【2025最新】サロモンの定番モデル『ADV SKIN』がアップデート! こだわり・機能性が詰まった1点をトレラン専門店店長が解説
Feb 26, 2025 / OTHER
Feb 27, 2025 Updated
トレイルランニング(以下、トレラン)はもちろん、通勤ランなど幅広く愛用されるサロモンのザック。その代表的モデルともいえる『ADV SKIN(アドバンスドスキン)』シリーズの2025年度最新作が登場。そのアップデートポイントを他モデルと比較しながら、トレラン専門店『Trippers(トリッパーズ)』店長の朝長拓也さんが解説します。ご自身も数々のトレイルランレースを走る朝長さんによる、マニアックな解説は必見です。
サロモンからラインナップされるザック3シリーズを比較

岡田:今回はザックの紹介です。もはや定番となっているサロモンから新たにアップデートされた『ADV SKIN 12(アドバンスドスキン 12)』をフォーカスしていきたいと思います。
朝長:Trippersでも1番売れている、まさにど真ん中のシリーズになります。
岡田:これからトレランを始める方や、新しくザックを買いたいという方は必見のアイテムですね。まずはサロモンのベストタイプのザックの違いや選び方なども見ていきたいと思います。
朝長:サロモンのベストタイプのザックは大きく分けて、この3つになります。1つ目が『ACTIVE SKIN(アクティブ スキン)』というシリーズ。シンプルな作りで非常にコスパが良いアイテムです。これからトレランを始める方や、ランニング用のザックが必要という方には使いやすいです。
岡田:こちらの容量は12Lで、フラスク2点付きで税込13,090円ということで、かなりお買い得ですよね。
朝長:フラスクを2つ買っただけで、6,000円(実際には1点で税込3,300円)くらいしますからね。
岡田:これさえあれば、すぐさまランニングを始められるから良いですよね。帰宅ランとかにも使えそうです。
朝長:2点目が『S/LAB』シリーズです。
岡田:これはサロモンのアスリートたちが使っていますね。
朝長:レースを意識した、軽くてシンプルなタイプのザックです。生地はかなり薄いですね。
岡田:見た目から違いますよね。
朝長:ポケットは充実していますが、最小限かつ機能性重視になっています。
岡田:そして今回アップデートされた『ADV SKIN』というシリーズです。
朝長:先ほど紹介した2つの中間にあたるタイプですね。ボトルがあって、大きいポケットや背面ポケットなどもあり、トレランポールを付けられるコードなど、機能が1番充実しているモデルです。レースでも、普段使いでもおすすめとなっています。
岡田:シンプルなタイプ、機能性が最も充実しているタイプ、レース用にそぎ落としたタイプと非常に分かりやすくなっていますね。
定番モデル『ADV SKIN』の進化を解説

岡田:では大人気で機能抜群のADV SKINシリーズが、今回どのようにアップデートしたかを見ていきたいと思います。
朝長:前作との比較もしながら見ていきたいと思います。今回はどちらも容量が12Lタイプです。
岡田:見た目もちょっと変わっていますね。
朝長:前作は背面の大きな収納部分の生地が大きく伸びる素材でした。
岡田:確かにその印象があります。
朝長:入れたい物を突っ込めばいくらでも入ったのですが、重たいものを入れると少し揺れる感じがありました。今回は伸び縮みしにくい素材に変更され、ザックが揺れる不安が少なくなりました。
朝長:もう1つの変更点が背面のポケットです。以前はかなり大きくて、多くのものを収納できることも魅力だったのですが、入口が割と高い位置にありました。
岡田:確かにちょっと窮屈な感じになりますよね。
朝長:長い距離を走るレースで疲れてきた時だと、取り出す際にきついという経験をした方もいるんじゃないでしょうか。今回は入口を少し斜めに切ってあり、手がスムーズに入るようになりました。
岡田:なるほど。でも、その分入る容量は少なくなったということですか。
朝長:その通りです。でも減少した分は非常に少ないので大きな問題はないと思います。
岡田:100マイルレースで2回、旧タイプを使っていました。収納力がある分アイテムを詰め込んでしまい、探すのに苦労したことがあります。その点では良いかもしれないですね。
朝長:間違いなく出し入れはしやすくなりました。
細かい改良ポイントも目白押し
岡田:背面の記事やポケットが大きな変更点ですか。
朝長:そうですね。ただ良く見ていくとそれ以外にも改良ポイントはいろいろとあります。
岡田:それは気になりますね。
朝長:かなりマニアックな内容にはなっていきますが、まずはファスナーの耐久度です。サロモンを使っていた方でファスナーが壊れた経験がある方もいると思いますが、今回はファスナーが太く、しっかりとしているものに変わっています。
岡田:素晴らしいですね。
朝長:あとはフラスクです。前作までは真っすぐな形だったんですが、今回はキャップ付近が少し角度がついており、斜めになっています。
岡田:確かにキャップ付近が斜めになっていますね。
朝長:真っすぐだと縁が胸に当たって痛いということがありました。斜めになることでキャップ付近が胸に対してフラットになり、前作の課題が改善されています。これまでSABシリーズで使われているモデルもあったのですが、こちらにも搭載されるようになりました。
岡田:細かい部分ですが、ありがたいですよね。
朝長:あとはフロントのフックです。
岡田:いや、これは細かい!
朝長:これまでのタイプは片手だったり、動きながらだとなかなか留められなかったりすることもあったと思います。
慣れてしまえば大丈夫だと思いますが、最初のうちはコツを掴むまでちょっと苦労するかと思います。今回はそれがスムーズになりました。
岡田:そもそも形状も違いますね。
朝長:そうですね。すごく留めやすくなったと思います。加えて前を締めると紐が余っていたと思うんですが、先端にフックがついたのでゴムに引っ掛けることができ、余った部分が暴れなくなっています。
岡田:実際に背負ってみましたが、より使いやすそうで良いですね。
朝長:実は簡略化した部分もあります。前作は右前のポケットにゴミ入れがついていましたが、今作ではゴミ入れがなくなりました。あとは背面上部にポケットがありましたが、それもなくしています。良く使っていたという人からするとちょっと不満かもしれませんが、トータルで見ると使いやすさは上がっていると思います。
岡田:機能は充実しているけど、そのなかで要らない部分は省き、シンプルで使いやすくなっている感じですね。
朝長:また前作まではハイドレーションを入れる断熱バックも付属されていましたが、そちらもなくなっています。今はあまりハイドレーションを使う人も減っているので、それを考慮してコスト削減という感じだと思います。
岡田:いろいろと変わっていますね。
朝長:背面の収納部分など、実用的な部分はシンプルになって、細かい部分は改良されているという感じですね。
岡田:初めてのザックからロングレースを使える万能なアイテムで、ヒットの予感がありますね。

朝長:今回は12Lのモデルを紹介しましたが、同じアップデートを盛り込んだ5Lタイプもあります。またウィメンズモデルもありますね。
岡田:メンズモデルとの違はがありますか。
朝長:基本の構造は同じですが、ウィメンズモデルは前のハーネス部分が女性向けに立体的になっています。
岡田:それぞれ、自分に合ったタイプを試して欲しいですね。
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従来のモデルも多くの人々に愛用されてるモデルが、さらなる進化を目指して改良した新作の「ADV SKIN」。気になった方は、朝長さんの解説を参考にぜひ試してみてください。
詳細情報
サロモン|ADV SKIN 12

・価格:¥19,800(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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朝長 拓也さん
トレイルランニング専門店 Trippers 代表/ JAFTスポーツシューフィッター
2012年にトレイルランニングに目覚め、2017年にTrippersを立ち上げる。
※前職はアパレル企業で服の型紙を作るパタンナー
2018年トレニックワールド彩の国100mile 完走
2020年 KOUMI100 完走