海外マラソンコレクターが振り返るゴールドコーストマラソン。ウエディングコスチュームで42kmを走破!?

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イメージ画像(Adobe Stock)

厳しい暑さが続く7月。日本では外で走るのもままならない日々が続いていますが、冬を迎える南半球・オーストラリアでは7月6日(土)・7日(日)にゴールドコーストマラソン2024が開催されました。

日本人ランナーからも人気のこの大会。本記事では、数多くの海外マラソンを走破し、昨年『わたし、世界を走ってます 20代で43カ国のマラソンを走って見えてきたこと』を出版した“海外マラソンコレクター”こと鈴木ゆうりさんがゴールドコーストマラソンを走った模様をお届けします。

ある格好で走ったことから、沿道から多くの祝福を受けてマラソンを走り切った鈴木さん。いったいどのようなレースだったのでしょうか。

(リード文:木幡真人/ 本文・写真:鈴木ゆうり)

日本を飛び出し、走りやすい気候のゴールドコーストへ

猛暑で長距離を走るのには辛い日々が続きますね。そんな中、酷暑の日本を飛び出して、オーストラリアのゴールドコーストマラソンを走ってきました。

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ゴールドコーストの街並み(Adobe Stock)

ゴールドコーストマラソンは、6割のランナーが自己ベスト更新するほどフラットで走りやすく、世界的に人気のレースの1つです。

羽田空港から約10時間ほどのフライトで、まずはシドニーへ。そこから国内線に乗ること1時間弱でゴールドコーストに到着しました。日本との時差は1時間だけ、時差が少ないのは嬉しいポイント。

空港の外に出ると冷たい風がお出迎え。オーストラリアの季節は、日本とは真逆の冬。走るのにはもってこいの気候でした。

ゴールドコースト市内は南北に伸びるトラムが走っていて、そのトラムでEXPOもスタート地点にもアクセス可能。しかもありがたいことに、大会参加者はゼッケンをつけていれば、レースのある土日はトラムが無料で利用できちゃいます。

スタート前から祝福を受けたその理由とは……?

ゼッケンをEXPOで受け取ったら、後はレース本番を待つのみです。実は私事ですが、このレースは新婚旅行も兼ねてまして、夫と2人で揃ってウエディングコスチュームを着て走ることに。

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コスプレをして走るのは初めてだったので、レース前日は地味にソワソワしていました……!

さて、レース当日。前日は雨が降ったり止んだりと微妙な空模様だったのですが、この日は打って変わって快晴。

スタート時間は6時15分と早朝なので、5時半頃にトラムに乗ってスタート地点に向かいます。トラム内はランナーでぎゅうぎゅう詰めだったのですが、わたし達のコスチュームを見て「結婚したの? おめでとう!」と言ってくれるランナーが後を絶たず。その後のスタート地点でも、たくさんのランナーに「ビューティフル!」「ラブリー!」などの声をかけてもらい、気分は上々です。

まだ薄暗い6時15分、レーススタートの号砲が鳴り響きました。延べ約3万人ものランナーが42.195km先のゴールを目指して一斉に足を動かします。

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明け方にも関わらず沿道には応援する人が立っていて、ウエディングコスチュームで走るわたしたちを目にすると、必ずと言っていいほど「おめでとう!」と声をかけてくれました。

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コースは、ゴールドコースト市内や眺めの良い海岸線沿いを走る爽快なコースです。本来ならば気候も快適なのですが、ウエディングコスチュームを着ながら走る我々夫婦は、太陽が顔を出した5km過ぎから汗が止まりませんでした。それでも沿道の応援だけでなく、ランナーやペーサー陣にも走りながら祝福の言葉を送られ、喜びから足は軽快に前に進みます。

不測の事態に見舞われる場面も

しかし、一点だけ不測の事態が。エイドステーションに給食が全然ないのです。10km以降であるのかな、なんて希望的観測をしていたのですが、15kmを過ぎても一向に現れません。ここで「もしかして給食なかったり…?」という不安が頭を過りました。実は我々、ウエディングコスチュームに気合を入れ過ぎて、補給食の準備をすっかり忘れていて、レース中の給食をあてにしていたのです。

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恐れていた予感が的中したのは20km過ぎ。現地の方が「州の法律で、食料の提供が出来ないんですよ~!」と教えてくれました。

そこからは飢えとの戦いです。何の補給もできないまま、ハーフ、25kmと過ぎ、胃の空っぽ具合は最高潮。沿道の「おめでとう!」の声にも応える余裕がありません。

しばらく走って30km過ぎ、ようやくエイドステーションが見えてきてジェルを補給。

残りの10kmは食料がある余裕からか足は軽快に進み、朝に比べてより増えた沿道の祝福の声にも全身で応えることができました。

特に41km地点くらいから、おしくらまんじゅうのように応援する人が立っていて、ほどんど全員が「おめでとう!」と声を張り上げて祝福してくれました。これがとっても最高の気分で、ずっと走れるなあなんて思ったり。

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そのまま最高の気分で迎えたゴールライン。夫と抱き合ってお互いの完走を讃えあっていると、現地メディアのスタッフに肩を叩かれました 。我々を是非取材したいとのことで、そのままインタビューを受けることに。オーストラリアのテレビデビューが唐突に決定です。ちなみにその日18時のニュースでしっかり放送されてました。カットされていなくて良かったです。

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こうして幕を閉じたゴールドコーストマラソン。日本からのアクセスも良好、気候もコースも盛り上がりも最高なこのレース、一度走ると「また来年も……!」と病みつきになること間違いなしです。酷暑から逃げたい方、海外マラソンデビューをしてみたい方はぜひゴールドコーストマラソンを走ってみてはいかがでしょうか。

ゴールドコーストマラソン公式サイト

◾️鈴木ゆうりさんの著書『わたし、世界を走ってます 20代で43カ国のマラソンを走って見えてきたこと』

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