けがに悩むランナー必読! 世界的ベストセラー新作『BORN TO RUN 2』が伝えるトレーニングメソッドとは?
Jan 29, 2025 / OTHER
Jan 29, 2025 Updated
書籍『BORN TO RUN 2 “走る民族”から学ぶ究極のトレーニングガイド』が1月27日(月)にNHK出版より刊行されました。本書の前作にあたる書籍は世界的なベストセラーとなった1冊。プロ山岳ランナー・上田瑠偉選手も愛読していた書籍でありーー。
今回は上田さん、そしてスポーツMC・岡田拓海さん、スポーツライター・山田洋さんとともに『BORN TO RUN 2』の魅力をお届けします。
「走る民族」と呼ばれる『ララムリ』の人々とは?
岡田:今回は世界的ベストセラーとなった書籍の最新作『BORN TO RUN 2』をお届けします。ゲストとしてプロ山岳ランナー・上田瑠偉選手、スポーツライター・山田洋さんをお迎えしました。
上田・山田:よろしくお願いします。
岡田:上田選手も本書を読まれていると伺いました。
上田:そうですね。高校時代に前作を読みました。
岡田:山田さんは2015年の『UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)』で「走る民族」と呼ばれる『ララムリ』の選手のUTMF出走サポートもされていた経験があります。もちろん前作も読まれているということで、さまざまなお話を伺いたいと思います。
まずはBORN TO RUNという名前は知っているけれど読んだことない、本書を知らない方に向けて、前作が出版された時期はいつ頃でしょうか?
山田:日本では2010年2月に出版された書籍です。その前の年にアメリカで出版された書籍であり、日本語に翻訳され出版されました。
山田:アメリカのクリストファー・マクドゥーガルさんの著書なのですが、この方はいわゆる市民ランナーであり、けがに悩まされていたという背景があります。「どうして俺の足は痛むのかな」と悩むところから物語ははじまり、2つの旅に分けて描いた作品がBORN TO RUNです。
旅の1つは「ケガをしない走り方を見つける旅」です。どうやったら痛みが消えるんだろう、走り方が間違っているのかな、いやシューズ選びが間違っているのかなーー。ケガをしてしまう原因を自分で掘り下げていき、痛みが伴わない走り方を見つける旅となっています。
もう1つは痛みが伴わない走り方を見つけようとしている過程で、メキシコにいる「走る民族」と呼ばれる人たちと出会う旅です。この地球上に走る民族と呼ばれるララムリの人々がいる、その人たちに会いに行こうーー。そんな旅が描かれています。
岡田:山田さんは実際にララムリの選手の出走サポートもされているかと思います。
山田:今では高機能なシューズが多くありますが、彼らは車のタイヤに紐を通したサンダルのようなものを履き走っています。
メキシコの北部にグランドキャニオンの4倍の広さがある大峡谷地帯があるのですが、そこをサンダルで走っているだけでも驚きです。1990年代にアメリカの有名なレースにてララムリの人々が出場したのですが、彼らは名だたるランナーに勝ったと記録されています。
岡田:まるで映画のようなお話ですね。上田選手は佐久長聖高校時代に前作を読んだと伺いましたが、その経緯は?
上田:当時の僕もケガをしており、ケガが長引くなか打開策を探したくて本書に出会いました。読んだあとにはシューズを脱ぎ捨てて芝生の上で走りましたね。当時はまだ薄底のシューズが主流だったので、ララムリの人々を見習い裸足で走る時間を増やしました。
「走ることは楽しい」心を整えてくれる1冊
岡田:そんなBORN TO RUNが15年の時を経て「2」が出版されました。前作で書かれた内容がトレーニングメソッドとして落とし込まれたガイド本となっており、トレーニングに最適なシューズギアの話、トレーニングをするうえで必要な食事についても描かれています。実際に読んでみた感想は?
上田:より多くの人が「走ることは楽しいんだ」というところへ到達するために、いろんな章が立てられた書籍だと感じました。トレーニングメソッドはもちろんのこと、食事の話だったり、ランニングのコミュニティの話だったり……。読むと楽しく走れるようになる1冊だと思います。
山田:前作を読んでいると、本書がもっと面白くなりますね。実は2年前に100マイルのレースを完走したのですけど、「もっとこうしておけばよかったな」と反省点もいろいろあって、 レースに出る前に読んで、本書で書かれたメソッドを取り入れておけばと思いました。今年も100マイルのレースに挑戦予定なので、本書のメソッドを取り入れたいと思います。
岡田:プロランナーとして上田選手の参考になった部分は?
上田:動きづくりのドリルが紹介された章ですね。走り込んでいる自分でもできないドリルがあったので、上達するために実践したいと思いました。そのほか紙面では90日間のトレーニングスケジュールや指南書も書かれており、これからランニングを始める方にもおすすめですね。
本書の帯の推薦文を書かせていただいたのですが、そのお誘いをいただいたときにちょうど足底筋膜炎に悩まされていて……。そんなタイミングであったことも踏まえ、自分自身も読んでみたいと思いながら推薦文を書かせていただきました。
岡田:山田さんが実際にララムリの人々を目にされてきたなかで感じたことはありましたか?
山田:よく食べて、よく寝る。シンプルですがこれに尽きます。2015年に彼らが日本に来て10日間一緒に過ごしました。妻が彼らの食事を全て作ってたのですが、朝からガッツリと食べて、昼もたくさん食べて、夜は少し食べたらすぐに寝るーー。とてもシンプルな生活であり、無駄なことをしていませんでした。
岡田:どんな料理を作ったのですか?
山田:基本的には大皿料理です。米や味噌汁もありましたが、彼らの主食はトルティーヤであり、小麦粉とトウモロコシの粉を使った2種類がありました。とくに日本でトウモロコシ製のトルティーヤを探すことに苦労しましたね。
岡田:上田選手はララムリの人々と会ったときの印象、どのように感じましたか?
上田:ものすごく静かだなと感じました。ドンチャン騒ぎをすることもなく、寡黙なイメージでしたね。
岡田:本書のなかで市民ランナーにも生かせそうな部分はありましたか?
上田:内容の全部が生かせると思いますね。ただ、その中でも自分が実践できそうなものからはじめていくといいと思います。
山田:ランナーそれぞれに、いろんな悩みを抱えていると思います。その悩みにフィットするものを選んでみるといいかもしれません。また、たくさんのことをやろうとせず、スナックを食べるような感覚で試してみようというメソッドもあるので、そこからはじめてみるのも良いでしょう。
著者の考えのもっと深いところを読み解くと、ランニングとの向き合い方を楽しく、ハッピーにしていこうというものだと思うのです。だから自分を追い詰めて走るのではなく、せっかくならもっと楽しもうよという気分で走れたらいいですよね。そんな捉え方ができるようになる、心を整えることのできる書籍だと思います。
岡田:具体的なトレーニングガイドとして出版された本書ですが、ランニングのメソッドを学ぶことはもちろん、ランニングを楽しむことを考え直すきっかけにも成り得る本なのですね。そんな本書は1月27日より全国の書店で発売されています。ぜひ手に取ってみてください。
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トレーニングメソッドはもちろん、走ることそのものを探究したBORN TO RUN 2。ランニングを通して新たな景色を目にすることができる、まさに旅をしているかのような体験を与えてくれる1冊です。
詳細情報
BORN TO RUN 2 “走る民族”から学ぶ究極のトレーニングガイド(クリストファー・マクドゥーガル、エリック・オートン/近藤隆文訳)
・定価:¥3,465(税込)
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