ゲルカヤノ、ボメロ、ボンダイ……フルマラソン完走を目指すランナーにおすすめのシューズ6選
Oct 03, 2025 / SHOES
Oct 03, 2025 Updated
各地で多くのマラソン大会が開催される秋期。今回はフルマラソン完走を目指すランナーにおすすめのシューズを6足に厳選してご紹介。Runtripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんによる解説を交え、レビューします。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
フルマラソンを完走するために必要な機能とは?
フルマラソンを目指すランナーには、シューズを選ぶ観点としてスピードよりも「燃費の良さ」が重要であると藤原さんは語ります。ランニングはジャンプ動作を繰り返し行う運動であるため、シューズにはクッション性と安定性が不可欠です。
一方で高反発素材やカーボンプレートはマイナス要素になる可能性があると藤原さん。「弾むシューズだと着地時の衝撃が大きくなり、勝手にスピードが上がってしまう。長く継続できる、経済的なスピードでずっと走り続けることがフルマラソン完走のカギです」と語ります。今回はクッション性・安定性に優れたシューズをピックアップしました。
アシックス『GEL-KAYANO 32』
『GEL-KAYANO 32』は「フルマラソン完走を誰の手にも」がキャッチフレーズのシューズ。高いクッション性・安定性を兼ね備えたモデルです。
シューズ内側のサポート機能『4D GUIDANCE SYSTEM』が搭載され、着地時の安定感は抜群。藤原さんは「今回の6足の中で1番スタビリティ(サポート性)が効いている印象。膝が内側に入ってしまうことを抑制してくれます。
「安心して42kmを走るには優れた機能性が必要不可欠」と藤原さん。アシックスの技術が詰まった、機能性抜群の1足です。
プーマ『フォーエバーラン ニトロ 2』
『フォーエバーラン ニトロ 2』は2層構造のミッドソールを採用したスタビリティトレーナー。アウトソール外側の縁が若干硬めの設計になっており、しっかりとした安定感を実現しています。
ドロップ(シューズ前後の高低差)は10mmに設計されており、前方への重心移動をサポート。ニットアッパーによる優れた足あたりも特徴であり、足の形状に合わせてフィット感が調整しやすい点も魅力。藤原さんも「ニットアッパーのため足に程よくフィットします」と着用時の快適性を高く評価しています。
ナイキ『ボメロ 18』
『ボメロ 18』はマックスクッションモデルでありながら、定価16,500円(税込)とコストパフォーマンスに優れたシューズ。45mm以上の厚みを誇るミッドソールが優れたクッション性を提供します。
前へ転がるようなガイド機能がつよく効いており、前方への重心移動をサポートすると藤原さん。「マックスクッションシリーズの中では非常にコンパクトで万能なスタイル。クッション性とガイド感に優れており、価格も手頃なのでまずはこのシューズを試してみてください」とコメントしています。
アンダーアーマー『UAインフィニット エリート2』
『UAインフィニット エリート2』は樹脂素材を臨界発泡させた特殊なミッドソール素材を採用した1足。接地面の幅が広く、着地時のブレを抑えてくれます。
藤原さんは「シンプルで優れたシューズ。パーツで安定させるのではなく素材と製法の新しさで広いプラットフォームを実現し、自然な安定性を生み出している」と解説。前方への推進力も感じられる設計であり、かつ定価18,700円(税込)という安価な点も魅力。ボメロ 18と同様にコストパフォーマンスに優れた1足です。
ホカ『BONDI 9』
『BONDI 9』は藤原さん曰くマックスクッション、マックススタビリティモデルの代名詞的存在。9代目となる本モデルは、最新のスーパークリティカル製法で作られた特殊な素材をミッドソールに採用。軽量でありながら以前よりも弾力性が向上し、優しいクッション性を実現しています。
藤原さんは「とても厚いミッドソールが特徴ですが、見た目以上に軽量な1足。ヒールカップもしっかりしており、フィット感もよい」と絶賛。高いクッション性と軽量性を両立したシューズと言えるでしょう。
On『Cloudsurfer Max』
『Cloudsurfer Max』はOnの人気モデル『Cloudmonster』のコンセプトを受け継ぎながら、よりバランスの取れた構造に進化したシューズ。
中央部に穴を設けた『CloudTec Phase™』構造を採用したミッドソールは、安定性を保ちつつ高いクッション性を実現。アッパーもクセのないフィット感であり、藤原さんは「デザイン性も高く『Onのシューズを履きたい』という人におすすめ」とコメントしています。
さまざまなシューズを比較しながらベストな選択を
藤原さんは「トレーニングは運動機能を高めるだけでなく、自身とシューズとの相性を確かめる場でもある。複数のシューズを比較することで、自分に合うシューズが見えてきます。ぜひ2足以上は試してほしい」とコメント。
フルマラソンに挑戦するランナーに向けて「普通のトレーニングの一環として、フルマラソンやシューズ選びは気楽に行ってください。リラックスして、自分の可能性を信じて楽しんでほしい。シューズと一緒に走る気持ちで」と藤原さん。フルマラソンに挑むランナーにとって、シューズが心強い味方になってくれることは間違いありません。
詳細情報
ASICS|GEL-KAYANO 32
・価格:¥22,000(税込)
プーマ|フォーエバーラン ニトロ 2
・価格:¥19,800(税込)
ナイキ|ボメロ 18
・価格:¥16,500(税込)
アンダーアーマー|UAインフィニット エリート2
・価格:¥18,700(税込)
HOKA|BONDI 9
・価格:¥24,200(税込)
On|Cloudsurfer Max
価格:¥23,100(税込)
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【プロフィール】
藤原岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)