アディダス「ADISTAR」は走力アップに効率的な一足。マラソンの基礎練習となる「LSD」におすすめ
Jan 10, 2022 / SHOES
Jan 14, 2022 Updated
アディダスの『ADISTAR(アディスター)』はアディゼロシリーズとは差別化を図ったシューズとしてクッション性の高さはもちろんのこと、効率的な走りをサポートするロッカー形状が特徴のシューズ。安定性が高く、ウォーキングやジョギングを楽しむランナーや、大会や目標タイムに向けて走力を向上したいランナーのロングランを後押しする1足です。
今回は実際に『ADISTAR』を履いてロングランをしたアディダス契約アドバイザーの中野ジェームズ修一さんと、サブスリーランナーの松永健士さんのお2人に話を聞きました。
長距離走は「長く走る練習」が重要
青山学院大学陸上競技部長距離ブロックのフィジカルトレーニングの「青トレ」を監修したことでも知られる中野さんですが、自身もマラソンを経験しているランナー。シンプルなこととはいえ、長距離走で記録を伸ばすためには「長く走ることが重要」だと話します。
中野さんは普段は1回のランニングで12kmを走っているといいますが、それよりも長い距離、例えば20kmを走るとなると少し心構えが必要とのこと。それでも、ゆっくりと長く走るLSD(ロングスローディスタンス)の練習が大事だと説きます。
「大人になると関節などの内部組織の損傷のリスクが大きくなってくることもありますし、速いスピードで走るのは負担が大きいです。ゆっくり長く走ると脂肪燃焼効率も高くなります。LSDはダイエットなど健康維持のためにも有効です」
では、LSDの基準とは何でしょうか。90分から180分などの長時間をゆっくり走る、という定義もありますが、中野さんは「LSDの時間はランナーのレベルで変わる。その人が長いと感じる長さを走ること」という基準を話します。
例えば普段のジョギングで4km程度を走るランナーなら8kmや10kmを走るのもLSD。ダイエットや生活習慣病の予防に効果的なLSDですが、自己記録を更新したい競技志向のランナーにとってはその練習効果を知っておきたいところ。
まずは、『有酸素能力』の向上。毛細血管の発達を促し酸素運搬をスムーズにする狙いがあります。次に、普段より長距離を走ることで『筋持久力』を高めること。着地衝撃の連続は脚部の筋腱の強化に役立ちます。3つ目は長距離走を『精神的』に克服すること。マラソンのためのLSDは、レースで走る時間に近い時間をゆっくり走り続ける、というシンプルな練習です。
「ADISTAR、“ズルいな”と思いました」
『ADISTAR』の重量はメンズで300g程度。スピードを出すシューズでないものの、踵から足を包み込むような2層構造のRepetitorミッドソールの安定性の高さが特徴。さらに、ロッカーテクノロジー搭載で長時間のランニングでもスムーズな転がりで効率的な走りをアシストしてくれます。
今回、『ADISTAR』で普段よりも長い時間を走った中野さん。高い安定性と長距離を走っても疲れにくい点を評価。
「ADISTAR、“ズルいな”と思いました。最近多忙であまり走っていなくて、いきなりLSDをやったのですが筋肉痛が起きなかったのです。このシューズだと練習で距離を伸ばすための心理的なハードルが下がりますし、走っている時はだんだんと気持ちが乗ってきます」。
また、“ランニングに踏み出すまでの一歩が重い”というシチュエーションではこんなことも。「多忙で“今日(もしくは)今走りに行かないといけない”。けど、なんか体が重い。あとは、食べ過ぎたから痩せないといけないな、とか。そういう時に“長い距離を走ろうかな”というマインドにさせてくれる『ADISTAR』を下駄箱に置いておきたいですね」
中野さんはこの1足について「鍛えるというよりかは楽に走るためのシューズ」とまとめます。また、ミッドソールが厚いシューズはグラつきや沈み込みなど不安定なシューズもあるなか『ADISTAR』の安定性の高さを評価。“キビキビと歩く”ウォーキングや、LSDやマラニックの途中での歩行のシーンでも十分に使えるといいます。
シリアスランナーからみた「ADISTAR」の印象
マラソンPBが2時間44分58秒(Beyond 2021)の松永健士さんは、マラソンサブスリー集団「健ちゃん練」を率いるシリアスランナー。
『ADISTAR』の第一印象について「スピードを出すシューズではないけど、ぼてっとした見た目ほど重さは感じず、足離れがいいな」という印象を受けたといいます。
「転がる感じが心地良いです。ダメージを受けづらく、効率良く走れるシューズ。LSDで履くとしたら、5:00-4:45/kmペースでの150分間走ですね。マラソンレースの長さのゆっくりの時間走ですが、私は4:30/kmのペースまで対応可能だと感じました」
今はアディゼロシリーズのような軽量かつ反発性の高いレーシング / テンポアップシューズの人気がありますが、LSD向けといえるこのシューズを松永さんはどう評価しているのでしょうか。
「LSDなどのロングランはやはり脚へのダメージがあるものなので、その点で『ADISTAR』はソールが厚くて脚が守られているのと、足が廻っていくのはすごく良いですね。アディダスのシューズでこういうシューズはあまりなかったので意外でした」
松永さんは、サブスリーを達成した今、月間300-400kmの練習量でインターバルやペース走、LSDやレースペースに近いロングランなどバランスよくメニューをこなしています。
かつては6:00/kmペースだったジョグが、今ではそれよりも速いペースで走りつつ、イージーとはいえ意識しているのはランニングフォーム。松永さんは現役サブテンランナーからジョグでもレース時のような良いフォームを維持することの重要性を教えてもらったそう。その後、良いジョグを確立できたことでマラソン練習に向けて気持ちも安定してきたと振り返ります。
ゆっくりの時ほど高い安定性が重要
松永さんはLSD以外のシーンでも『ADISTAR』がリカバリーランで良さそうと話します。自他共に認める“お酒が大好きなランナー”である松永さんは、たとえ翌日のコンディションが優れない状態であったとしても、走ったという実感が欲しいという理由で “酒抜きラン” をするそう。
「いつも飲んでいるので(笑)重度のコンディションが優れない状態であれば4km、軽度であれば8km程度です。コンディションが優れない時ほどデトックスとして汗を出すようにしています。マラソンでサブ2:40を目指すぐらいになると、やはりコンスタントに走らないといけないですし」
先ほどの中野さんは「脚が重い時に下駄箱に入れておきたい1足」という表現でしたが、松永さんの場合は「体調が優れない時に活躍するシューズ」と、冗談のようなことをいいつつも『ADISTAR』の厚みが大きいEVAフォームの安定性の高さについて話します。
「ジョグやLSDのようにゆっくりの時ほど自分の場合は少し硬い方が安定していて走りやすいですね。ゆっくりのジョグでもレースに近い骨盤の角度で走れている感じはあります。4:30/kmよりも遅いペースのジョグで履きたいですね」
また、フィット感については「広めに作られているので長い距離を走ってもむくみにくいのかな。それでいて、適度に包まれている感覚があって良いですね」と評価。コンチネンタルラバーのグリップ性や耐久性の高さも『ADISTAR』のポイントとして挙げていました。
長距離を走っても快適な通気性、適度なホールド感やフィット感の良さ。EVAフォームの安定性、ローリング形状からなる走行効率の高さが特徴的な1足『ADISTAR』。お二人のお話をお伺いし、『ADISTAR』は日々のトレーニングの大半を占める“ゆっくりペース“のランニングのために持っておきたい1足といえるのではないでしょうか。
adidas「ADISTAR」
「ゆっくり長く」のランニングを安定させる抜群のクッション性と安定性。ロッカー形状でスムーズな蹴り出しが可能なシューズ。
アッパー:エンジニアードメッシュアッパー
柔らかさと通気性に優れたアッパーが足を優しく包み込み、長時間のランニングでも快適に走れます。
ローリングシェープドフォアフット
前足部のローリング形状で転がるような走りが可能に。スムーズな蹴り出しと前方への推進力を生み出します。
ミッドソール:リサイクルEVAフォーム
純度の高いリサイクルEVAフォームを搭載され、高い安定性で後足部や中足部への接地をサポート。
アウトソール:コンチネンタルラバー
自動車やレース用の自転車にも採用されているContinetal™ラバーが搭載され、優れたグリップ性能であらゆる天候や条件下をカバーします。
・価格:¥15,000(税込)
・重量:320g(27.0cm)
・カラー:メンズ・レディース 各3色展開
・販売店:スポーツデポ / アルペン、アディダス直営店のみの限定販売
・商品URL:https://store.alpen-group.jp/campaign/sportsdepo_alpen/brand/adidas/adistar/
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(文 河原井 司 /写真 松崎竜也 吉田一之)