【アシックス】最新作「METASPEED+」シリーズ2足の特徴や違いをレビュー
May 02, 2022 / SHOES
May 02, 2022 Updated
アシックスから厚底レーシングシューズ『METASPEED+』シリーズが登場。今作もストライド型とピッチ型の違いに着目して開発され『METASPEED SKY+』『METASPEED EDGE+』の2足が登場しました。
4月24日(日)にスペイン・マラガではアシックスのパートナー選手たちが『METASPEED+』シリーズを着用して自己ベスト記録更新を目指すレース『META: Time: Trials』が開催され、27に及ぶ自己ベスト記録が誕生。その注目のシューズについて、現地で取材を行ったラントリップ代表・大森とスポーツMC・岡田拓海さんによるレビューをお届けします。
「SKY+」「EDGE+」の違いは
岡田:前作『METASPEED』シリーズを履いた方も多いと思いますが、『METASPEED』シリーズがアップデートされて『METASPEED SKY+』『METASPEED EDGE+』の2足が登場しました。
大森:『METASPEED SKY+』は『FF BLAST TURBO』というクッション素材が4%増量しましたね。反発性が高められているので、より強い推進力を感じました。『METASPEED SKY+』は、カーボンプレートが足に近いソール上層にフラットな形状で配置されています。下層は前作より厚く作られているため、強い反発力を感じられます。
岡田:ハーフマラソン・ヨーロッパ記録保持者のジュリアン・ワンダース選手は「前作よりもクッションの感触がアップデートされ、前足部の反発性を強く感じた」とコメントしていました。
大森:クッションが増量したことで接地時のぐらつきが気になる方が多いと思います。ただ、前足部が横に張り出すように作られているので、ぐらつきは軽減されている感触でした。
岡田:そうですね。私も安定感が高くなったと感じました。
大森:重さは『METASPEED SKY+』が205g(メンズ27.0cm)、『METASPEED EDGE+』が210g(メンズ27.0cm)ですね。
岡田:『METASPEED SKY+』はストライド型、『METASPEED EDGE+』はピッチ型という位置付け。『METASPEED SKY+』は1歩の歩幅をより広く推進力を得るためのシューズで、『METASPEED EDGE+』はより足を早く回すためのシューズです。
大森:マラソンサブ3程度のペースへ上げた時にどちらの走法になるか調査しているんですよね。実際には、60〜70%の割合でストライド型が多いそうです。
岡田:ちなみに、ジュリアン・ワンダース選手は「スピード走は『METASPEED SKY+』、ロング走では『METASPEED EDGE+』を選ぶ」とインタビューでは回答していましたね。
大森:それから、シューレース(靴紐)がとてもいいです!
岡田:たしかに、紐の両脇がギザギザしている独特の形状に作られましたね。
大森:シューレースを結んでいる間に緩まず一度締めた位置で維持してくれます。さらに、紐が解けにくいので走っていてストレスになりません。
岡田:足を入れてから、まず気づくのがシューレースの形状と締まり具合ですよね。
大森:アッパーが良いはもちろん、紐の質もさらに改善されています。
岡田:そして、カラーがグリーンとイエローのツートンカラーになりましたね。
大森:とてもかっこいいカラーリングですよね!
「METASPEED EDGE+」の進化
岡田:『METASPEED EDGE+』はピッチ型のランナーに向けて開発されたシューズ。前作は188g(メンズ27.0cm)だったので22g重くなっています。しかし、『FF BLAST TURBO』が『METASPEED EDGE+』は16%増量しているんですよね。
大森:16%増量というのはすごいですよね。
岡田:『METASPEED EDGE+』は別のシューズと言っても過言ではないほど大きなアップデートでした。
大森:明らかに『METASPEED EDGE+』の進化はすごいです。
岡田:前作ではスピードを出しやすい『METASPEED SKY+』を選んだ方も多いと思いますが、今作はクッションが16%増量されているので反発力がかなり強くなったと感じました。
大森:そうですよね。
岡田:カーボンプレートの形状はスプーン状で、前足部はソール下層に搭載されています。『METASPEED EDGE+』はつま先が反り上がった構造なので前に転がりやすい作りなんですよね。
大森:転がることで、推進力を感じますよね。
岡田:そうですね。ドロップは『METASPEED SKY+』が5mm、『METASPEED EDGE+』が8mm。『METASPEED EDGE+』は傾斜をつけることで転がるようにしていますね。ピッチ型は踵から接地するランナーも多く、そうした走り方にフィットしますよね。アウトソールの部分にも違いがあって、『METASPEED EDGE+』は踵の先までラバーが配されています。
岡田:2足ともに共通のアッパーは、足の動きを包むような形状で伸縮性がありつつ、フィット感が高められています。
大森:前作は少し前足部の窮屈さを感じましたが、中足部でしっかりホールドしてくれて前足部は指の動きが制限されないつくりに変わった印象を受けました。
岡田:前作では、アッパーが若干硬く感じましたが、今作は伸縮性があり包み込むような感触がありますね。今作は2足の違いが明らかで、『METASPEED EDGE+』はフルマラソン3時間半以上のランナーでもおすすめですね。
大森:おすすめできると思います。
岡田:また、履きわけについて気になる方も多いと思いますが、ジュリアン・ワンダース選手はジョギングや軽い負荷のトレーニングでは『NOVABLAST』や『DYNABLAST』を使うといいます。もちろん、ほかにもトレーニングにフィットするシューズは展開されていますが、『METASPEED+』シリーズの弾むような感覚に慣れたい方には『NOVABLAST』や『DYNABLAST』はフィットするかもしれないですね。
アシックスから新たに登場した『METASPEED+』シリーズ。それぞれのシューズの特徴や違いについて、詳しいレビューをお届けしました。このほか、Runtrip Channelではスペイン・マラガで実施された『META: Time: Trials』やハーフマラソン・ヨーロッパ記録保持者のジュリアン・ワンダース選手へのインタビューの模様もお届けしています。ぜひ、そちらもご覧ください。
詳細情報
METASPEED SKY+
・発売時期:2022年6月中旬
・価格:¥27,500(税込)
・ドロップ:5mm
METASPEED EDGE+
・発売時期:2022年6月中旬
・価格:¥27,500(税込)
・ドロップ:8mm
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