フルマラソン「3時間41分」で走っても自然体。モデル・高山都さんのしなやかな毎日

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ファッション誌のモデルや女優として活躍中の高山都さん。肩肘を張らない自然体のライフスタイルが、多くの女性に支持されている。

そんな高山さんの1つの『柱』になっているのが、ランニングだ。現在のフルベストは、2016年の横浜マラソンで出した3時間41分。多忙な中でも楽しみながら走り、多い時は月間200㎞を超える距離を踏む。心がけているのは「しなやかに走り続けること」

モデル・女優でありつつ、ランナーとして、さらには料理の方面でも注目を集める高山さんに『都流』のランライフをうかがった。

ランニングと出会ったことで、自己表現の場が広がる

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誰にでも走り始めたきっかけはある。高山さんの場合、それは2011年の香川丸亀国際ハーフマラソンだった。

仕事の関係で出場することになったものの、それまではスポーツとは全く無縁だった。

「典型的な文系女子でしたね。体育は苦手で、特に球技はいまもダメ(笑)。高校時代は軽音楽部で、バンドを組んでいたんですよ」

だが、本人いわく「生来の負けず嫌い」。走ると決めたら、途中でリタイアはしたくないと練習に打ち込み、2時間2分のタイムでゴールした。初心者としては、なかなかの好タイムである。

そして、そこからランニングにはまっていく。

「母親の影響もあったでしょうね。母は40歳を過ぎてから走り始め、フルの自己ベストは3時間25分。毎日のように走りに行く姿を見ていたので、入りやすかったんだと思います」

ランニングが習慣になってからは、悪いことが何一つとして思い当たらないという。

「もう、いいことづくめですね。姿勢は良くなったし、声が通りやすくなりました。冬でも汗をかくので、体の中の老廃物が出ていくのか、免疫力が上がり、風邪を引きにくくもなりました」

走ることで、活躍の場も広がった。転機になったのは、2014年の名古屋ウィメンズマラソン。当時はまだラン歴が浅く、あるメーカーの枠で出場したものの「特別なサポートはなかったですし、1人で乗り込んで走った感じでした」。コンディションは万全でなく、辛うじてドクターストップはかからなかったのだが、足を疲労骨折していた。

こうしたアゲインストの状況の中、初めてサブ4を達成する。高山さんは「そこからですね。本格的にランニングのお仕事をいただけるようになったのは」と振り返る。

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高山さんがランニングと出会ったのは20代後半の時だが、20代の頃はあまり自分に自信が持てなかったという。今回の取材の後に行われたあるトークショーで、こんな話を披露している。
「周りは自分の中に確固たる太い柱を持っている人ばかりなのに、私にはありませんでした。でも、そこまで太くなくても、いくつか柱があれば、それに対抗できるのでは、と気が付きまして……。もともとあった音楽という柱に、ランニングの柱が加わり、最近になって、料理も柱になりました。まだ柱にできるものがあるのではと、目下、模索しているところです」

お気に入りの音楽とウェアが走る気分を高めてくれる

「フルマラソン「3時間41分」で走っても自然体。モデル・高山都さんのしなやかな毎日」の画像ラン歴8年。今や走ることは、すっかり高山さんの生活の一部。多忙な中でも走る時間を作り、仕事で地方に行く際も、その地で『旅ラン』を楽しんでいる。レースの前には距離が増えるが、高山さんには「走らなければ」という義務感のようなものはない。
「そもそも好きなことなので、自分の意志で、走ることを選択しようと。それに、走ったほうがお酒を罪悪感なしに飲めますし(笑)」

長く走り続けるために、モットーにしているのは、“しなやか”に走る。

「ストイックになり過ぎて、しなりがなくなると、心も体もポキッと折れてしまうので」

ランニングの時、高山さんの気持ちを高めてくれるのは音楽だ。走りながら、好きな曲を4時間くらいに詰め込んだプレイリストを繰り返し聴く。お気に入りは日本のロックバンド。

「わたしの心には、メッセージ性がある曲が刺さるので」と高山さん。レースの時は声援が力になるので、沿道側のイヤホンを外し、佳境になると両耳に入れ、スイッチを入れるそうだ。

そして、もう1つがウェア。

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「最近の気分は、あまりラブリーでないもの。いかにも走ってますという感じのウェアではなく、青山あたりを走っても浮かない、シックなウェアですね。お洒落なカフェにもそのまま入れそうな……。ニューヨークのブルックリンに行った時、走ったままの恰好で買い物している女性ランナーを何人も見ました。みんな抵抗がないんですよ。それが普通なんですね。素敵に映りました。日本ではまだ、アスレジャーファッションは浸透してませんが、そうなるといいなと思っています」

料理をする時も走る時も、自己肯定を忘れない

高山さんは、料理家としても注目されている。インスタグラムで投稿を続けている料理は、どれもヘルシーで、彩りも鮮やかで、幅広い世代から人気だ。

 

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2017年に、“食”を1つのカテゴリーとする『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』を上梓。昨年には、一作目の好評を受けて、第2弾となる『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』を出版した(いずれも双葉社刊)。

聞けば、中学生の頃から、お弁当を自分で作っていたという。

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「夏休みに夏期講習に通っていたんですが、ある年、いきなり母親から『冷蔵庫にあるものは好きなだけ使っていいから、お弁当は自分で作りなさい』と言われまして。今思うと、教育の一環だったんでしょう。はじめは悪戦苦闘しましたが、毎日作っているうちに卵焼きも上手に作れるようになったんです」

外食することもあるが、仕事で疲れて帰ってきた時も「自分を大事にするために」キッチンに立つ。

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「今日は走ったからタンパク質を摂ろう。だったら豆腐にしようか、それとも白身の魚がいいか、などと考えながら、料理を作る時間を大切にしています」

もっとも、そこには「…しなければならない」という力みはない。高山さんの料理に対する姿勢は、ランニングのそれに近いものがある。

「料理も走ることもゴールを設定したなら、それに向かっていくわけですが、ムリをしないのが、わたしのポリシー。料理もランも、自分のマインドを良くするためのものですからね。楽しむ気持ち、自己肯定を忘れないようにしています」

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ちなみに得意料理は、唐揚げ、春巻き、マーボー豆腐。シンプルな揚げ物は、失敗を経て黄金比をつかみ、マーボー豆腐にはシイタケをきざんで入れるなど、独自のエッセンスを加えている。

『音楽』『ランニング』『料理』という3本の柱をつかむことで、輝きを増した高山さん。そのしなやかで、凛とした生き方は同世代を中心に女性の共感を呼んでいるが、「わたしは、自分が特別な存在だとは思ってません」と話す。

そして、こう続けた。

「運動神経も良くないですしね(笑)。自分ができること、好きなことを、毎日、少しずつ積み重ねてきただけで……。でも、そうしたら、自信にもつながったんです」

高山さんは、ランニングを始めて以来、走った距離をアプリで記録している。トータルの走行距離は、出場予定の東京マラソン2019まで1カ月の時点で、11,996㎞。

きっとこれからも「好き」を重ねて、その距離を伸ばしていくことだろう。

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高山都(たかやま・みやこ)1982年12月27日生まれ。大阪府出身。ファッション誌のビューティーモデルをはじめ、ドラマや舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなどとして幅広く活動している。2010年から始めたランニングでも、各方面で活躍。フルマラソンのベストは3時間41分(2016年横浜マラソン)。近年は、自身のインスタグラムで「#みやれゴハン」として投稿している日々のごはんが広く話題に。2017年に、自分らしく毎日を楽しむコツを綴った『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』を、昨年にはこの第2弾となる『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』を上梓(いずれも双葉社刊)し、反響を呼んでいる。

(写真 Eliana

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