復活した名作シューズのサッカニー『ハリケーン 24』。MAXクッションへ変化した理由とは?

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アメリカ発の老舗シューズブランド・サッカニーから登場した『HURRICANE 24(ハリケーン 24)』。こちらの記事では、Runtripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが本シューズについて解説します。

藤原さんも「廃盤になったと思っていた」と語るモデルであり、本作はどのようなアップデートを遂げたのでしょうか。

藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

復活を遂げた『ハリケーン』シリーズとは?

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(左から)ラントリップ代表・大森、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

大森:今回はサッカニーのハリケーン 24を紹介します。

藤原:『ENDORPHIN(エンドルフィン)』シリーズや『TRIUMPH(トライアンフ)』シリーズなど、人気モデルの影に隠れてしまうことが多いなか、24代も続くシリーズです。前作が出たのはかなり前で、業界では廃盤になったと思われていたでしょう。

大森:ここにきて再び登場してきたのですか。

藤原:以前はトライアンフシリーズとセットで出ていました。ただ最近は『Tempus(テンパス)』というスタビリティトレーナーの最新作が登場しなくなっていたため、ハリケーンシリーズも同様に廃盤になったのだと思っていたのです。そんななか、まさかの新作が登場し驚きました。

ボリューム満点のミッドソールには『PWRRUN PB』を使用

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藤原:見た目はとても分厚いですよね。スタックハイトは38mmとなっていますが、実際はミッドソールの位置より下にインソールの部分があるので、さらに厚く見えます。

大森:確かに40mm以上ありそうに見えますね。

藤原:接地時に安定感を生むスタビリティ要素に特化したシリーズですが、他のスタビリティトレーナーと比べるとニュートラル寄りに履けるシューズかなと思います。ミッドソールはエンドルフィンシリーズでも使っている反発弾性に優れた『PWRRUN PB』を使っています。

大森:接地時の感触が柔らかそうな一足ですね。

藤原:非常にソフトに仕上がっています。PWRRUN PBが上層にあるので、足を入れた感じはEndrphinシリーズの履き心地に近いです。下層にはやや硬度のある『PWRRUN』を使っています。

大森:レーシングシューズに使われているブランド最高峰の素材を使いつつ、分厚さと下層部で安定感も備えているシューズなのですね。

藤原:スタビリティトレーナーは硬度のある素材を内側に配置し、オーバープロネーション(過剰な倒れ込み)を抑制させるパターンが主流です。しかし今作はPWRRUNを全体的に配置しており、オーバープロネーション対策とともに、長く走ることでフォームが崩れてしまうような時に安定性を感じる作りとなっています。

二層構造のソールが生むクッション&スタビリティ

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大森:走ると二層構造となっているミッドソール素材の違いを感じますか。

藤原:PWRRUN PBによる反発力を感じますが、安定感も非常に高く、バランスの取れたオールマイティな一足だと感じます。

大森:ロングランにはすごく良さそうですね。

藤原:長い距離を走るときや、体格のしっかりとしたランナーのジョギング用としてもおすすめでしょう。私も非常に気に入っており、かなりの頻度で履いています。クッションとスタビリティの両方を感じることができ、いろいろなランナーが履けるシューズになっていると思います。

大森:形状的にも各ブランドのMAXクッションモデルと近い印象がありますね。

藤原:そうですね。接地時の安定性を高めるためには「硬度を硬くするか」「プラットフォームを広げるか」といった2つの方法がありますが、今作はその両方を備えていると思います。

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大森:履き心地はいかがですか。

藤原:足をしっかり包み込むオーソドックスな作りになっていて、フィット感もしっかりしています。LSD(ゆっくりと長時間ジョギングを行うトレーニング法)など、足が疲れているときに履くと最高だと思います。

大森:いろいろと進化していますね。

藤原:重量は片足302gですが、昔だったらこれだけボリュームのあるシューズを作ると400gは超えていたと思います。クッション性や安定性、重量など非常に優秀なシューズでしょう。

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現代のブランドテクノロジーを搭載して帰ってきた『ハリケーン 24』。藤原さんも「いろいろなランナーが履ける」と太鼓判を押す一足、気になった方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

詳細情報

サッカニー|ハリケーン 24

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出典:saucony-japan.com

価格:¥22,000(税込)

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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

FS☆RUNNINGオフィシャルサイト

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