【ランナー必見】夏バテしない食事法を「走る管理栄養士」が徹底解説! 食事のポイントやおすすめのレシピを紹介

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トレーニングに励むストイックなランナーにとって、食欲の落ちやすい夏は疲れが溜まりやすい時期。秋・冬のマラソンシーズンに備え日々のトレーニングを継続するためにも、今回は走る管理栄養士・佐原和真さんをお招きし、スポーツMC・ヤッホーカレン(以下、カレン)さんとともに夏季における食事のポイントをお届けします。

夏の食事で意識したい3つのポイント

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(左から)管理栄養士・佐原和真さん、スポーツMC・ヤッホーカレンさん

カレン:今年も暑い夏がやってきました。そんな夏はトレーニングと同じく食事の摂り方も大切でしょう。今回は走る管理栄養士・佐原和真さんに夏の食事についてお話しいただきます。佐原さんはフルマラソンの自己ベストが2時間30分40秒(2022年・東京マラソン)、管理栄養士とランナーの両視点から食事のポイントを発信しています。

佐原:夏の食事で意識したいポイントは3つあります。1つ目はストレスから身体を保護することです。

夏は紫外線が強く、冬季と比べ短い距離で速く走るトレーニングをするランナーも多いでしょう。紫外線や普段とは異なるトレーニングによって、夏は他の季節とは異なるストレスが溜まってしまいます。

とくに、いつもよりも速く走るトレーニングでは身体を酸化させる活性酸素が多く生まれてしまいます。もちろん身体にとって酸化が一概に悪いとは言えず、酸化が身体の成長やトレーニング効果に良い影響を与えることもあります。ただ過剰に活性酸素が生まれてしまうと肌にシミができてしまうなど、身体に悪影響を及ぼすのです。

現在の研究ではビタミンC・Eといった抗酸化成分をサプリメントなどで過剰に摂取すると、トレーニング効果が減弱してしまうことが報告されています。そのため、さまざまな食品で抗酸化成分を偏りなく摂取することで、適切な量の活性酸素が発生し、より高いトレーニング効果を期待できるでしょう。

抗酸化成分とともに食物繊維を摂ることもおすすめです。夏バテ・食欲の低下は腸などの消化器官の疲労よって発生してしまいます。そのため整腸作用のある食物繊維を摂取することで、夏バテの症状を緩和できます。

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佐原:2つ目は脱水のリカバリーです。ランニングを1時間すると約1L分の汗をかくと言われています。もちろん発汗量は体格や体質により個人差はありますが、気温が高い夏季では多い人で4L分の水分が減ることもあります。最近のスマートウォッチでは運動時に減少した水分の推定値が記録されるものもあるので、自分の発汗量を把握しながら水分を摂取することが望ましいでしょう。

またランニング後に脱水状態を回復できないと、栄養が体へ行き渡らず、身体に熱もこもってしまうため疲れが抜けにくくなってしまいます。次のトレーニングに備えるためにも、脱水のリカバリーは栄養の摂取と並び大切です。

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佐原:3つ目は料理の方法、具体的には食欲をそそるような味付けを意識することです。私は夏場ではガツンとした料理を食べたい派なので、カレーライスといった香辛料が効いたものが食べたくなります。そのほかレモンやお酢といった酸味や香りのある食べ物、大葉やミョウガなどのさっぱりとした食べ物も食欲を刺激します。

個人の趣向によって異なりますが、これらの食材を使いながら一工夫することで食欲が落ちやすい夏でもしっかりと栄養を摂ることができるでしょう。

そのほか忙しいランナーの方には料理の手軽さや、炭水化物・たんぱく質・少量の脂質を摂取することを押さえていただければと思います。

走る管理栄養士・佐原さんおすすめの食材とは?

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カレン:夏の食事に取り入れたい、佐原さんのおすすめ食材とは?

佐原:先述した3つのポイントに加えて、栄養価が高くなる旬の食材であること、料理としての食べやすさも踏まえ、夏におすすめの食材をご紹介します。

まずは野菜です。とくにトマト・なす・ピーマン・パプリカがおすすめですね。ビタミンCは果物に多く含まれているイメージがありますが、パプリカはビタミンCが多く含まれている野菜の1つです。そのほかニラ、モロヘイヤも旬の野菜なので料理に活用してほしいです。

またたんぱく質を多く含んだ食材としてブリやカツオ、豚肉全般やレバーがおすすめです。とくに豚肉はスーパーで薄切りのものが売られていることも多く、冷しゃぶなど手軽に調理できるので忙しいランナーにもおすすめでしょう。

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佐原:調味料の中では先ほど紹介した食欲をそそる香辛料のほか、にんにくや生姜、ラー油といった刺激のあるもの、梅やレモン汁といった酸味のあるもの。またゴマも料理のアクセントを効かせる万能な食材なのでおすすめですね。

ゴマを使った料理の一例として、豆腐と和えた『白和え』やミョウガと一緒に作る『冷や汁』は手軽さもあいまっておすすめのレシピです。

そのほか手軽に作れるものを冷蔵庫に既にストックしておくこともよいでしょう。たとえば冷凍うどんがおすすめです。冷凍うどんであればつゆと一緒に、先ほど挙げた食材を混ぜるだけで簡単に調理を済ませることができます。また、たんぱく質を補給するために冷凍シーフードもおすすめですね。

ちなみに私が冷蔵庫によくストックしてるのは『ねこぶだし』です。出汁を濃縮した調味料であり、水で割るだけで美味しいおつゆを作ることができます。手軽さはもちろん、さまざまな料理に使いやすいのでおすすめです。やさしい味わいであるため暑い夏でも食欲をそそられます。

ランナー必見『カラフルパスタ』『豚ニラピリ辛炒め』

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カレン:おすすめの食材をご紹介いただきましたが、佐原さんによるメニューも伺いたいです。

佐原:一例としてレバニラやカレー、味噌汁、ショウガを入れたコンソメスープも身体の代謝を高めるためによいと思います。とくにスープは野菜や冷凍シーフードなどの食材も活用しやすいでしょう。そのほか今回はこれまで紹介したポイントを押さえた料理を2品紹介します。

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佐原:1つ目は『カラフルパスタ』です。夏が旬の野菜を多く使うことができ、手軽に作れます。数々の野菜から抗酸化成分であるビタミンC・A、食物繊維を摂取することができ、彩りのよさから食欲を高めることもできる料理です。食材はパプリカ、ナス、トマトといった野菜、そしてツナ缶を使います。

まず最初になべに水を張り、水を沸騰させているうちに野菜を切ります。切った野菜はパスタの茹で上がる4分ほど前からフライパンでオリーブオイルとともに炒めはじめます。パスタが茹で上がったあとに具材・ソースをあえて完成です。今回は具材と一緒にトマトソースをあえました。

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2つ目は『豚ニラピリ辛炒め』です。麺類ではなくご飯を食べたい際におすすめの1品ですね。豚肉にはタンパク質はじめ栄養が豊富に含まれており、とくにビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養です。加えてニラに含まれているアリシンはビタミンB1の吸収を高める効果があるので、豚肉とニラは非常に相性のよい食材でしょう。

こちらも調理は非常に簡単。事前に調味液をボウルであえつつ、ニラを食べやすい大きさに切っておきます。そのあとは豚肉と調味液、ニラをフライパンで炒めて完成です。5分ほどで作ることができるかと思います。お好みで豆板醤の量を調整してもよいかもしれません。

カレン:暑さの厳しい夏だからこそ、食事でコンディションを整え元気いっぱいに過ごしていきたいですね。

佐原:しっかりと食べて、しっかり走るといった循環を高めていただければと思います。

***

秋・冬シーズンに笑顔でゴールテープを切るためには、夏季シーズンの過ごし方が大きく影響するでしょう。十分なトレーニングと睡眠、そして佐原さんの紹介した食品・料理が揃えば、より充実した夏、秋以降のランニングライフを過ごせるはずです。

本記事に登場した料理レシピ

カラフルパスタ

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具材(1人前)
・パスタ100g
・黄パプリカ 1/2個
・ミニトマト3個
・ナス1本
・ツナ1缶
・ニンニク1/2片
・トマトソース大さじ2
・オリーブオイル大さじ2

調理手順
1. 鍋にたっぷりの水、塩を入れて沸騰させ、パスタを茹でる
2. パプリカ、ミニトマト、ナスを切る
3. ニンニクはみじん切りにする
4. 茹で上がる4分ほど前になったらフライパンを温め、オリーブオイル、ニンニクを弱火で炒める
5. 香りが出てきたら野菜類を入れ、強火で炒める
6. 少し火が入ったら、ツナとトマトソースを入れて合わせる
7. 茹で汁を50ccほどフライパンに入れ、茹でたパスタを絡めて完成

豚ニラピリ辛炒め

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具材(1人前)
・豚こま 150g
・ニラ 半束
・玉ねぎ 1/4球
・ニンニク 1/2片
・A(砂糖 大さじ1/2・みりん大さじ1/2・豆板醤大さじ1/2・醤油 大さじ1)
・ごま油 大さじ1

調理手順
1. Aをボウルに合わせる
2. にらを3cm幅に、玉ねぎは薄切りに、ニンニクはみじん切りに切る
3. フライパンにごま油をひき、ニンニクを弱火で炒める
4. ニンニクの香りが出てきたら豚こまを炒める
5. 豚肉に火が通ったら、玉ねぎを炒める
6. 玉ねぎに火が通ったら、ニラを入れ炒める
7. ニラがしんなりしすぎないように炒めながら、Aを入れて炒めて完成

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