テンポアップにおすすめのシューズ3選! ワークアウトにぴったりな一足をシューズアドバイザーが解説
Nov 29, 2024 / SHOES
Nov 29, 2024 Updated
スピードの出力を高めたトレーニングで活躍するテンポアップシューズ。各メーカーからさまざまなモデルが展開されるなか、Runtripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんがテンポアップシューズとしておすすめの3足を徹底解説します。
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
幅広いランナーが活用できるテンポアップシューズ
大森:今回は速いペースで走るトレーニングにおすすめのテンポアップシューズをご紹介します。ワークアウトはもちろん、目標によってはレース用のシューズとしても使用できるシューズですね。
藤原:今回はおすすめシューズを3つ用意しました。それぞれに特徴が異なるので、シューズの比較も含めご紹介できればと思います。
大森:1つ目はアシックス『MAGIC SPEED 4』です。定価は税込18,700円、シューズの厚みは43.5mm、重量は約241g(片足)です。
大森:2つ目はブルックス『ハイペリオン 2』です。定価は22,000円、厚みは26mmであり、重量は約200g(片足)です。
大森:3つ目はアディダス『ADIZERO BOSTON 12』です。定価は税込18,700円、厚みは39.5mmであり、重量は約270g(片足)です。
藤原:テンポアップシューズはシリアスランナーだけでなくマラソン完走を目指してる方にも必要なシューズだと思います。とくに走りはじめたばかりの人はゆっくりとしたペースで走ることがほとんどでしょう。ただゆっくりとしたジョギングしかしていないと身体に対する負荷の変化が少なくなり、結果としてケガをしてしまいやすくなってしまいます。日々のトレーニングに変化を生むために、テンポアップシューズを2、3足目として持っておくことが効果的なのです。
テンポアップシューズを選ぶ観点として、機能がシンプルで軽量なものを選ぶとよいでしょう。テンポアップトレーニングを行う目的は身体への負荷に変化を生み出すことなので、軽量性に優れているか否かが1つの視点となります。軽量なシューズの方が足への負荷も高まりやすいですし、速く走ることにもつながるので心拍数を高めるトレーニングを行いやすいです。
それぞれに特徴をもったテンポアップシューズ3選
大森:軽量性に着目した際、ハイペリオン 2は約200gと非常に軽い一足ですね。
藤原:初代モデルからアップデートされ非常に軽量な一足になりました。クッションが厚すぎず地面との距離も程よいです。こういった軽いシューズは足運びを楽にしてくれるので、トレーニングへのモチベーションも高まることでしょう。
藤原:テンポアップシューズを選ぶ観点としてガイド機能などを担うプレート素材の有無もあります。プレート素材が内蔵されたシューズは助力を得ることができます。その反面トレーニング時に楽をすることができてしまうため、足への負荷を高めるためにカーボン製よりも柔らかな素材を使用した、もしくはプレート素材を使用していないシューズを選ぶこともおすすめです。またカーボンプレートを搭載したシューズは下肢への負担も大きいので、トレーニング時にシューズを使い分けるためにもおすすめでしょう。
以上の視点を踏まえ、MAGIC SPEED 4とADIZERO BOSTON 12はデイリートレーナーと厚底レーシングシューズの中間に位置するシューズと言えますね。
大森:なるほど。デイリートレーナーと厚底レーシングシューズのいいとこどりをしたシューズなのですね。
藤原:厚底レーシングシューズの多くは柔らかな素材を使用しているため反発弾性に優れていますが、走るペースが遅くなると足首が過剰に倒れ込んでしまうなど、不安定さも生み出してしまいます。その点これらのシューズは安定性も備わっているため、デイリートレーナーの良さも含まれたおすすめの2足です。
藤原:ADIZERO BOSTON 12はミッドソールに厚底レーシングシューズでも用いられている『LIGHTSTRIKE PRO』、安定性に優れた『LIGHTSTRIKE 2.0』を2層構造で採用しています。接地はソフトなフィーリングでありつつ、グラスファイバー製『ENERGYRODS 2.0』も搭載しているので程よく跳ね返してくれるシューズです。
他メーカーでも異なる素材を2層構造として搭載したシューズは多く展開されていますが、こちらはより厚底レーシングシューズ寄りのシューズかと思いますね。ENERGYRODS 2.0による助力がちょうどよく、蹴り出し時の感覚も非常によいため、長い距離をある程度のスピードで走るトレーニングには非常におすすめです。
藤原:一方のMAGIC SPEED 4はADIZERO BOSTON 12とともにプレート素材を採用しつつ、軽量性にも優れた一足です。
大森:改めて重量は約240gですね。
藤原:カーボン製のプレートが搭載されていますが、程よくしなるように設計されており、ADIZERO BOSTON 12のように絶妙な助力を生み出してくれます。
構造としてはミッドソールに『FF BLAST PLUS』を採用しています。こちらは『NOVABLAST』シリーズにも採用されている素材ですね。ただ前足部には厚底レーシングシューズにも使われていた『FF BLAST』を搭載しており、蹴り出しの感覚がとてもよいです。
ランナーの境遇に合わせて自分にあったテンポアップシューズを
藤原:3足をご紹介しましたが、改めてハイペリオン 2は軽量でとても履きやすいシューズなのではじめてのレーシングシューズとしても選ぶことができます。そのためテンポアップシューズとして筆頭の一足と言えるでしょう。
大森:実際のレースでカーボン製のプレートや反発弾性の高い素材を搭載シューズを履きたい方は、似た構造を採用しているMAGIC SPEED 4とADIZERO BOSTON 12がおすすめということですね。
藤原:その通りです。厚底レーシングシューズよりも耐久性も優れているので、言うなれば「カーボンプレートテンポアップトレーナー」と言いましょうか。メーカーさんもレースで使用することも見据えこの2足をつくっていると思うので、厚底レーシングシューズを履いている人にとってはこちらもテンポアップシューズに成り得るでしょう。
まずはハイペリオン 2をテンポアップシューズとして選びつつ、より高い目標を達成するために厚底レーシングシューズを履きたいとなったらMAGIC SPEED 4やADIZERO BOSTON 12を選ぶーー。ランナーの境遇に合わせて、自分にあったテンポアップシューズを選ぶことができるでしょう。
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速く走るための機能を搭載しつつ、多くのランナーが活用できるよう工夫が凝らされたテンポアップシューズ3足。デイリートレーナーとともに持ち合わせることで、あなたのランニングライフを豊かにしてくれるでしょう。
詳細情報
アシックス|MAGIC SPEED 4
・価格:¥18,700(税込)
ブルックス|Hyperion 2
・価格:¥22,000(税込)
1.アディダス|ADIZERO BOSTON 12
・価格|¥18,700(税込)
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)