【ナイキ】ZoomX フォーム&カーボンプレート搭載!プロ山岳ランナー・上田瑠偉選手が解説するトレランシューズ「ウルトラフライ」の履き心地
Mar 31, 2024 / SHOES
Apr 01, 2024 Updated
春の訪れとともに、ショートからロングまで各地で大会が活発となってくるトレランシーズン。気持ちも新たに足元を支える相棒となるシューズを探している人も多いのではないでしょうか。
そんなランナーに向けて、プロトレイルランナーの上田瑠偉選手によるシューズレビューをお届け。今回は2023年に発売されたナイキの『ウルトラフライ』の特徴、そして上田選手独自の視点による解説を読んでみてください。
“チャンピオンシップトレイルレースシューズ”と銘打たれた一足
岡田:今回ご紹介するシューズは、ナイキの『ウルトラフライ』です。
上田:このシューズはナイキでは初めてVibramアウトソールを使っているということで、非常に気になり履いてみました。
岡田:このシューズはナイキの公式サイトでは“チャンピオンシップトレイルレースシューズ”と銘打ったトップレーシングモデルに位置付けられていますよね。
上田:確かにロード用の『アルファフライ』シリーズや『ヴェイパーフライ』シリーズと同じく、ミッドソールはZoomX フォームを使っています。1点ロードシューズと異なるのは、耐久性を上げるためにミッドソールが布の素材に包み込まれているんですよね。そのおかげで耐久性には優れていると思います。
岡田:そこにFlyplate(フライプレート)と言われるカーボンプレートが入っているので、剛性が強いですよね。
岡田:上田選手が使用してみて、履き心地はどうですか。
上田:アッパーの外側はヴェイパーフライ ネクスト%にも搭載されていた『Vaporweave』(ヴェイパーウィーヴ)が使われていますが、内側には柔らかめの素材がさらに1枚配されています。これによって足を包み込む感じが気持ちいいんです。耐久性もそうですし、より長い距離を走るときの快適性が非常に考えられていると思います。
岡田:このあたりはトレイルのレーシング仕様にカスタマイズされている感じですね。サイズ感的にはどうですか。
上田:シューズは25.5cmまたは26.0cmのどちらかを選ぶことのですが、こちらのシューズは25.5cmを選びました。足幅は広めだと思うので、日本人に合いやすいと思います。
岡田:走った感触は、やはりロード用のレーシングと同じような感触でしょうか。
上田:履いた感じはアルファフライやヴェイパーフライと比べると弾む感覚はないですが、そもそもトレイルのコースは土の上ですからね。ただZoomX フォームのクッションはしっかりと感じられましたね。
ロングレース後半やフラットレースで実力を発揮!?
岡田:上田選手はウルトラフライをレースで使用しましたか。
上田:昨年の12月にオーストラリアで開催された100kmのレースが久しぶりのウルトラだったので、そこでいくつか試してみたいシューズの候補があった中の1つでした。レースは前半が山岳部分、後半走りやすいパートで天候が悪くなる予報もあったので、途中でシューズが濡れていたら履き変えることも考え中間のエイドに持ち込みました。結果としては、天候も悪くなくて履き変えませんでしたが、トレーニングが十分に詰めてなくて後半失速してしまったので履いたほうが良かったという後悔はありますね。
岡田:長いレースで履いてみようと思った理由はなんでしょうか。
上田:主戦場としている30、40km程度のレースだとちょっと重く感じるかもしれませんが、100kmのレースを走るペースだったら使いやすいと感じていたんです。
岡田:これは上田選手くらいのスピードでという意見で、一般ランナーだと短めの距離でも気持ちいいクッション感が得られそうですね。
上田:そうですね。いずれにしても、アップダウンのある地形より走りやすいコースのほうが向いていると感じます。ラグも凹凸感がないので、ロードでも走りやすいでしょう。
岡田:確かにロードが織り交ざったコースは良さそうですね。
上田:Vibram MEGAGRIPを使っているので、多少の濡れた路面でもグリップの安心感はありますね。
岡田:レースでは出番がなかったということですが、それ以外ではどんなシーンで履きましたか。
上田:オーストラリアに持って行くために、周回コースを使って他の候補のシューズと比較してみました。そうしたら、このシューズのラップタイムが良かったですね。そういう意味でエネルギーリターンや効率性が良く感じました。また、最近では2時間くらいフラットな芝生で走り、1キロ4分30秒くらいのペースが気持ちよかったんです。
岡田:おすすめのランナーやシーンはどうでしょうか。
上田:上級者であれば50km以上の長めの距離に向いていると思います。そのくらいの距離のほうがクッション性やカーボンプレートのリターンをもらえるのではないでしょうか。コースとしてはフラットめの地形やロードの多い場面が良いと思います。
岡田:走れるトレイルにより向いているということですね。
上田:そうですね。初心者でもクッションの柔らかさとかは安心感もあるかもしれないですけど、価格を考慮すると上級者のほうがいいでしょう。
岡田:今後はどこかのレースで出番がありそうですか。
上田:2024年はまだ長いレースを予定していないので、レースでの使用は未定です。しかし、普段のジョグやリカバリーランをはじめ頻繁に使用する機会はあると思います。
岡田:ロングトレイルランナーには重宝されそうですし、市民ランナーならミドルレンジのトレイルでも出番はありそうですね。
上田:全然あると思いますね。
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ロードシーンを席巻したナイキのレーシングシューズのテクノロジーがトレラン仕様に落とし込まれた一足。今シーズンのトレランレースで着用する選手も増えそうな『ウルトラフライ』に注目が集まります。
詳細情報
ナイキ|ウルトラフライ
・価格:¥36,080(税込)
商品ページ(メンズ)
※ウィメンズは現在販売されておりません。
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