【アルトラ】初の4mmドロップシューズ「ALTRAFWD EXPERIENCE」は“アルトラ初心者”におすすめ!シューズ開発に託された想いとは
Apr 09, 2024 / SHOES
Apr 09, 2024 Updated
2009年にアメリカでスタートしたランニングシューズブランド『ALTRA(アルトラ)』。自然の走りを体現する“ゼロドロップ”(ドロップが0mm)という、他のランニングシューズブランドと一線を画す革新的なテクノロジーで進化を遂げてきました。そして今回、ブランド初となる4mmドロップの『ALTRAFWD EXPERIENCE(アルトラフォワード エクスペリエンス)』が登場。ブランドにとって、新たなチャレンジともいえるシューズに込められた想いはどのようなものでしょうか。
そんな気になる一足を、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
アルトラ初の4mmドロップシューズがついに登場
大森:今回紹介するシューズは、アルトラの『ALTRA FWD EXPERIENCE』です。アルトラと言えば0mmドロップで有名ですが、こちらはブランド初の4mmドロップシューズとなっています。
藤原:そうですね。正直、「ドロップのあるアルトラってどうなんだろう」と思っちゃったんですよ。
大森:確かに「どうした、アルトラ」と感じる部分はありますよね。
藤原:2009年にスタートしたアルトラの大きな特徴は、ドロップ0mmということで体の揺らしを抑えて、ベアフットナチュラルな走りをさせるということでしたから。
大森:そうですよね。
藤原:もう1つがフットシェイプデザインです。広いワイドな形になっているのが当時の特徴でした。それが今ではスリム、スタンダード、オリジナルと3パターンがあります。
大森:独特ですね。ワイドではなくて、オリジナルと呼ぶんですね。
藤原:オリジナルは、前足部がワイドになっている昔からあるアルトラという感じですね。
大森:こちらのモデルはどのパターンに当たるのでしょうか。
藤原:スタンダードですね。甲周りをしっかりサポートするようになっています。スリムラストはレーシングやテンポアップ向けのモデルに採用されています。
大森:ラストの面でも違いがあるということで気になりますね。
アルトラらしさを残しながら“メインストリーム”を見据えた一足
大森:実際にどのようなモデルか見ていきたいと思います。
藤原:創業者のブライアン・ベックステッド氏が「アルトラをメインストリームにする」ということを口癖に言っているんですが、まさにそのためのシューズがこちらだと思います。
大森:シューズ名に『ALTRA』と入っているのも、その想いが感じますね。
藤原:0mmドロップは傾斜のあるトレイルには相性が良く、トレイルランナーから人気を得ているイメージが強いですよね。こちらは4mmドロップ。使いやすそうであり、必要以上に軽いんですよね。
大森:必要以上に軽いというのは気になりますね。確かに28.5cmで240gのため藤原さんのサイズ(メンズ25.0cm)では208gぐらいでしたよね。
藤原:だからデイリートレーナーのように、初心者をしっかりサポートするという印象ではないんですよね。
大森:走った感触はいかがですか。
藤原:率直に走りやすいです。4mmドロップなので、アルトラを履いたことのないランナーは他ブランドの低ドロップスタイルと同じくスムーズに履きこなせると思います。ただ、アルトラを履きなれている方も、違和感なく履けると思いますね。
大森:変わった感じはそこまでないんですね。
藤原:アルトラでは0mmドロップのことを『バランスクッション』と呼んでいて、このシューズもその名残りを感じさせます。つまり、アルトラらしさが詰まった4mmドロップシューズだと感じました。
従来モデルをつなぐアルトラの中心的存在になる?
大森:アルトラでは他にもモデルがありますが、違いが気になります。
藤原:『ESCALANTE 3(エスカランテ 3)』は薄めで屈曲も強くて、ある意味でこれがアルトラの初心者用ですね。地面の接地感を感じて、フォームをつくってほしいという考えでしたから。
大森:けがを防ぐというコンセプトでしたからね。
藤原:それが今では玄人好みのランニングシューズになっています。これが誰でも履けるようになっているのが『TORIN 7(トーリン 7)』。ヒールもしっかりしていて、ガイドも強いデイリートレーナーです。
大森:そこに対して、ALTRA FWD EXPERIENCEはどの位置づけになりますか。
藤原:まさにESCALANTE 3とTORIN 7をブレンドした形だと思います。変にサポートするよりは、他のラインナップとの親和性を高めてくれると思います。
大森:これらのラインナップの真ん中に入ってくるんですね。
藤原:よりアルトラに履きやすくするための入り口として登場したといえるでしょう。
大森:アルトラが気になっている方には良さそうなランニングシューズですね。ぜひチェックしてみてほしいです。
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ベアフットシューズとして独自の路線でブランドをスタートしつつ、時代の流れに合わせて新たなラインナップも登場させたアルトラ。従来のモデルも繋ぎ合わせるシューズとして、アルトラ愛用者も、まだ履いたことがない方にも試してほしい一足です。
商品情報
アルトラ|ALTRA FWD EXPERIENCE
・価格:¥20,350(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
FS☆RUNNINGオフィシャルサイト