『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』よりさらに厚底の新シューズ

「『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』よりさらに厚底の新シューズ」の画像

4月24日、ロンドンのナイキタウンで発表された『NIKE ZOOMX VAPORFLY NEXT%(ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%)』。お披露目レースとなったロンドンマラソンでは、着用したエリウド・キプチョゲ選手がコースレコードとなる2時間2分37秒で優勝を果たした。

既に、ラントリップマガジンでも、ローンチイベントの様子とともに『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』を紹介しているが、ロンドンで、ナイキランニングフットウエアのヴァイス・プレジデント、ブレット・ホルツ氏にインタビューをすることができたので、さらに詳しい情報をお伝えしたい。

テイクオフにフォーカスして開発

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「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」のローンチイベントでシューズの概要を説明するブレット・ホルツ氏。

『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』は、『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』と比べて、さらに厚底なランニングシューズになっている。前足部で4mm、踵部で1mm厚さが増し、ナイキ ズームエックス フォームは15%増量している。なぜ厚底シューズは、さらに厚底になったのだろうか。

「マラソンを走るエリートアスリートのほとんどが、フォアフットかミッドフットで着地をします。そして、たとえ踵着地をするヒールストライカーであっても、テイクオフするときは、前足部で地面を蹴ることになります。そこでテイクオフにフォーカスして、フォアフットのナイキ ズームエックス フォームを最大化しようということになりました」

さまざまな厚さでテストを繰り返した結果、前足部は4mm厚くするのが最適なバランスだったのだそう。

「単純に厚さだけを増やしていくと、スタビリティが崩れていきます。実際に『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』では、安定性を高めるために『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』と比較すると、前足部のミッドソールは幅も広くなっています。いろいろなオプションをテストして、特にエリートアスリートにとっては、この厚さと形状が最適だったのです」

「『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』よりさらに厚底の新シューズ」の画像ミッドソールのサイドに入れられた、溝にももちろん意味がある。

「これはボーンラインと呼んでいるもの。空気力学に基づいて、流線形のミッドソール形状と合わせて、ランニング時の空気抵抗を抑えています。風の抜け道のようなものですね」

ゴールテープを切るまで軽いシューズ

「『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』よりさらに厚底の新シューズ」の画像アッパーの素材が既存のモデルでは使われていない、ヴェイパーウィーブという新素材になったことも『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』の大きな特徴だろう。新素材の採用は、スタートからゴールまで一貫して軽いシューズというコンセプトの実現のためだ。

「フォームの量が15%増えているので、その分の重さをアッパーから削りとって相殺しようと考えました。ヴェイパーウィーブは、サポート性がありながら、とても軽い素材です。フォームが増え、ミッドソールが厚くなった『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』ですが、シューズの重量は『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット』と同等です。また、レース中に雨が降ったり、汗をアッパーの素材が吸うと、走り始めよりも、レース終盤の方がシューズの重量が増すことになります。しかし、ヴェイパーウィーブは、水分の吸収率が極めて少ないので、『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』は、ゴールテープを切るまで軽いシューズだと言えます」

シューレースの位置が、センターからずれた位置にあるのも意図的な仕様。

「アスリートからのフィードバックの中に、シューレースをセンター位置で締めると足の甲にプレッシャーを感じるというものがあり、それを解決するために、シューレースの位置をセンターから逃がしました。足の甲にプレッシャーを感じるということは、指先までつながる血管を圧迫し、血流を妨げる可能性がありますから。足の甲周辺のフィット感は、テストをしたエリートアスリートたちも気に入ってくれています」

一般ランナーにも適したシューズ!?

「『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』よりさらに厚底の新シューズ」の画像エリウド・キプチョゲ選手がロンドンマラソンでコースレコードかつ、自身のセカンドベストで優勝したことからも『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』がトップ選手の走りに最適なシューズであることは間違いないが、どの程度のレベルであれば履いていいモデルなのか、多くのランナーが気になるところだろう。

「『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』も、もちろんエリートアスリートのために開発したシューズだったわけですが、嬉しいことに幅広いレベルのランナーに履いて頂いています。おそらく、多くのランナーにとって、マラソンレースで快適に走れるという実感があったからでしょう。『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』以前のエリートアスリート用のシューズというのは、ミニマルで、クッション性が少なく、あまりサポートをしてくれないシューズだったと思います。そのためノンエリートのランナーは、自分の選択肢に入れていなかった。しかし、『ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%』は、クッション性があり、サポートもしっかりしている。エリートだけじゃなく、すべてのランナーがレースを楽しめるシューズなのではないかと思っています。『ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%』は、さらに厚底になり、エネルギーリターンが高くなっています。より足を守ってくれるシューズなので、エリートではない一般ランナーにも適しているでしょう」

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