2018年12月17日

『98点!』先輩ランナーに聞くニューヨークマラソンの魅力

みなさん、こんにちは。突然ですが、人生で一度でいいから走ってみたい場所はどこですか? 私の夢はニューヨークシティマラソンと東京マラソンを走ることです。今回は、ランライター戸上が憧れるニューヨークシティマラソンを今年完走した先輩ランナーの窪山明彦さんと現地まで応援に行った娘のあずささんに、レースの魅力と東京マラソンとの違いについて、あれこれ教えて頂きます!

ニューヨークシティ(NYC)マラソンとは?

世界で最も有名な大規模マラソンの1つで、ボストン、東京、ロンドン、ベルリン、シカゴに並ぶ世界6大メジャーマラソン。1970年に初めて開催され、今年はおよそ5万2千人が完走した。毎年11月の第1日曜日に開催され、ランナーはスタテン島からスタートし、ブルックリン、クイーンズを経て最後はマンハッタンのセントラルパークでゴールを迎える見どころ満載のコース(https://www.tcsnycmarathon.org/)。

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エントリー方法とスケジュールは?

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――世界でもトップレベルの人気を誇るNYCマラソン。エントリーは東京マラソンのように抽選なのですか?

窪山:「私は外国市民枠で、お金を多く払って航空券と一緒になっているツアーのパッケージで参加しました。パッケージなので抽選はありませんでした。今年の2月か3月にツアーの申し込み、ボストンマラソンを毎年走っている高校時代の友人と一緒に走りました」

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――現地に到着したのはレースの何日前でしたか?

窪山:「木曜日に到着して、日曜日のレースだったので3日前でした。5日間と6日間のツアーがあって、慣れている人は5日でも良いですが、余裕のある6日の方がオススメです」

――レース数日前に到着して、時差ぼけはありましたか?

窪山:「幸いなことに、時差ぼけは全くありませんでした。行きもなかったし、日本に帰ってからもありませんでした」

――えー! 私は長距離移動でいつも時差ぼけに悩まされているのですが、なにか秘訣があるのですか。

窪山:「秘訣は特にありません。これは個人差かもしれません。到着した次の日には、日帰りで、昔家族で住んでいたメリーランド州のベセスダ近郊に行って、土曜日にゼッケンを受け取りに行きました」

――最初の数日はスケジュールに少し余裕があるのですね。帰りの飛行機はマラソンの次の日だったんですか?

窪山:「そうです、次の日でした。日曜日に走って、月曜日の飛行機で出発して、火曜日に日本に着きました。行きに1日得した分、帰りに1日損するんです」

 エキスポ、お巡りさん、ユダヤ教地区

――次に、エキスポとレースについて教えてください。NYCマラソンのエキスポはやはり大規模なのですか?

窪山:「エキスポはニューバランスの他に色々な小さい企業もあったんですけど、正直、東京マラソンのエキスポの方が充実していました。趣向を凝らしたパネルや写真を撮れる場所があり面白かった一方、お土産グッズのようなものは少ない印象でした」

――それは意外ですね。それでは、レース自体で気づいたNYCマラソンと東京マラソンの違いはありますか?

窪山:「ニューヨークは、参加人数がすごく多いですよね。東京が3万数千人で、ニューヨークは5万人くらいです。東京は一斉スタートでしたが、ニューヨークはウエーブスタートだったので楽といえば楽でした。コースもすごくよかったです」

――いいですね! レースを走っていてアメリカらしいなと思ったことはありましたか?

窪山:「おまわりさんがフレンドリーなんです。高速道路にパトカーを停めて、警備をする人がランナーと一緒に写真を撮っていたり、パトカーのカーステレオで”Eye of the Tiger”を流していたり、なかなかイケてました。でも、中には警備のためにマシンガンを持ったニューヨークポリスもいました」

――それはアメリカならではの風景ですね。

窪山:「はい。あと、コースの中で、一か所だけ応援の人がいない場所がありました。ユダヤ教の人が住んでいる地域でした。他は41キロずっと沿道の応援がにぎやかですけど、そのエリアだけ1キロくらいは静かです。オーソドックス(Orthodox、超正統派)ユダヤ教徒は、ニューヨークの特にブルックリンなどに、シナゴーグというユダヤ教の会堂を中心にコミュニティーを築いて、暮らしています」

――色々な宗教や人種が交わるニューヨークを肌で実感することができたのですね。他に気づいた東京マラソンとの違いはありますか?

窪山:「人形焼などのおやつを楽しみに走る東京マラソンとは違い、ニューヨークでは私設エイドがないことや、着ぐるみランナーが禁止されていること、そしてコースのほとんどでジャズなどの音楽演奏が賑やかなことが印象的でした」

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――仮装禁止だとは知りませんでした。音楽が充実しているのは良いですね。コースの中でオススメスポットはどこですか?

窪山:「スタテン島からブルックリンにわたる最初の橋の景色がとてもいいです。周りにたくさん人がいますが、ゆっくり眺めながら走れます。そして最後、セントラルパークに入ると『あ、ゴールが近いな』と感じます」

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スタート前のハプニング

――おもしろいエピソードがあれば教えてください。

窪山:「アクシデントがあって、スタート前7時に中央図書館からスタテン島までバスで行くときに運転手さんが道を間違えてしまって、高速道路を降り損ねてしまいました。その時すでに道路の規制が始まっていたので道がとても混んでいました。そして乗客のランナーが焦り始めてスマホで地図を調べたり、外の人と連絡をとったりしていました。よくパニック映画でみるバスジャックのような状態でした(笑)」

――それは大変でしたね! 結局どうやってスタート地点まで移動したのですか?

窪山:「結局バスでは行けず、マンハッタンからスタテン島行きのフェリーに乗り、そこから別のバスに乗ってスタート地点に行きました。ようやくスタート地点に着いたときは、スタート10分前くらいでした。乗客の中でリーダーシップを発揮する人もいて、面白かったです」

総合点は?

――総合点を付けるとしたら、今回のNYCマラソンは何点ですか?

窪山:「そうですね、98点です! ハプニングも含めて、とても面白かったです。是非、ニューヨークで走ってみてください」

「父はクレイジーです」

さまざまなレースに、意欲的に参加する窪山さん。ご家族はどのように感じているのでしょうか。最後に、今回ニューヨークまで応援に行った娘のあずささんに聞いてみました。

—―お父様の精力的なランニングライフについてどう思いますか?

あずさ: 「クレイジーだなと思っています。すごくたくさん走るし。(今年も) 1月にハーフを一緒に走った後に、茨城の勝田マラソンを走って……、ただシンプルにクレイジーだなと思っています。ただその影響もあって一緒にレースに出ているので、いつか一緒にフルに出られたらいいです」

――親子で一緒にレースに出場できていて楽しそうですね。

あずさ:「はい。ただ、父の方が圧倒的に速いです。去年、一緒に出たのですがペースが速すぎて、もう2度と一緒に出ないと思いました(笑)。なので、今年は別で走りました」

――親子マラソン楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。

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ランナーの窪山さんと娘のあずささんに、ニューヨークシティマラソンの魅力について教えて頂きました。優しい笑顔とランニングに対する熱意が印象的な窪山さん、冗談を交えながら温かくお父さんを応援するあずささんの話を聞いて、ますますNYCマラソンを走ってみたくなりました!


窪山明彦(くぼやま あきひこ) 東京都出身のベテラン市民ランナー。30年前からランニングを始め、2008年の東京マラソンでフルマラソンデビュー。その後本格的に国内外のレースに参加し始め、2018年には東京マラソンとニューヨークマラソンを完走。今回のニューヨークシティマラソンは5本目のフルマラソン。

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