最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

アディダスより6月6日にリリースされた『ADIZERO BOSTON 8(アディゼロボストン8)』。エネルギーロスを抑える、ズレ軽減フィット構造を採用したことで、最後の一歩までフィットするのが特徴だという。

では、そもそも足にシューズがフィットするとはどういうことなのか、そして『アディゼロボストン 8』はどのように活用すべきシューズなのか。

信州大学 繊維学部 感性工学コース 教授の吉田宏昭さんと、シューズフィッティングアドバイザーの藤原岳久さんをゲストに迎え、ラントリップ代表の大森英一郎を加えた3名の座談会で、フィットとシューズの関係性を紐解いた。

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

大森:フィットの話にも繋がるので、先に聞いておきたいのですが、吉田先生が研究されている感性工学というのはどういう学問なのでしょうか。

吉田:簡単に言うと、人間の感性を数値化して、モノ作りに応用していこうというものですね。たとえば足とシューズに関することなら、快適に歩行するというのは、どういう足の状態であるのかを、MRIを使って靴の中での足の変形を観察してみたり。そのようなデータを計測しながら、長靴用のインソールやウォーキングシューズの開発のお手伝いをしたりしています。

足の自然な動きを妨げないことが重要

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

大森:藤原さんは、ランニングシューズを専門にしたシューズフィッティングアドバイザーとしてご活躍されていますが、足にフィットするシューズというのは、どういうシューズだと思われますか?

藤原:フィット感ということで言えば、裸足のときに足がしている動きを妨げないということが大事だと思います。シューズがキツくて足が靴の中で縮こまっている状態はもちろんよくないですし、緩すぎると足がシューズを運ぶような裸足では起こらない動作が生まれてしまいます。

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像
アーチのクッション性と反発性

吉田:人間の足の裏にはアーチがあって、アーチの働きで、着地の衝撃を吸収しながら、次の一歩に繋がる反発力を生みます。着地時には当然、前後にも左右にも少し足は広がることになります。この動きをシューズが妨げてしまうと、足が持っている機能は発揮されませんし、ケガにも繋がってしまいます。

大森:走っているときの足の動きを妨げず、アッパーの形状がそれに追従してくれるようなシューズが良いということですね。では、どのあたりに注意してフィットするシューズというのを見つければいいのでしょうか。

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

藤原:踵をホールドしてくれかどうかというのは重要ですね。なので、ヒールカウンターがしっかりしているシューズが良いだろうと思います。もう1つは足の甲の周辺もストレスなくホールドしてくれていること。踵と甲の部分で足とシューズを一体化させるというのが、現時点でのベストの方法なんだと思います。踵と甲である程度固定しつつ、前足部は、つま先も含めて多少余裕があったほうがいいでしょうね。

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

大森:吉田先生はどう思われますか?

吉田:踵をホールドしてくれるというのは、とても大事な部分だと思います。ここが固定されないと、足とシューズがフィットするというのは難しいでしょうね。あとは足の変形に対応できるかどうか。先ほど、前後左右の話をさせていただきましたが、足は上下方向にも変形しますから、アッパー素材は、『アディゼロボストン 8』のようなメッシュ、もしくはニット系のモデルのように、フレキシブルであるほうがいいでしょうね。

フィットしていないシューズはエネルギーロスを生む

大森:足にシューズがフィットしているかどうかというのは、当たり前のことかもしれませんが、パフォーマンスにも影響しますよね?

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

吉田:もちろんです! 長靴やスリッパで走ることを想像してみてください。極端な例ではありますが、フィットしていないシューズで走るというのは、それに近い状況が足に起こるということです。指先に余計な力が入ったり、不必要にすり足になったりすれば、エネルギーロスが生まれるのは明らかです。

藤原:吉田先生のおっしゃる通りですね。ランニングイベントに参加される方でもたまにいらっしゃるのですが、変にすり足だったり、ぎこちない走り方をしている場合、シューズのサイズが合っていない、フィットしていないことがよくあります。そういう方も、一度シューズを脱いで走ってもらうと、キレイに走れたりするんです。それに、いくらクッション性や反発性に優れたシューズであったとしても、足にフィットしていなければ、残念ながらあまり意味がありません。その点、『アディゼロボストン 8』は日本人の足にフィットしやすいラストで万能型とも言えますね。

大森:シューズのフィット感の重要性が、よくわかりました! 後編では『アディゼロボストン 8』について、もう少し詳しくお話を伺えたらと思います。

 

「最後の一歩までフィット「ADIZERO BOSTON 8」を専門家が分析」の画像

『ADIZERO BOSTON 8(アディゼロボストン 8)』
・サイズ : 【MEN’S】24.5〜31.0cm【WOMEN’S】22.0〜29.0cm
・自店販売価格 : 12,000円+税
・ミッドソールドロップ : 10mm(ヒール:29mm/ 前足部:19mm)
・販売店舗 : アディダス オンラインショップ/ アディダス ブランドコアストア各店/ スポーツデポ各店/ アルペン各店/ SteP Sports各店/ スポーピアシラトリ各店/ スポーツオーソリティ各店/ スポーツゼビオ各店/ ヒマラヤスポーツ各店/ その他 全国のアディダスランニング取扱い店舗

(文 神津文人 / 写真 Eliana

Runtrip編集部が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「ITEM」の新着記事

CATEGORY