¥13,200(税込)
商品ページメンズ/ ウィメンズ

2.OMM|Rotor Smock

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出典: theomm.jp

価格:¥28,600(税込)

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化繊綿「PRIMALOFT GOLD」が使用され、保温性に優れたジャケット

3.ファイントラック|スカイトレイルパンツ

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出典: finetrack.com

価格:¥17,490(税込)

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速乾性をもたらすメッシュ素材や防風素材など、様々な機能性に優れたロングパンツ
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速乾性をもたらすメッシュ素材や防風素材など、様々な機能性に優れたロングパンツ

4.マイルストーン|trailmaster

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出典: milestone81.com

・価格:¥19,250(税込)

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ディスクシステム搭載でフィット感抜群のヘッドライト。ナイトランに限らず、あらゆるシーンで使用可能

5.マイルストーン|ultraspire ルーメン600

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出典: milestone81.com

価格:¥18,250(税込)

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安定して遠くまで照らせるウエスト専用のライト

6.LEDLENSER|MT10

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出典: ledlenser.co.jp

価格:¥16,500(税込)

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1000ルーメンもの明るさを誇り、野外での操作性に優れたハンドライト。高速充電が可能なのもおすすめポイントです

7.SOL|エスケープヴィヴィ

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出典: amazon.co.jp

価格:¥8,690(税込)

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保温性に優れた、寝袋状のアイテム

8.SOL|エマージェンシーヴィヴィ

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出典: amazon.co.jp

価格:¥3,520(税込)

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透湿性の高い素材で作られた、寝袋状のアイテム

9.Trippers|ゼッケンベルト

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出典: trippers-wtrc.shop

価格:¥1,650(税込)

商品ページはこちら

10.Trippers|トラッシュバッグ

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出典: trippers-wtrc.shop

・価格:¥1,100(税込)

商品ページはこちら

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朝長 拓也さん
トレイルランニング専門店 Trippers 代表/ JAFTスポーツシューフィッター
2012年にトレイルランニングに目覚め、2017年にTrippersを立ち上げる。
※前職はアパレル企業で服の型紙を作るパタンナー
2018年トレニックワールド彩の国100mile 完走
2020年 KOUMI100 完走

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