祝日は走る!! アメリカに根付いている「祝日ファンラン文化」って?

みなさん、こんにちは! いよいよ春本番ですね。新生活が始まった方もそうでない方も、ランニングで一息ついていますか? 今回は、忙しい毎日から解放される国民の休日にこそファンランを楽しむ、アメリカのランニング文化についてご紹介します。

そもそも、アメリカには連邦政府が定める祝祭日(federal holiday)が10日間あります。例えば独立記念日、サンクスギビング、キング牧師の日など。その他に国民の祝日には定められていませんが、日本と同じように母の日、父の日、バレンタインデーなどのイベントもあります。

アメリカでは、そんな祝日をテーマとするファンランが全米各地で同時に開催され、普段はランニングに興味のない家族や友達とも、気軽に5kmや10kmレースを楽しむランニング文化があります。さっそく、ライター戸上が体験した『祝日ファンラン文化』をご紹介しましょう!

セントパトリック・デー “Saint Patrick’s Day”

まずご紹介するのは、3月17日のセントパトリック・デーのファンランです。セントパトリック・デーとは、もともとアイルランドのお祭りで、はるか昔4世紀に実在したキリスト教の司教、聖パトリックを祭る日です。18~20世紀になるとアメリカのアイルランド系移民により、セントパトリック・デーの文化がアメリカ全土に広められました。この日に開催されるファンランの多くは『セントパトリックデイ・ラン』ではなく、『シャムロック(Shamrock)・ラン』と呼ばれています。

シャムロック・ラン

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『シャムロック』とはクローバーを含む三つ葉の植物の総称で、アイルランドとセントパトリック・デイの象徴です。シャムロックの意味を知らずに「私、来月シャムロックっていうレースに出場するんです」と同僚に伝えると、すぐに「お、3月17日に緑色の服を着てファンランを走るんだね! 楽しんで!」と一瞬で理解してもらえました。『シャムロック』はセントパトリック・デーを一瞬で連想させる言葉のようです。

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私がここ数年参加しているのは、カリフォルニア州北部サクラメントの『シャムロック・ラン』で、このレースにはハーフマラソン、5km、10kmの部があります。また、他の州でも同じ名前のレースが毎年同時に開催されます。大会Tシャツのロゴは、アイルランドカラーである緑色。ランナーは思い思いにクローバーのグッズを付けたり、緑色の仮装をしていて、完走するとクローバーが描かれたメダルを受け取っていました。

三つ葉のクローバーとビールの日

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完走後ランナーはパーティエリアに向かう

実はこのセントパトリック・デー、大人にとっては朝または昼からたくさんビールを飲む日なのです。案の定、友人からは「今日セントパトリック・デーだけど、どこで飲んでる?」とメールがきたり、街中で緑色の仮装をした若者がハイテンションで歩いていたりします。そんな文化を尊重して、ファンランでは21歳以上のランナーには完走後に無料のビールが配布され、2種類の地ビールから好きな味を選ぶこともできました。まさにお祭り騒ぎの楽しいランです。

 感謝祭 “Thanksgiving Holiday”

続いては11月の感謝祭(別称サンクスギビング)です。サンクスギビングの歴史は17世紀にまでさかのぼりますが、現在は秋の収穫を始め一年間のさまざまな恵みに感謝する連休で、多くの人が実家に戻ります。キリスト教徒だけが祝うクリスマスとは違い、サンクスギビングは宗教を問わず国民全体がお祝いする祝日です。

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七面鳥がヨタヨタ走る『ターキー・トロット』

サンクスギビングにアメリカ全土で同時開催されるのがターキー・トロット(Turkey Trot)、直訳すると『七面鳥がヨタヨタ走る』という名のレースです。私がここ数年参加しているのは、ニューヨーク州西部バッファローのターキー・トロット(8km)です。なんと1896年にYMCAによって初めて開催され、アメリカでもっとも歴史のあるのターキー・トロットです。

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毎年1万5千人以上のランナーが参加し、感謝祭の家族の行事として毎年欠かさず出場する人たちも多いのだとか。ここまで歴史や地元のサポートがあるとファンランという枠を超えて、一大イベントです。

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バッファロー・ターキー・トロットの歴代参加Tシャツ

仮装もばっちり

期待通り、ターキートロットでも仮装をしたランナーを多く見かけます。他のレースと異なるのは、グループ単位で仮装をしている人が多いことです。

「祝日は走る!! アメリカに根付いている「祝日ファンラン文化」って?」の画像

七面鳥や昔のイギリス系移民の仮装や、一見感謝祭とは関係のない怪獣やマリオブラザーズなど。親戚や友達とおそろいで仮装する人達だらけ。

「祝日は走る!! アメリカに根付いている「祝日ファンラン文化」って?」の画像ターキー・トロットは大抵午前中に開催され、夕方から夜にかけて親戚や友人とサンクスギビング・ディナーを楽しみます。定番料理は七面鳥、マッシュポテト、クランベリーソース、パンプキンパイなど。

最後に

以上、祝日とファンラン文化についてご紹介しました! 他にも、2月にはプロポーズをするエリアが設けられているバレンタイン・デーのファンラン、7月の独立記念日は星条旗をテーマとしたStars and stripes run、そしてクリスマスの時期には『みにくいセーター』を着て走るUgly sweater runなどのファンランが開催されます。

皆さんの地域でも家族や友人と気軽に参加できるファンランが今以上に増えるといいですね!

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