砂漠レースに挑むモデル・ヤハラリカさん「怖い夜に頼もしい音楽の存在」

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今年、ビーチハンドボールアンバサダーに就任し、タレントやモデルとして活動する傍ら、さまざまなマラソン大会に出場しているヤハラリカさん。彼女は、そんじょそこらのランナーではない。1週間かけて過酷な砂漠を走り抜ける『砂漠レース』をこれまで3レースも完走しているのだ。

なぜ、砂漠を走るのか? 彼女の思いを聞いた。

みんなと違うことがしたかった。だから砂漠を走る

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もともと、足が遅いことがコンプレックスだったという彼女。

「自分に自信をつけたくて、何かに挑戦したかったんです。だけど、人と同じことはしたくなかった。“定番”みたいなのが昔からキライで」

世界のマラソン大会を検索しているうちに見つけたのが『世界4大砂漠マラソン』だった。

「これはやるしかない、と。怖さはありましたが、それでも挑戦する理由しか見つからなかったですね」

過酷な砂漠ランが怖くなかったのは、“アゲてくれる音楽”のおかげ

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ヤハラさんは、今年9月29日から10月5日の7日間、砂漠レースとしては3度目の挑戦であった『アタカマ砂漠マラソン』を完走したばかり。“砂漠を走る”とは、ただ“砂の上を走る”というレベルでは、もちろんない。待ち受けているのは、過酷すぎるといってもいいほどの環境。チリ・アタカマ砂漠の朝晩の気温差は、40度にもなる。高度は3000mで、酸素も薄い。崖のような場所もあれば、川を渡ることもある。そんな決して平坦ではない道のり250kmを7日間かけて走る。それも、重さ十数キロのリュックを背負いながら……。その過酷さは、想像をはるかに超えている。

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これは、ヤハラさんが実際に持って走ったリュックの中身。12kgほどあったそう。

「レースでは1日2000キロカロリー以上とらなければいけなくて、相当の食料をリュックに持参する必要がありました。ただし、一日中砂漠を走るわけですから、全然足りなくて。走っている間、アタカマ塩湖がティラミスに見えましたね(笑)」

空腹で、ティラミスにしか見えなかったというアタカマ塩湖

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『アタカマ砂漠マラソン』は、“世界で最も過酷なレースの1つ”と言われている。怖い目にはあわなかったのだろうか。

「初日から高山病にかかり、ほぼ歩いてのスタートでした。薬を飲んだら、ノドの乾燥から副作用でしびれるし、吐き戻すし。2日目までは、ほとんど歩いていました。一番辛かったのは、7日間シャワーを浴びることができないこと。ずっとバーナーで焼かれているような暑さの中を走り、川に入ることもあったし、体はベタベタなのに……」

そんな中でも、楽しく走れた原動力は、景色の素晴らしさ。そして音楽だった。

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「昼間は、景色でテンションが上がるんです。素晴らしい景色に出合えたら、GoProで撮影が楽しくて。ただ、日が落ちると、真っ暗になってすごく怖い。満点の星は、それはもう美しいですが、それ以外は真っ暗闇で何も見えず、目も耳も塞がれたような状態になります。そんなとき助けられたのが、音楽。砂漠レースでは、思うようにイヤホンの充電ができないので、音楽は夜のステージのとっておきでした。

アタカマでは、サマソニで聴いたB’zの『ZERO』をエンドレスリピートしながら走りました。歌詞に『砂漠の真ん中で〜』って出てくるのが、もうリアルタイムすぎて。『私、いま砂漠走ってます!』って、一人で興奮していました(笑)。爆音で『ZERO』を聴いていたことで、真っ暗な中を走り続ける恐怖に打ち勝ち、テンションが保たれましたね」

ヤハラさんは、歌詞とその時の状況がリンクするようなテーマ曲をレースに必ず連れていくそう。

オーバーナイトステージで見た『沈む月』。GoProのセルフタイマーで撮影

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「砂漠を走るのは、とても過酷。今回のアタカマは、初めて “ビリ” だったんです。『足は遅いけど、ビリは初めて……』とボランティアの人に呟いたら、『1位だってビリだって、もらえるメダルは一緒じゃん』と言ってくれて。それがとても自分のなかで響いたんです。ここで無理して71位を70位にしたところで、全然変わらないな。だったら楽しもう! って」

過酷だけど “それをも楽しむ” と気持ちを切り替えてからは、完走を目指すことが楽しくなったという、ヤハラさん。そんな彼女の様子が“周りを幸せにする”ということで、“ハッピーランナー”というあだ名がついたとか。

背景に見えるのは、アンデス山脈。みんな、ゴールで待っていてくれた!

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普段のトレーニングの日も、音楽と一緒に“ファンラン”精神で

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東京では、走るフォームを意識するために音楽は聴かないようにしていたが、アタカマ砂漠レースで『ZERO』を聴いた “音楽との一体感” が忘れられなくなったという。最近は、東京でのトレーニングでも、音楽を聴きながらファンランを楽しむことが増えたそう。

「音楽って、本当に大事。アタカマの夜では、こんなに音楽の大事さを感じたことないんじゃないかというぐらい、助けられました。音楽を聴くと、こんなに元気になれるんだなあって。どんなライブにいくよりも、感動しましたね」

ヤハラさんが愛用するイヤホンは、Jaybirdの『VISTA』。一番の特徴は、16時間のバッテリー寿命(充電ケース使用時)に加え、片方ずつなら中断のない32時間のリスニングができること。さらに、充電が切れても5分ケースに戻せば1時間ほどの充電が可能だそう。

「すぐに充電できない砂漠レースでは、とてもうれしいポイントです!  」

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さらに、専用アプリ『Jaybird MySound』を使うと、自分の聴覚に合わせて音をパーソナライズすることも可能。

「自分が心地いいと思える音質で聴くことができるなんて、すごく贅沢ですよね」

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『世界4大砂漠マラソン』のうち『ナミブ砂漠マラソン』と『アタカマ砂漠マラソン』の2レースを完走した彼女は、先日2020年12月に開催予定の『南極マラソン』へのチケットを手にしたばかり。最近では季節の移り変わりを見つつ、音楽を聴きながらのトレーニングで、砂漠レースに向けてのモチベーションをあげている。

「早く走るためのトレーニングではなく、砂漠での250キロを “楽しんで” 走るためのトレーニングです! 」

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VISTAの装着感も、お気に入り。

「いままでいろいろなイヤホンを使ってきたけれど、片方落としてしまうことが多くて。VISTAは耳にしっかりとフィットするので、ハードに動く砂漠のレースでも落とす心配がありません。操作ボタンがあるのも誤作動のもとにならず、使いやすい」

VISTAなら、たとえ落としてしまってもGPS機能を使って捜索することができる。

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走り終わったら、ウォームダウンしながらSNSをアップしたり。そんなひとときも、音楽が一緒。

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「これからも何レースか出場予定ですが、とにかく南極が楽しみ!  トレーニングはもちろん、装備の準備もしないと。南極だから、砂漠とは装備が全然変わりますからね。もちろんVISTAは絶対に連れていきます! 」

スポーツシーンを想定し、防水性と防汗性を兼ね備えているので、汗にも砂にも強いのも魅力。VISTAは、過酷な環境でもしっかりと寄り添ってくれそうだ。

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彼女が過酷な砂漠レースを続ける理由は……なんだろう。

「砂漠レースを経験するようになって、タイムにこだわらずにランを楽しめるようになりました。1週間バックパックで生き抜くという経験から、『じつは大半のものが必要ないのかも』と、考え方がシンプルになって。健康にこの地を走れていることが何より幸せ。そう思うんです」

Jaybird『VISTA』の詳細は 公式サイト から。

ヤハラリカ(本名・矢原里夏)
1984年8月10日生まれ。東京都出身。高校時代はハンドボールの選手として全国大会に3年連続出場。東京都と関東の代表にも選出された。大学ではバンド活動に打ち込む。OL生活を経て、第1回学研『FYTTE』専属モデルオーディションで、FYTTE未来賞を受賞したのを機に、モデル、タレントとしての活動を開始。2011年の東京マラソン出場をきっかけにランニングを始め、以降は毎年フルマラソンを走っている。2017年には『サハラマラソン』を完走し、今年は2度目の砂漠マラソンとなる『ナミブ砂漠マラソン』に出場、これも完走した。ビーチハンドボール日本代表候補で、全日本ビーチハンドボールで3位になった実績もある。趣味はスキューバダイビング。

(文 松崎愛香/ 写真 吉田一之)

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