アシックスのゲル-クォンタム最新作は「水の上を歩くようなクッション性」?

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なんだ、このクッション性は――。
着地した瞬間にそう感じるランニングシューズがアシックスから登場した。その名はINFINITY(インフィニティ)。GEL-QUANTUM(ゲル-クォンタム)シリーズの最新作である。
12月6日、翌日の発売開始を前に、インフィニティのお披露目パーティーがアシックス原宿店で行われた。訪れた多くのメディア関係者や招待者を驚かせたのは、アシックスが誇るシューズの衝撃緩衝材“GEL”(ゲル)の進化。まさに『無限』という意味のシューズ名にふさわしいテクノロジーだった。一体どんなシューズなのか? デビューしたてのインフィニティについて詳しくお伝えしたい。

クッション性で定評がある、あのゲルがミッドソール全面に

その日、アシックス原宿店はインフィニティ一色にデコレートされた。同店は、若者でにぎわう竹下通りと明治通りがぶつかるところにある。ウィンドウには新しいテクノロジーを紹介する大型ビジョンが掲げられ、店内では様々なツールを使って、インスタ映えするディスプレイがなされていた。「おっ、なに……?」インパクトの強さに、道行く人が思わず足を止める。中にはスマホで撮影する人も。

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ウィンドウには、新しいテクノロジーを紹介する大型ビジョンが掲げられた
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店内では、様々なツールを使ってインスタ映えするディスプレイがなされていた

店内には、主役であるインフィニティが壁面いっぱいに飾られていた。カラーは、メンズ2色にウィメンズ2色の4色展開。メンズ、ウィメンズともグレーベースが直営店限定で、ブラックベースが限定店舗で販売される。

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壁面いっぱいに飾られていたインフィニティ
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カラーは、メンズ、ウィメンズ各2色の4色展開

さっそく手に取ってみる。アッパーは、立体パフプリントでシームレスな一体型構造に加えて、新しい空間レイヤーを追加する真空無縫製テクノロジーを採用。スムーズな足あたりの良さを実現しているということだが、一見すると、ファッション性が高い印象。タウンユース、つまり街履きとしても、こだわり派に受け入れられそうだ。傍らにいたファッション業界人とおぼしき来場者も、インフィニティを手に2度、3度とうなずいていた。

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ファッション性が高い印象を受けるインフィニティ

ただ、インフィニティの真骨頂はテクノロジーにある。それは、シューズの裏側を見るとすぐにわかった。今から28年前、1986年からアシックスのシューズに搭載されているあのGEL(ゲル)が、ミッドソール全面に、惜しげもなく施されているのだ。
ランナーのみなさんには、すでにお馴染みかとも思うが、ゲルは足にかかる衝撃を緩衝するアシックス独自の優れたテクノロジーだ。素材は、防振材・衝撃吸収材としても用いられるシリコーンを主原料とする軟質なゲル状素材。これをウレタンフィルムでパッキングし、シューズの踏み付け部、かかと部といった衝撃が大きい部位に搭載している。
これまでは衝撃が大きい部位に搭載されてきたゲルを、インフィニティではフルレングスで採用したというのだ。

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インフィニティの真骨頂はシューズの裏側にある

クッション性は、インフィニティに足を入れ、地面を踏んだ瞬間、すぐに伝わってきた。足裏がとてもやわらかく感じる。強めに足踏みをしても、それは変わらない。全面ワンピース構造のゲルテクノロジーのミッドソールが見事なまでに衝撃を吸収してしまうのだ。このまま、今すぐにでも走り出したい。そんな気分にもなった。言葉で表現するとしたら『全く新しいクッション性』になろうか。試し履きスペースでは、あちこちで「ほー」「へー」という感嘆の声が漏れていた。

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「ほー」「へー」という声が漏れていた試し履きのスぺ―ス

アウトソールは水滴と、その波紋をモチーフとした独創的なデザイン

インフィニティのお披露目パーティでは、インフィニティを開発したアシックス フットウェア統括部 デザイナーの上田隆之氏によるトークショーも行われた。上田氏によると、全面ワンピース構造のゲルテクノロジーのミッドソールは、アシックスにとって悲願だったという。

しかし、材料的に難しい側面があり、具現化するのに苦労したようだ。それでも、素材のイノベーションという後押しがあり、完成に至った。上田氏は「まるで水の上を歩くようなクッション性が感じられると思います」と言葉に力を込める。ワンピース構造ではあるが、屈曲性も備わっているという。

上田氏は、この画期的なミッドソールを覆うアウトソールのデザイン性にも言及。アウトソールは、水滴とその波紋にインスピレーションを受けた2色のグラデーションカラーからなる、独創的なデザインに仕立てたという。

また、インフィニティにちょっとした仕掛けがあることも教えてくれた。シューズのベロ部分には、『インフィニティ=無限』を意味するシューズ名にちなみ、カタカナで『ムゲン』とゴールドでデザインしたロゴを加えたという。これには「世界に向けて日本から」という思いが込められているそうだ。さらに、かかと部分に刻まれたシューズ名のデザインが、右と左では微妙に異なるギミックも。

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インフィニティを開発した、アシックスのデザイナー・上田隆之氏(左)
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かかと部分のシューズ名のデザインが、右と左では微妙に異なる

ハイセンスなカジュアルシューズのように見えて、実はハイテクノロジーのパフォーマンスシューズ。インフィニティは、ファッションアイテムとしても良し、ランニングシューズとしても良し。どちらの用途で選ぶかはあなた次第だが、いずれにしても、このクッションはクセになりそうだ。

 

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