マラソンで「サブ4」を目指すランナーへおすすめのシューズを徹底解説!ポイントは “ガイド感”
Feb 01, 2022 / SHOES
Mar 09, 2022 Updated
Runtrip Magazine読者の皆さんのなかには、フルマラソンでサブ4(4時間切り)を目標に走るランナーも多いのではないでしょうか。目標達成にはギアによるサポートが必要不可欠ですが、本記事ではサブ4向けのランニングシューズを紹介。
今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー 藤原岳久さんと解説していきます。ぜひ、ランニングシューズをお探しの方は参考にしてみてください。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、51歳になった現在も走るシューズアドバイザーです。
サブ4向けランニングシューズを選ぶ基準
大森:サブ4向けのおすすめシューズを紹介していきますが、選び方のポイントはどんなところでしょうか?
藤原:マラソンでサブ4を達成するためには、1kmあたり5分30〜40秒のペースで走り続けます。サブ3で走るランナーに比べると普段のランニングとマラソン本番のペース差が小さいです。普段のランニングでは、1kmあたり7分〜5分台後半で走るランナーが多いでしょう。
大森:そうですね。レース本番で1km3分台のペースで走るようなランナーに比べるとペースの差が小さいですね。
藤原:はい。そのため、サブ4を目指すランナーのシューズ選びは普段のランニングで感触の良いシューズを選ぶことが重要です。
大森:レースだからと言ってレーシングシューズを履くのではなく、トレーニングの延長で考えるのが大事なんですね。今回は普段のランニングで使えるデイリートレーナーから3足、レーシングシューズ寄りのテンポアップシューズから3足紹介します。前列に置かれたデイリートレーナーはアシックス『NOVABLAST 2』、ホカ オネオネ『CLIFTON 8』、ナイキ『エア ズーム ペガサス 38』の3足。後列のテンポアップシューズはナイキ『ズーム フライ 4』、アディダス『ADIZERO BOSTON 10』、プーマ『ディヴィエイト ニトロ』です。
確実にサブ4達成したいランナーへおすすめのシューズ
藤原:確実に4時間以内で完走したいランナーには、デイリートレーナーの3足をおすすめします。重さが気になる方もいるかもしれませんが、たとえば『CLIFTON 8』はテンポアップシューズの『ADIZERO BOSTON 10』より軽いんです。
大森:それは意外ですね!
藤原:『NOVABLAST 2』と『ズーム フライ 4』を一緒に持ってみると同じくらいの重さですね。
大森:テンポアップシューズのほうが軽い印象を持っていましたが、サポート力の高いデイリートレーナーも軽量化しているんですね。
藤原:そうなんです。デイリートレーナーは、身体を前に倒してくれるガイド感が強いシューズ。ゆったりとしたジョギングやLSDといったトレーニングにおすすめですが、サブ4を目指すランナーにはその感覚の延長で走って欲しいです。トレーニング用とは決めつけず、ぜひ感触の良いシューズをレースでも試してみてください。確実にサブ4を達成したい方にとっては、この3足のサポート力がフルマラソンを走る上で支えになります。
モチベーションを上げたい方はテンポアップシューズ
藤原:テンポアップシューズとして紹介する3足は、ミッドソールにカーボンプレートかグラスファイバー製の骨状バーを搭載しています。こうしたシューズがもたらしてくれることは、モチベーション向上です。つまり、シューズの推進力によって「目標を達成できる! 」という感覚を持たせてくれます。4時間を大幅に切れそうなランナーには、ぜひおすすめしたいですね。
大森:なるほど。そのほか、デイリートレーナーにない機能はあるのでしょうか。
藤原:『ズーム フライ 4』を例にとるとソール素材は『ペガサス 38』と同じ『React』フォーム。違うのはシューズの幅が狭く、軽量なアッパーが搭載され、よりレーシングシューズに近づいた点です。クッション性は変わりませんが、ピタッと足にフィットする感覚が得られます。
大森:推進力とレーシングシューズのようなフィット感により、レースに向けてモチベーションが高められるということですね。
藤原:また、『ディヴィエイト ニトロ』は非常に感触が良いガイドを感じられます。気持ち良い感覚で走れますね。『ADIZERO BOSTON 10』はレーシングシューズでも使われているミッドソール素材『LIGHTSTRIKE PRO』を一部に採用し、走りはじめるとバウンドを感じるシューズ。しばらく走るとしっかり安定する感覚を感じるようになります。この3足は、どれもマラソンを良い感覚で走れるシューズでしょう。
大森:安定感がありつつ、どのシューズもカクンと倒れる感覚がありますよね。
藤原:そうですね。前足部が着地したときに倒れる感じがあります。そのなかでも『BOSTON 10』はドロップが8.5mm。コロンと転がっていくような作りで、280g(27.0cm)の重さを感じさせない作りです。つまり、軽さより身体は前へ倒れる『ガイド感』を重視してランニングシューズを選ぶことが大切です。
大森:サポート力とガイドを兼ね備えている方が、長い距離を安心して走り続けられますね。具体的なタイムとして、3時間30分〜3時間45分程度を目指すランナーはこの3足から選んでみてはいかがでしょうか。
サブ4向けのランニングシューズを6足紹介しました。感覚がフィットするシューズでレースへチャレンジできるよう、本記事の内容を参考にしてみてくださいね。お気に入りのシューズとともに目標達成を目指しましょう!
シューズ詳細情報
アシックス|NOVABLAST 2
・価格:¥17,600(税込)
ホカ オネオネ|CLIFTON 8
・価格:¥17,600(税込)
ナイキ|エア ズーム ペガサス 38
・価格:¥14,300(税込)
ナイキ|ズーム フライ 4
・価格:¥18,700(税込)
アディダス|ADIZERO BOSTON 10
・価格:¥16,000(税込)
プーマ|ディヴィエイト ニトロ
・価格:¥19,800(税込)
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藤原 岳久さん
F・Shokai 【藤原商会】代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト